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北大雪スキー場から比麻良山へ縦走のはずが...

先月末に平山登山口までの支湧別本流林道が開通したのもあり、自転車を使って北大雪スキー場から一周しようと思い立ったものの、前日に二転三転する天気予報に翻弄され、ビールを飲みつつ天気図等を見ながら考え込んでいたら飲み過ぎた。で、朝5時起床...見事に寝坊。天気予報やライブカメラをチェックしたら快晴の予感。そんなわけで駄目モトで自転車を積み込んでまずは平山登山口へ。

平山登山道はきれいに修復されていたが、登山口手前50mほどが溝のようにえぐれ酷い状態。あこを乗り入れたものの満車で転回できず、バックで下まで下がろうとした時にハンドル操作を誤って溝にはまり込んだ。深い溝のため脱出に苦労したが四駆モードに切り替わったあこは頼もしかったが、左ドアの下が切り傷だらけになってしまった。すまん。

そんなわけで林道を往復して北大雪スキー場着。地図を見ると「CENTER HOUSE」と書かれたロッジの右脇から登山道に入れるらしいのでそこに駐車。先発隊の車二台が停まっているもののガラーンとしている。地図ではスキーリフトに沿って登山道が付いているが、そんなものは熊笹に埋まっており、ロッジからつながっている林道を進むしかないようだ。入林届ボックスは薮の中...一応、書こうと薮の中に入ったが虫が集まってきたので早くしなきゃと頭が真っ白になり、後から考えれば、日付など完全に間違って記入してしまった。

スキーリフトのメンテナンス用と思われる林道は良く整備されて快適で、ピストン登山ならこれを使って標高890m点まで車で十分行けそうだ。890点には4~5台は停められそうな駐車場もある。今日はハードな行程に合わせ、カメラはNikon1V1のみ...ザックの中身も減らして全部で8kg弱。それでも照付ける日射しが暑く、気温も上昇してきて熱中症気味で気分が悪い。林道が終わってもリフトに沿って単調な道が続いている。

北電の反射板で先発隊に追い付いた。ここは開けた岩場で反射板の影で日射しを避けて休憩できそう。白滝の街並みや畑もきれいに見える。

小休止の後、先発体を抜いてハイマツの稜線に入る。反射板のすぐ近くに山頂標識と思われるポールだけが立った小さな広場があり、そこがおそらく小天狗岳の山頂。周囲はリンネソウやゴゼンタチバナ、ミツバオウレンが多く、コケモモは既に実になっている。イソツツジやマルバシモツケなどの葉も見られることから、この山が花で賑やかになるのはもっと早い時期のようだ(写真はリンネソウの群落)。

「電光坂」と書かれた急坂を登りきると標識も何もないが前天狗岳と思われるピーク。そこを抜けると少し稜線らしくなってくる。こういう景色は本当に好き。正面に天狗岳の山頂が見えている。

ここまでは意外と簡単だったなと思っていたが、さすがに天狗岳と名前がつく山だけあって早々簡単に山頂には着かせてくれない。急坂に鎖場を抜けて行くが、もうここで完全に息も足も上がらなくなってしまった。最後の鎖ハシゴを抜けると天狗岳の山頂。祠が特徴的な山頂で、地形的に突出しているので景色も良い。小休止をしつつ、もう息が上がって進めそうもないので、どうしようか思案したが、とりあえず有明山まで行こうと決意を固め、一旦コルまで下る。

コルから有明山まで標高差200m弱の登り。数字的にいつもの体調なら大したことはないはずだけど、今日は熱中症気味なのと、足も相当使えなくてハイマツの根に引っ掛ったり、歩くこともままならない。それなりに眺望もあっていい山なのに今日は全然余裕がなくて、ただひたすら足下を見ながら進むだけ。

有明山の山頂はハイマツに囲まれた三角点があるだけの2m四方ぐらいの空間。とりあえず比麻良山のほうを見てみたいと、ハイマツの道を進んで有明山山頂の南端へ...そして眼下に拡がる絶望的なまでに高度感のある光景。標高1320mの樹林帯まで標高を下げ、そこから遥か遠方に、1755mの文三岳、1796mの比麻良山へと道が続いている。何だかオプタテシケ山からトムラウシ山への縦走路を眺めるようじゃないか。更に向こうにはニセイカウシュッペ。景色としては最高だけれども、もう進む気力は完全に失われた。今日のコンディションなら、ここを降りたら文三岳に登るのは相当苦戦するし、下山した後は20kmほど自転車を漕がなくてはならないのだから...

そんなわけで引き返したわけだが、天狗岳への登り返しで完全に失速。一歩一歩進むのが精一杯になってしまい、撤退して正解だったと思った。行きに抜いたパーティは天狗岳で折り返したようで、今日、有明山に登ったのは私だけだったようだ。途中の雪渓では足跡も完全に消えていたため、私の前も数日は空いているらしい。そんな静かな山頂でゆっくりする。ふと気付いたら山頂標識の向きが変っている。きっと先程まで山頂にいたパーティが記念撮影に都合のよい位置に動かしたのかも。

天狗岳の北側の峰の向こうにはチトカニウシ山、写真には写っていないがこの左側には天塩岳も見える。思えば天塩岳も随分と登っていない気がする。また行きたいと思いつつも中々行けない。

山頂近くに咲いていたエゾツツジ。下山時にはエゾシャクナゲの花終わり掛けではあったが見れた。

驚いたのはウラジロナナカマド。あちこちで紅葉しているんですが...

下山時に小天狗岳でポールを撮影。逆光が幸いして、うまいぐあいにポールが強調された絵になった。このあと、反射板の下で休憩していたパーティを再び抜き、スキーリフトに沿って下りて行く。下山後は自転車を回収しに再び平山登山口へ...なんだか無駄に往復しているなぁと思いつつ、回収後にひたすら林道を走る。温泉をナビで検索していたら、前から来た車と正面衝突しかかって、ABS作動、そして急ハンドル。私以外にも、こんな時間に登ってくる人いるんだと驚いた。

ヤマレコで山行詳細が、Nikon image space(http://img.gg/ousJ9Ju)で山行写真全てが御覧になれます。

北大雪スキー場センターハウス前登山口(9:00)→小天狗岳(10:20)→前天狗岳(10:45)→天狗岳(11:10←大休止→11:20)→有明山(11:55)→天狗岳(12:25←昼食→12:40)→前天狗岳(13:00)→小天狗岳(13:20)→北大雪スキー場センターハウス前登山口(14:20)

今回のカメラ:「Nikon1 V1」+「1 NIKKOR 10mm f/2.8」

今回のあこの燃費:14.7km/L(明日はあこの車検。帰りに投票行って、ブログ書いてゴロゴロしていよう)

小雨の初山別みさき公園より

昨日から初山別にのみさき公園キャンプ場に来ています。昨日はいい天気で絶好のキャンプ日和でした。


仕事のつながりの集まりで初めて会う人も含めて6人です。顔出しNGの人もいるので写真は風景と花だけです。


ハマナスの花はほぼ終わり、実が赤くなりつつありました。なんだか季節がめまぐるしいですね。

エゾリュウは夏らしく。そそりたっています。大空にまっすぐ伸びる姿が北海道らしい花だと思うのです。

夕暮れときに御社の高台に腰かけて、神様と一緒にビールを飲みながら日暮れの様子をボーっと眺めています。海って久しぶりにきましたが、穏やかな時は心が安らぎますねぇ。

その飲み相手がこちらの神様です。ビールを差し上げました(^^;。

そんなわけでキャンプ場の夜は更けていきます。結局、お酒をどのぐらい飲んだのかわかりませんが、気がついたら午前2時近くになっていました。泊まり山行でそんなことやったら、隣の人から怒鳴られそうです(^^;。

おかげで今日ピッシリ山に行こうと思っていたのですが、すっかり朝からグタグダしてしまって、小雨も降ってきたのもあって初山別の道の駅からブログを書いています。Wi-fi接続もできる道の駅でとても便利です。

ウェザーニュースを見ていると明日の道北地方の天気も微妙なので、とりあえずピッシリ山登山口の朱鞠内あたりに行って、もう一泊して登るか、転進するか、帰宅するかを決めようと思ってます。その前に、岬の湯がオープン時間になったのでまずは温泉ですね。海風と汗でベタベタで気持ち悪いのです。

それでは、また。


今回のカメラ:
「D7000」+
 「AF-S DX Zoom-Nikkor 12-24mm f/4G IF-ED」
 「AF-S DX NIKKOR 16-85mm f/3.5-5.6G ED VR」

今回のあこの燃費:13.6km/L

チョウノスケソウを探しに小泉岳へ

チョウノスケソウ、今年は雪解けが遅いため7月に入ってからが見頃かと思っていたが、ヤマレコ諸氏の情報ではもうピークが過ぎつつあるらしい。それでも遅咲きの花が残っているかと思い、高原温泉から小泉岳を目指した。

天気は「曇り後晴れ」という予報に反して良好で高原温泉の周囲だけが晴れている。そういえば以前も夏に似たような予報でこの周囲だけ晴れていたなと思いつつ登山口へ。朝7時という時間を考慮しても駐車場はガラガラで先発体も7組ほど。人気の山にしては珍しいなと思いつつ入山。今日のカメラは2台体制。「D7000」は花用に「AF-S DX NIKKOR 16-85mm f/3.5-5.6G ED VR」、「Nikon1 V1」には動物用に「SIGMA AF APO 400mm F5.6(Aマウント)」を付けてある。この望遠用のセットが以外と曲者で、水を少し減らしたにも関わらずザックがズシっと来た。おまけに昨夜は暑くて殆ど寝れずに体調が悪いのと周囲の湿度が高いのが影響して、林間の急坂コースに入った途端にペースが落ちる。

林間コースはミツバオウレン、ゴゼンタチバナ、エゾイワハタザオ、エゾイチゲなどが咲いていて、これらを見ながらゆっくり進むことにする。ゴゼンタチバナは時期が早いらしく緑花が多い。第一花畑が近づくとエゾザクラが一輪だけ咲いていた(写真はゴゼンタチバナとエゾイワハタザオ)。

第一花畑に出ると大雪田が拡がっていてベンガラの丸印を繋いで行く。第一花畑と第ニ花畑の境目あたりに雪の溝が出来ていて、これを迂回するようにベンガラルートが描かれている。先発隊はベンガラルートを通らず直進し溝に出くわして困惑していたようだ。ベンガラも少し薄くなっているので、しょうがないか...パトロールの人に熊が出たとの話を聞いたのもここらあたり。これだけ暑ければ熊さんも寝ていられないわな。



第ニ花畑では青空が拡がって雪の反射がまぶしい。ここまで天気が良くなることは想定外だったのでサングラスを持って来なかったことを後悔した。とりあえず日焼け止めだけは塗っておくことに...

第ニ花畑と山頂への巨岩帯を繋ぐ低木帯に入る手前の岩場はパックリ割れた雪渓が剥き出しになっていて少しいやな感じ。踏み抜かないようにソ-っと通過した。雪渓周囲が霧掛かり写真で見ると涼しげなのだけど、実際は直射日光に高湿度で不快指数はかなり高い。

低木帯はミツバオウレン、エゾイソツツジ、マルバシモツケ、ゴゼンタチバナ、コケモモ、の他にアオノツガザクラとメアカンキンバイが少しだけ見られた。なかでもコケモモの群落はすごくて、暫くコケモモの道が続くほどだった(写真はコケモモ)。

山頂への取付き部から見上げると山頂方面はきれいな青空が拡がっていが、高根ヶ原は分厚い雲に覆われている。ラッキーなことに本当にこの周囲だけ晴れている。山頂への巨岩体に突入すると最初はエゾイソツツジが多いが、標高を上げると共にイワブクロ、メアカンキンバイ、コマクサ、イワヒゲなどが目立ってくる。

緑岳山頂に立つと誰もいない。稜線すら誰も歩いていない。時間は10時少し前。こんなに人が少ない日も珍しいと思って歩き始める。ちなみに山頂はイワヒゲパラダイスで少しだけメアカンキンバイ。板垣新道の分岐点を越える手前でようやく一人の男性とスライドした。話をしつつこの人どっかで会ったことあるなと思っていたが、他人の空似ということもあるので聞くのも躊躇われたが、別れてばらくしてから剣山の山頂で写真を撮らせてもらった人だと思い出した。来週はニペかトムラウシかと言っていたので、その内、また会えるに違いない。

その次はキタキツネと出会った。何だかフカフカの毛に包まれていて暑そうだ。キツネと言えば私の中では害獣扱いで、殆ど写真に撮ってなかったなと思って、早速、換算1080mmの超望遠で撮ってみるが意外と良い表情をしてくれる。

小泉岳への稜線はエゾツツジが目立っている。ホソバウルップソウは下半分がもう茶色い。チョウノスケソウは小泉岳へと進むに連れて花の状態が良くなってくる。その他、クモマユキノシタ、エゾオヤマノエンドウ、チシマキンレイカ、ミヤマキンバイ、エゾタカネスミレ、キバナシオガマ、ホソバイワベンケイ、イワウメ、エゾイワツメクサ、レブンサイコ、ミヤマアズマギク、ミヤマタネツケバナそして驚いたことにリシリリンドウ(写真は上段がチョウノスケソウとリシリリンドウ、下段がレブンサイコとエゾオヤマノエンドウ)。

中にはこんなユニークなのも...タカネスミレとウルップソウが作り出した亀さん。ウルップソウの頭に、タカネスミレの花咲く甲羅、そしてタカネスミレの葉が足に見える。見た目、本当に歩みがのろそう...というか実際には微動だにしないのだが。

白雲岳周辺はミヤマキンバイ、エゾオヤマノエンドウ、エゾノハクサンイチゲ、ミネズオウ、キバナシャクナゲ、イワウメ、クモマユキノシタ、チングルマ、ミヤマリンドウ、エゾノツガザクラ、エゾコザクラなど、もう春・夏・秋の花が入り乱れて季節感も何もあったもんじゃない。あと、ここでまたShizuさんに会ってビックリ。今年に入ってから山でバッタリ会うのはもう三度目。山の趣向が似ていると言うか、しかも3回ともyahさんが一緒じゃない時という...(写真はエゾノハクサンイチゲとチングルマ)

白雲の山頂も天気は良好だが対岸の旭岳は雲の中。逆にその雲がゼブラの絶景にプラスされて夏らしい絶景となっていた。この時点で12時になったので昼食にする。食事にした途端に少しハエにたかられたが天気も良くて気持ちの良い山頂。カッコーがやって来たので写真を撮ったりしつつのんびりした。

昼食後は巨岩帯まで戻って岩場でナキウサギさん捜索。鳴き声は聞こえるもののハイマツの中や地下深くから...ようやく動くものを見つけたと思ったらシマリスだった。最初、1匹だけかと思ったが、まだ小さな個体も含めて全部で4匹いて周囲をものすごいスピードで走り回っていた。ナキウサギさんには会えなかったけど、シマリス親子?には会えたので良しとしよう。

白雲小屋はまだ雪深く、水場がポッカリと雪が空いている。テント場も結構苦労の後が伺えるが何とか地面が出ている。ここでは海外から来ている人と話をした。オーストラリアっぽい訛りの英語だったので、多分そっち方面の人だろうが、出張でやって来て合間に山に登っているらしく、旭岳温泉から黒岳石室、忠別岳避難小屋泊でトムラウシを目指したが天候悪化で断念して、白雲小屋まで戻って来たと話していた。こんな出張なら私もしてみたい(^^;。小屋の管理人さんは先週の羊蹄小屋で教えてもらった通りに今野さんが復帰。昨年は下界で仕事していたそうだが「やっぱり山のほうがいい」と話していたのが印象的だった。「今度はビール上げてくるから一緒に飲みましょう」と言って小屋を後にした。


板垣新道は完全に雪の下。緑岳の稜線への登りできれいに咲いているチョウノスケソウに出会った。グルっと一周まわったが、結局、ここが一番綺麗なのかと、少しがっかりしたような、嬉しいような複雑な心境で稜線に立つ。

時間は14時過ぎ。もう誰もいないだろうと思って緑岳まで戻ってくると、旭川から来たという青年がカップ麺を食っている。朝、起きるのが遅くなって12時スタートでここまで来たと言っていたが、朝寝坊して12時スタートできるのが羨ましい。高根ヶ原の雲も大分弱くなって来ている。夕暮れ時にはきれいな空が拡がるかなと思いつつ下山した。


ヤマレコで山行詳細が、Nikon image space(http://img.gg/q9K9NfY)で山行写真全てが御覧になれます。

大雪高原温泉(7:10)→緑岳(9:45)→板垣新道分岐(10:05)→小泉岳(10:55)→白雲岳(12:00←昼食→12:30)→白雲岳避難小屋(13:45)→板垣新道分岐(14:10)→緑岳(14:20)→大雪高原温泉(16:05)

今回のカメラ:
「D7000」+「AF-S DX NIKKOR 16-85mm f/3.5-5.6G ED VR」
「Nikon1 V1」 + 「SIGMA AF APO 400mm F5.6(A-mount・換算1080mm)」

今回のあこの燃費:16.0km/L

後方羊蹄山比羅夫コース ~ほぼ盛夏の登山道を延々と~

本日は前々から4人の学生さん達と計画していた後方羊蹄山行。一週間の疲れが週末にドッと来る中、朝3時と変な時間に目覚めてしまったために妙に身体が重たい。全員の装備をちゃんと確認できていないので少々不安もあるが、天気はこの上なく良さそうなので大きな問題はないかと思いつつ、念のため水・食料などはいつもより多目にザックに詰め込んだら全部で13kg近くになってしまった。この荷物背負って登れるだろうか...うーむ、不安。倶知安町に入ると天候一変して雲が多り、半月湖の比羅夫コース登山口は完全に曇に覆われた。気温の上昇と共にスカっと晴れるだろうと思いつつ入山。

先頭を行くN氏のペースに引きずられるように早いペースで序盤のハイキングコースに突入。どのみち安全確保のため最後尾を行く予定だったが、これはついていくのが精一杯ペース。よく考えてみたら20近くも若いのだからさもありなん。若いっていいな(^^;。

2合目の手前あたりから、先週も真狩コースから羊蹄に登ったU氏と私がパーティから分離してゆっくり登っていく。先発隊にはホイッスルと高度計と地図を渡してあるので、セオリー通り初回の30分休憩後は60分ずつの大休止を挟みつつ、休憩時間都度合流するというスタイルで行く。

私のほうは登り初めはキツかったが、身体が暖まってくると俄然快調に...反面、先週の羊蹄登山を引きずっているU氏は急坂と共に徐々にペースダウン...とはいいつつも時速1.5kmペースは十分にキープしていて当初の予測時計通り。私自信初の羊蹄山だけれども、は単調な登りが続く林間コースをイメージしてきたが、雲が晴れてくると、時折、木々の隙間から倶知安の街並みが見えて思いのほか快適なコース。

5合目近くにはゴゼンタチバナも咲いていて癒されつつも、午前中の曇り空が一変して青空が拡がるにつれて、暑さが尋常じゃない状態に。水分補給しつつも、補給した分、汗になにって流れていく不快な状態。

5合目を越えるとニセコアンヌプリが見え始める。もう標高的には抜いた感じだけど1900m近くまで登ることを考えると、まだまだ先は長い。


7合目で3回目の大休止。左からN氏、S氏、A氏、U氏。結構、へばっているようだけど、まだまだ余裕ありそう。このあたりはハイマツもチラホラ見えつつ、木々も低木化して明るい登山道。眼下には倶知安・ニセコの街並みとアンヌプリ。8合目あたりではU氏のペースが更に低下して心配したが、なんとか予定してた行程をキープしているので、ペースを乱さないように、極力、話しかけないようにして進む。

そんなわけで何とか9合目分岐点に到着。切込隊長のN氏がいないと思ったら、岩場爆睡中。

景色を遮るもののない9合目分岐点から、遥か眼下に見えるニセコアンヌプリがとても印象的。


9合目分岐からはお花畑状態。この、これでもかと言わんばかりに花びらが開く感じは紛れもなくメアカンキンバイなのだけれど、花びらの形がミヤマキンポウゲのように丸みを帯びていると少し背も高くて何か少し上品な感じがするしどっちなのだろう。山頂付近は他に、シラネアオイ、カラマツソウ、エゾノツガザクラ、キバナシャクナゲ、ウラジロナナカマド、ウコンウツギ、チシマキンレイカ、イワブクロ、コケモモ、ミヤマオダマキ、エゾノイワハタザオなどが咲いている。

これはカラマツソウ。まだ咲き始めでツボミしかつけていない個体も多くあった。この線香花火みたいな外観がとても好きな花。

これはミヤマオダマキ。青い花が先端にいくほど白くなっていく感じがいいですね。随分と久し振りに見ましたがデカい(^^;。

急に快適になった9合目分岐点から北山への登山道。花も咲き乱れる中、傾斜も緩やかになり足取りも軽い。

北山山頂手前の分岐点の岩場の上から雪の残る母釜。父釜に比べると全然小さいけれど圧倒される風景。


北山山頂近くにある三等三角点「雲泉」。基準点データベースでは処置保留となっていたかが、位置ズレを起こしたかのように傾いている姿を見てその理由に納得。ただ、ニセコの山々を背景に絶妙な位置にある三角点は絵になるなぁと思う。ただ北山山頂で会うはずの先発隊の姿がなく、随分と先を進んでいる姿が見える。最高点あたりは人が多いので北山で食事にしてもいいかなと思っていたのだが、しょうがないので北山から300mほど走って、彼らに追い付いて話をして、まずは最高点に行くことに。

途中、何故か人が多く集う京極コース分岐点の1890m峰を迂回するルートを通り、旧山頂である一等三角点「真狩岳」に来てみると先発態が遥か後方に...あれっと思っていたら、1890m峰を最高点と勘違いして登ったらしい。遠くから「騙されたぁ」とかいう声が聞こえてくる。しょうがないなぁと思いつつ、ここは経験の差とばかりに一人ゆっくりと最高点を目指して歩く。

途中、最高点手前の岩場から見る少し水を湛えた父釜の姿が何とも言えないぐらい美しい。

というわけで最高点に到着。写真は山頂標識に立つお騒がせ先発隊(^^;。まぁ、何はともあれみんな無事に山頂に立ったというわけでノンアルコールピールで乾杯しつつ、手直な岩場に陣取って食事にする。

食事の後は父釜の一周ルートを通って避難小屋へ...何でも登頂記念バッヂが売っているとのことで、次の目標はそれらしい(^^;。途中はゴツゴツしたガレ場でルートがペンキで示されているが、彼らにとっては初めての体験でそれもとても面白かったらしい。なんか新鮮でいいですな(^^)。写真はガレ場の上でポーズを撮S氏とU氏。この時 ガレ場の下にしたA氏もポーズを取っていたが見切れました、すみません(^^;。

そんなわけでガレ場終了で、真狩コースの分岐点。3/4周した父釜ともここで別れて外周路に入る。

滑るザレ場ルートをワイワイ言いつつ通り過ぎて、もう細くなった雪渓横切り羊蹄小屋へ。写真は小屋の前で写真を撮るA氏。今日は、山頂で全員にコーヒーを振る舞ったせいもあるが、水の消費量が半端なく、すっかり空になった水筒に水を補給するべく、途中の雪渓で私は水を汲んだので、小屋前のテーブルでそれを煮沸。テーブルに陣取っていた男性はこの小屋の常連らしく、ボトルいっぱいのワインを今晩管理人さんと一緒に飲むと楽しそうに話していた。この人、大雪山系の白雲小屋の情報も詳しいらしく、話をしていると一昨年に辞めた今野さんが管理人として復活していると話してくれた。数年仲良くさせてもらった有馬さんも昨年限りで辞めると言っていて、知り合いが全くいなくなって寂しいなと思っていただけに、とても嬉しい情報(^^)。

そんなわけでバッヂ(700円)も無事に入手して、記念写真も撮ってもらい、楽しい一時を羊蹄小屋で過ごした後は、またあの忌まわしき道をひたすら下山。ザレ場で足を滑らせてN氏が肉離れ気味、A氏とU氏は膝に来ているということで、適宜5本のストックをやりくりする。かつて自分が経験してきた痛みだけに気持ちは人一倍理解できるけれども、どうしてやることもできないことも人一倍理解している。もうペースが落ちてもいいから、ひたすら下山してくれと祈るのみ。自分のストックも全て渡しているので私にとっても初めてのストックなし下山。少し右膝に違和感を感じつつも、木の枝などを利用して無事に下山できたが、この下山は本当に長くて辛かった。

下山後、半月湖の東屋で疲労困憊のA氏、S氏、N氏。何にしても良く登った。こんなに疲れた山は私にとっては芦別岳旧道-新道縦走以来かもしれない。山頂の景色の良さはともかく、延々と続く下山路に辟易としてもう暫くは登るもんかとみんなで決意を固めた瞬間だった。下山後は五色温泉でゆっくりと湯に浸かり、その後は私の自宅近く、琴似の名物居酒屋「ふる里」でうまい飯と酒を堪能して、ここ何年もないぐらい充実した休日が過ぎていった。

ヤマレコで山行詳細が、Nikon image space(http://img.gg/A3bS9Ig)で山行写真全てが御覧になれます。

半月湖登山口(8:10)→二合目(8:50)→三合目(9:10)→五合目(9:45)→六合目(10:15)→七合目(10:40)→八合目(11:20)→九合目分岐(11:35)→北山(12:15)→旧山頂一等三角点真狩山(12:32)→山頂最高点(12:45←食事等→13:20)→羊蹄小屋(14:25←休憩等→14:40)→九合目分岐(14:55)→半月湖登山口(17:20)

今回のカメラ:
「D7000」+
 「AF-S DX Zoom-Nikkor 12-24mm f/4G IF-ED」
 「AF-S DX NIKKOR 16-85mm f/3.5-5.6G ED VR」
 「AF-S DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VR」

今回のあこの燃費:10.8km/L(5人フル乗車+荷物満載でワインディング等々)

イワウメいっぱいの美瑛富士

朝3時50分起床。眠い目でPCを起動して十勝岳ライブカメラを確認。真っ白。窓の外(札幌)は快晴。うーむ、ウェザーニュースを見てみる。曇り後晴れ、午後から回復の見込み。高層天気図もチェック...特に荒れそうな気配もない。朝の時点での美瑛町の気温は12℃、午後には28℃まで上昇するらしい。単純に山頂の気温が低くてガスっているだけなら、気温さえ上がれば絶対晴れるはず。当初は天女が原から旭岳というプランだったが、大雪よりも天候の回復が早い十勝岳連峰に...ちょうど美瑛富士の短縮路が未踏なので、望岳台から短縮路を使って美瑛富士に行くことにした。

天気であれこれ悩んだせいで望岳台着は8時50分。駐車場は満杯。望岳台レストハウス横ギリギリに辛うじてスペースを見つけて駐車。入山者名簿を見て驚いたが、本日だけで2ページ分ほどの記入がある。ちなみに今日のカメラはななみちゃん「D7000」に「AF-S DX NIKKOR 16-85mm f/3.5-5.6G ED VR」が付いている。視界がなく風景を撮る機会もしばらくないだろうということで、「AF-S DX Zoom-Nikkor 12-24mm f/4G IF-ED」はケースの中。

望岳台をスタートするといつものハイキングコース。ガスって視界もよくないが、先週訪れた樽前山のようにエゾイソツツジが登山道の両脇に多く咲いている。この分だと雲ノ平の花が楽しめそうだとピッチを上げて雲ノ平分岐。

雲ノ平に入ると、視界不良のせいで、途中、迷い道に入り込んだりして少々時間をロスしてしまったが、エゾイソツツジを皮切りにメアカンキンバイ、コケモモ、エゾノツガザクラ、コメバツガザクラ、エゾコザクラやイワウメなど続々と花が登場。そしてついにガスも晴れ始め美瑛岳の山頂が見えてくる。

その後、天候は一気に回復して視界も一気に回復。晴れ間の中を花を楽しみながら歩けるかと思いきや雪渓に突入。30~40°ほどの斜度の雪渓をポンピ沢まで横切って歩いていく。驚いたのは函はともかくポンピ沢までも完全に雪に埋まっていたこと。もう6月も終わりなのに信じられない雪の量だ。美瑛岳への登りは斜度50度以上の雪渓を横切るポイントがありドキドキ感いっぱい。その他はいつもの荒れた急坂路が続く。

急坂を登りきると標高も1500mを越えハイマツ帯に入る。この場所は美瑛岳の登山道で一番好きだ。穏やかな晴れの日に、ここでのんびりお茶を飲んだりするのも最高。

ハイマツ帯を通り抜け、美瑛岳分岐(H1640m)からアバレ沢につながる雪渓を横切るといよいよ未踏領域。ここの花も素晴らしい。コメバツガザクラが多いが、エゾノツガザクラやミネズオウ、イワウメなども豊富。美瑛富士が見えた時は感動したが、この時点でもう12時。ここから美瑛富士分岐(コル)までは平坦になるので40分あれば山頂まで行けるとは思いつつも気持ちは結構焦ってきた。途中雪渓を横切るシーンが幾つもあり、その都度、緊張感が走るがペースは順調。

そしてラストの雪渓。ここは2009年に訪れた時に水を汲みにきた場所。ようやく長年中途半端に未踏だったルートがつながって、思わず「つながったぁ!」と叫んでしまった。美瑛富士分岐は一面エゾイソツツジの白い花で覆われている。真夏の殺風景なイメージしかなかったので印象が全然異なる。

そして美瑛富士も白い花で覆われている。最初、コルと同じく、エゾイソツツジが続いているのかと思ったが、登り初めて気付いたが白い花は全部イワウメで、山全体がイワウメの群落でものすごく驚いた。美瑛富士というと何となく殺風景な山のイメージだったけれども、同じ山でも季節が変るとこんなに雰囲気が変るのかと実感した瞬間だった。

美瑛富士着時間は12時40分。何とか予定通り。山頂標識は山頂の南東側突端にあるが広い山頂で、イワウメの群落の中を踏跡が北西側の突端まで続いている。よく見ると地図に表記されている1888m点も中心部にあるので、行けるところまで散策してみた。写真はちょうど1888m表記点から北西部突端方向。白い花は全部イワウメ。

結局北西部の突端まで踏跡が続いていて、そこには立派なケルンが積んであった。この場所は初めて来たけれど上富良野・美瑛の鳥瞰風景も最高でとても気にいった。ただ、訪れる際は、途中踏み跡が微妙に途切れたりするのでイワウメの群落を傷つけないように配慮したい。

美瑛富士からの景色は、山頂標識のある南東部突端からは十勝岳連峰の主稜線に重なってしまうため、オプタテシケ山と美瑛岳が独立峰のように真正面に見えてしまい、稜線の風景が十分に楽しめないが、北西部突端からは少し角度がついて稜線風景もグッと美しくなる。こちらは美瑛・十勝・富良野岳と三山が見えている。

反対側は石垣・ベベツ・オプタテの稜線がきれいに見える。ほんの少し角度がつくだけでこんなに印象が変わるものかと思う。

下山は「AF-S DX Zoom-Nikkor 12-24mm f/4G IF-ED」に付け替えて、いつもと逆で、降りながら風景を撮る。写真は新緑と雪渓のゼブラ模様の十勝岳の裾野。美瑛岳分岐(H1640m)近くのハイマツ帯から撮影。まだ、こんなに雪渓が残っているのだ。

そして本日最大の難所。ドキドキの雪渓。行きは踏み跡がしっかりしていたが、帰りは崩れてグチャグチャ。キックステップでゆっくり降りたが腐った雪に足を取られて滑落。幸い足ブレーキですぐに止ったので良かったが、下まで落ちたら目も当てられない。かくして無事に通過したものの、後続の人達には更に歩き辛くなってしまったなと申し訳ない気持ちもいっぱいで通過した。

雪で埋まったポンピ沢。なんだかいつもと違う風景に別の山に来たかのような錯覚を覚える。

夏場ば大きくえぐれている函も、御覧の通り。函地形にそってイヤな亀裂が入っているが上のほうは大丈夫。

雲ノ平付近から見る十勝岳も私の好きな風景の一つです。



下山後は山辺の家族へ直行。先日、ブログに書いた時は誰もいなかった露天風呂も今日は賑わっている様子。最後までいた兄ちゃんに露天風呂で話かけたら滑り納めに来たらしい。その後は例によって山談義。昔の光景が完全に戻って来た気がする。もう少し話をしていたかったが、食事もしたかったので切り上げてカフェへ。そして、念願のキーマカレー。野菜もたっぷりで美味しいですよ(^^)。

ヤマレコで山行詳細が、Nikon image space(http://img.gg/J69BOJa)で山行写真全てが御覧になれます。

望岳台(9:00)→雲ノ平分岐(9:45)→ポンピ沢(11:00)→美瑛岳分岐H1640m(11:40)→美瑛富士分岐(12:15)→美瑛富士(12:40←昼食・北西部山頂突端散策→13:30)→美瑛富士分岐(13:45)→美瑛岳分岐H1640m(14:15)→ポンピ沢(14:40)→雲ノ平分岐(15:30)→望岳台(16:00)

今回のカメラ:
「D7000」+
 「AF-S DX NIKKOR 16-85mm f/3.5-5.6G ED VR」
 「AF-S DX Zoom-Nikkor 12-24mm f/4G IF-ED」

今回のあこの燃費:13.8km/L(前回の風不死・樽前の分とセットで...)