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凌雲閣から十勝岳周遊で白銀荘に下山 ~上ホロ・十勝・美瑛~

先週末に間を空けたせいか体が少し重たいが、天気も良さそうなので、今回は上富良野町営バスを使って、上ホロから美瑛岳まで十勝岳の稜線を全部歩いて白銀荘に降りる計画を実行に移す。5年ほど前に、同じバスを使って、富良野岳から十勝岳まで稜線歩きして白銀荘に降りるということをやったが、途中の稜線上から膝が痛くなった上に、バスにも乗り遅れるという失態をおかしたのでリベンジでもある。

余裕を持って朝4時に札幌を出発して白銀荘を目指す。白銀荘着が6時20分前。温泉道具や着替えの入ったザックを登山ポスト横の看板に腰ベルトでくくりつけてデポしていく。キャンパーのギャラリーが多くて緊張する。盗まれないか心配だったけと、肩紐が破れて使えないザックだし、金目のものが入っているわけでもなし、盗られたら盗られた時と割り切った。その後、凌雲閣まであこを走らせた。凌雲閣前の駐車場はもう半数以上が埋まっている。今日の山は人が多そうだ。

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6時40分に凌雲閣前を出発。歩き慣れたルートを進んでいく。安政火口までのハイキングコースは昨年の大雨の影響か以前よりは荒れている。徒渉点も相変わらずの涸沢だ。尤も、雨が降ると増水することもあるようだが...上ホロ分岐からは涸沢のような登山道を辿り、整備の行き届いた名物の300階段でD尾根に上がる。写真はD尾根から見た化物岩。その向こうには点々とした雲の下に市街地が拡がって何とも美しい光景。初夏のD尾根は花も豊富だが、今はイワギキョウやシラタマノキぐらいで誘惑も少なく淡々と進む。上富良野岳をグルっと巻けばすぐに山頂。何かあっけない。こんなに近かったっけ? 息も絶え絶えだった6月に比べて何気に鍛えられてるようだ。

上富良野岳からはいよいよお待ちかねの稜線歩きがスタート。コルを越えて20分ほとで上ホロカメットク山。ここ最近は三峰山にしか行ってないし、その前も巻き道を抜けたりと山頂に来るのは本当に何年振りだろう。山頂ではオーストラリア人の御夫婦(奥さんは日本人)と、札幌からの御夫婦に出会う。オーストラリアの彼は中々ワイルドで、昨日、上ホロ小屋の近くまで来た熊を見れたと嬉しそうに語っていた。ついさっきも大砲岩の近くにいたらしい。それは見て見たいと思いつつ大砲岩に向けて進む。札幌の御夫婦は凌雲閣から十勝岳ピストンの予定だったが、熊のいるところを引き返したくないということだったので、じゃあ、白銀荘に下りたらどうかと凌雲閣行きのバスの時間を教えてあげる。

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途中、大砲岩で寄り道。大砲岩の向こう側に抜けてOP尾根を見てみる。ものすごい痩せ尾根。一応、昭文社地図には載っているけれども、「とてもこんなところ歩けないよ」というのが第一印象。愛別岳も強烈だけどそれ以上に脆い。歩くだけで足下がパラパラと崩れていく。「いやいや、ないない(^^;」ということで慎重に引き返す。熊の気配もない。自衛隊が下界でドンパチやっていたので、その音で去っていったのかも。なんかちょっと残念な気分。

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その後、痩せ尾根の稜線を辿って十勝岳の山腹に出る。十勝岳の南側は溶岩帯だが緑も多い。程なく十勝岳山頂。新しくなった山頂標識も確認。前のが立派だっただけに、ちょっと残念な感じはあるけれど百名山としての格好は十分につく。

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小休止の後、美瑛岳へと向かう。北側斜面は対称的に荒涼とした砂漠が続く。このルートに入った途端に風景とは対称的な湿った風が新得のほうから吹き上がってくる。上空からは乾いた冷たい風も入ってきてもう大気の喧嘩状態。湿った風が勝てばガスり、冷たい風が勝てば晴れ、目まぐるしく天候が変わる。この辺りは少し盛り上がった2008mピークにちなんで、平ヶ岳なんて名前が付いているが、十勝平とかのほうが名前的にはしっくり来るんじゃないかと思う。よし決めた。命名「十勝平」(^^;。すぐ先には、鋸刃のコントラストが最高に美しい鋸岳が...この辺りは見どころ満載。

鋸岳からは砂漠の道を一気に下り、そして砂のトラバース路と滑りやすい道が続く。最低コルに到達するとややトラバース気味に道が続いていく。ここはイワギキョウとシラタマノキの大群落があって見事。だが、ダラダラと長く続く登りにさすがにバテて来た。美瑛富士まで行こうかと思っていたが、この時点で断念して美瑛岳でのんびりしようと誓う。

美瑛岳の山頂標識も新しくなっていた。せっかくなので後から同じルート来た爺様に写真を撮ってもらった。山頂にはトンボがたくさん。こんなに暑い日が続いているのに虫たちは秋の訪れを感じているようだ。大気の戦いもまだ続いている。眺望がコロコロと入れ代わる。全天が晴れということはなかったが、時間差で360°の絶景を楽しんだ。

いつもは13時近くになると誰もいなくなる山頂だが、今日は間髪入れずに誰かしらが訪れる。凌雲閣からスタートして富良野岳に行ってからここまで来たというおっちゃんもいた。彼も同じバスに乗ると言う。下山の見積もりが私は3時間と見ていたが、彼は3時間半は必要じゃないかと言う。時間は13時過ぎ。私のプランでは16時に下山して、1時間ほど白銀荘で温泉に浸かり、17時のバスで凌雲閣に戻るという感じだったが黄色信号が灯ってしまった。そんなわけで、そこそこ駆け足気味に下山していく。ポンピ沢まで約1時間。雲ノ平分岐の手前まで1時間40分ほど。これはペース早すぎるのではと思ったので、岩の清流でお茶にする。途中の函は少し上流側にハシゴが新設されていたが、これが長いのなんのって。高所恐怖症の私には辛かったが慎重に一歩一歩下りた。

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雲ノ平分岐を過ぎて作業道を使ってショートカットすれば、すぐに白銀荘ルート。このルートは溶岩の巨岩あり、ハイマツ帯あり、徒渉あり、低木帯あり、林間コースありと中々バラエティーに富んでいる。途中の低木帯に九条武子歌碑が道の真ん中にドーンと鎮座していて、何度通っても行き止まりかとドキっとする。歌碑を置くことは否定しないけど「何でこんな邪魔な場所に置くかなぁ」。白銀荘に無事に到着したのは15時40分。美瑛岳から2時間30分。結局、のんびり行けば丁度3時間ぐらいなので私の見積もりで全然OKだったじゃないかと、後で少し文句を言ってやろう(^^;と思いつつ、デポした荷物を回収して温泉に。温泉から出ると美瑛岳で会ったおっちゃんと下山時間の情報を交換。彼も似たような時計で降りて来て途中で早すぎるかもとペース落として、それで3時間だったらしい(^^;。その後、バスが来るまでしばしの山談義。バスが来た頃には朝に上ホロで会った札幌の御夫婦もやって来た。時間的に13時51分のバスに乗ったと思っていたので、少々驚いたが十勝岳でのんびりと昼食にして、楽しみつつ時間を掛けて降りてきたらしい。バスは15分ほどで凌雲閣に到着。今回出会った人達と駐車場で少し話をした後、別れを告げて帰路に着いた。

今回のアクシデントと言えば美瑛岳の山頂で滑落した...満載の水ボトルが(^^;。荷物を整理してた時に、うっかり落としてしまい、100mぐらい下まであっと言う間に転がり落ちて行く。ダイソーの100円ボトルだけど驚くほど頑丈。あれだけの高低差をバウンドしながら、すごい衝撃と共に転がり落ちたのに全然ダメージを負ってない。落下試験結果としては大満足。次も同じものを買おうと思った。

あと宣伝ですが、今回利用したバス路線は上富良野町営バス(十勝岳線)で1日3本。運賃は200円。詳細は上富良野町役場ホームページ参照ということで宜しくお願いします。ちなみに十勝岳山開きの日は運賃が無料になりますのでお得ですよ。

今回もヤマレコにいっぱい写真をあげました。ついでに「山行記録のページへ」のリンクから飛んで見て言ってもらえれば嬉しいです。

十勝岳温泉凌雲閣(6:40)→三段山分岐(7:00)→上ホロ分岐(7:40)→上富良野岳(8:45)→上ホロカメットク山(9:00)→上ホロカメットク避難小屋(9:20)→大砲岩(9:35←OP尾根偵察→9:40)→十勝岳(10:10←休憩→10:20)→美瑛岳分岐(尾根上)(11:45)→美瑛岳(12:00←昼食等→13:10)→美瑛岳分岐(トラバース路)(13:40)→雲ノ平分岐(14:55)→吹上温泉白銀荘(15:40)

今回のあこの燃費:12.4km/L

武華山・武利岳 ~前ムカから吊り尾根経由~

大雪の縦走から帰ってきてから、tarumae-yamaさんとの話題にのぼった「吊り尾根の縦走路を使って前ムカから武利岳」に行く計画...夏休み最終日で天気も良さそうだということで、前日に「明日とかどうですか?」と急な提案をして見たところOKがでた。江別東インター近くの公園で朝4時に待ち合わせて武華山登山口へ出発。早朝出発で道路が空いていたのもあり6時30分ぐらいに登山口着。準備をしてすぐに出発する。

tarumae-yamaさんは相変わらずスタートからペースが速い。こちらの身体が暖まらないうちからドンドンと進んでいく。このペースに惑わされてはいけない(^^;。ライオン岩コースと東尾根コースの分岐から少し進んだあたりでようやく身体が動くようになってきて、ペースが安定したが、とにかく今日は暑い。なんだか消耗しそうな予感がありありだ。登山口あたりは白樺林だったのが、標高1570m地点からはアカエゾマツの林に変わる。そして標高1660mではハイマツに、短い距離なのに変化に富んでいて中々楽しい。途中であった御夫婦と4人で前ムカまで行き、一緒に武利岳の眺望を楽しんだ。

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前ムカから先は地図には記されていないルート。御夫婦と別れて標高1480mの最低コルまで下って行く。シャクナゲなどの低木のブッシュが続くが踏跡は明瞭。ただ、踏跡の片側が崖になっていたりするので足を滑らさないよう注意して進む。標高1500mぐらいに差しかかったときに問題の笹薮が見えた。最初は大したことないかなと思ったが、通る人が少ないためか踏跡の判別が難しく、ピンクテープを頼りに踏跡を進むも、たまに見失ってどこを歩いているのやら。最低コルから少し登ったあたりまで笹薮は続いていて、ここで踏跡を見失ったのが辛かった。登ろうにも押し戻されて登れない。濃い笹薮を抜けた辺りでフラフラになってしまったのでtarume-yamaさんに先頭を変わってもらう。まだ朝露で濡れた笹薮を強引に突破したのでパンツもビッチョリで気持ち悪い。

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その後も低木のブッシュが続き、息も切れ切れに尾根に上がる。気持ちいい風が吹き抜ける。「稜線っていいなぁ」と心底思う。そしてここからは大好きな稜線歩きが始まる。地図上にルートのない稜線だからどれだけ険しいのかと思っていたが、ここから武利岳までは登山道と行っても過言ではないような良い状態だ。楽しみながら歩いて最後の武利岳への標高差170mほどの急坂を登ると山頂標識が見えた。

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武利岳山頂からは北見富士も近くに見える。15日にトムラウシ山から見た存在感のあるピークはやはりこれではないかと思う。昼食を取りながら山座同定を試みるが、私は北大雪は殆ど登ってないので何が何やら、tarumae-yamaさんは意外なことに山座同定自体が苦手だと話していた。帰ってから調べたら北見富士に向こう側に雄阿寒岳、雌阿寒岳、阿寒富士が見えているようだ。他にも平山、ニセイカウシュッペ、愛別岳、トムラウシ山、石狩連峰にニペソツ山...と一望できる。

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昼食後はまた気持ちのいい稜線を戻っていく。で、覚悟を決めて最低コルの薮に...行きは朝露に濡れて写真撮るどころでなかったので帰りに写真を撮っておく。帰りはtarumae-yamaさんが先頭に行ってくれたので随分と楽だし、後ろにいると随分と冷静にルートがわかるもんだと感じた。ここからの登り返しがかなり大変。標高差的に行きよりも帰りのほうが辛いし、低木が足にまとわりついて鬱陶しい。お互いに息絶え絶えに前ムカまで帰ってきた。前ムカからはtarumae-yamaさんの提案でライオン岩コースで下山する。途中、エゾウサギギク、ミヤマアキノキリンソウ、エゾウチバチソなどまだ花が残っているがリンドウ種は見られない。武華山までの稜線も溶岩で出来た痩せ尾根があったりと結構面白い。

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武華山を越えて、途中、ライオン岩の上で休憩しようということになり踏み跡を辿ってみるが、ハイマツがビッシリで岩の上に上がれない。別ルートを探して見たものの、垂直に切立った岩があるばかり。しばらくルートを探したが、それらしき物も見つからず断念することに...tarumae-yamaさんは残念そうだったが、高所恐怖症気味の私としては少しほっとする(^^;。下山途中に見えたライオン岩が本当にライオンの形に見えたのが驚きであった。



武華山登山口(6:40)→コース分岐(6:55)→前ムカ(8:10)→最低コル(8:45)→尾根取り付き(9:25)→武利岳(10:20←昼食→10:50)→尾根取り付き(11:50)→最低コル(12:05)→前ムカ(13:00)→武華山(13:30)→ライオン岩(13:55)→コース分岐(15:00)→武華山登山口(15:10)

今回のあこの燃費:14.5km/L

表大雪南ルート縦走4日目 ~トムラウシ山-短縮登山口~

朝4時起床。十勝岳連峰の夜明けの絶景が見れるかと、とりあえずテントの外を確認。う~ん、微妙、何だか薄曇り。それにしても寒い、気温は体感的に確実に1桁に達している。すぐにテントの中に戻りストーブを焚いて暖を取る。写真を撮りに出ようか迷ったが、4時18分、意を決して着れるものは全部着て外に出る。空はさっきよりも晴れてきた。いい感じだ。二人のテントからはモゾモゾと動く音が聞こえるが、まだ寝てるかもしれない。景色が良ければ起しに戻ろうと誓い、南沼のテン場からオプタテシケへの縦走路向かう。ここを100mも歩けば十勝岳連峰の絶景が拡がる。ウソみたいに晴れてきた。二人のことはすっかり忘れて、更に150mほど歩いて南沼が望める標高1940mの岩場を目指す。丁度、夜が明けてきた。

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うつくしー...これは二人を呼びにいかねばと走ってテン場に戻る。「十勝岳がきれいに見えますよ。見に行きませんか?」とテントに向かって声を掛けると、「寒い」とか「スズさん、元気ぃ・・」など妙にテンション低い。とにかく絶景だということを伝えつつ、私も絶好のチャンスを逃したくないので「オプタテの縦走路にいますからねっ!」と言い残して再び戻る。しばらくするとshizuさんが眠そうにやってくる。でも景色を見て目が覚めたようだ。yahさんは待てども来ない。何やってるのかなと思った矢先、テントから出てくる姿を発見。到着する頃にはすっかり日は登っていたが、それでも満足してくれたようで南沼の手前あたりまで行って写真を撮っていた。

さて、昨日メカニカルシャッターが完全に逝かれたNIKON1だったが、陽気のおかげですっかり回復。動きのない風景や花を撮っている分にはメカニカルシャッターも電子シャッターも同じだが、やはりメカシャッターの音がしないと写真撮っている気がしない。液晶画面も復活してファインダーと両方使えるようになった。新たな症状として液晶欠けが発生したがそんなものは些細なことだ。一方、昨日好調だったGPSはまた結露したようで、電源が切れなくなり一晩中動きっぱなし。充電用の電池も底を着いたので今日の行程のどこかでGPSログが途切れそうな予感がする。

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テントはそのままに荷物のパッキングだけすませて、テン場でのんびりしたいというshizuさんを残して再びトムラウシ山に登る。先客が一人いたが早々に北沼方向に立ち去り、山頂には我々だけに...今日は正真正銘の360°で大雪独り占めだ。火口を挟んで向こう側にはニペソツ・ウペペサンケの上に綺麗な青空が拡がる。私はまったりしてお茶とお菓子を食べている。山頂で飲むお茶は本当に美味しい。yahさんは再び720°の動画に挑戦していた。

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石狩連峰のやや北寄りには謎の単独峰が見える。例によってyahさんも「あの山は何?」と聞いてくる。かなり存在感のある山でトムラウシ山に登るといつも話題になるが、結局いつも分からずじまいだ。北見富士という意見が大勢を占めるが標高1291mの低山がこんなに高く見えるものなのか...しばらくすると日帰り登山やヒサゴから縦走する人達で山頂が混雑してくる。やっぱり人気の山だ。あまり邪魔しちゃ悪いと思い、テン場に戻る。テン場では「北海道大学歩く会」のメンバーと話ができた。彼らも13日の悪天候の中、石狩岳からの縦走で沼ノ原分岐のあの笹薮を歩いたそうで妙に親近感がわき、お互いの労を労った。

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テントを撤収した後は早々に下山。トムラウシ公園を見下ろすエセ金庫岩(勝手に命名)からのニペソツ山も美しい。後はトムラウシ温泉ルートでは定番のナキウサギ観察をしながら下山を続け、コマドリ沢で昼食。

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その後は特に記事にするようなこともない新道の悪名高き登り返しと泥道が延々続く。新道にそびえ立つ白樺が青空に映えて癒されたので写真を撮ってみる。白樺の上にはトンボも飛んでいる。もう秋も近いなぁと思いつつ下山を続ける。それでもカムイ天上分岐付近から木道が二ヶ年計画(yahさん情報)で整備されつつあり以前よりは楽になっている。yahさんは目的地が近づくに連れ元気になっているが、私とshizuさんはペースが落ちていく。膝も痛くなってきた。この下りは本当に退屈だし全然終わらなくて大嫌いだ。

今歩いているトムラウシ温泉ルート、一昨日歩いたヌプントムラウシ温泉ルート、それに悪名高き天人峡ルートを加えて「表大雪三大酷道」に認定したい、いや俺が認定する!...そんなことを考えながら下山して行った。

おまけ

南沼キャンプ指定地(7:35)→トムラウシ山(8:10←休憩等→8:40)→南沼キャンプ指定地(9:15←テント撤収→9:55)→前トム平(11:40)→コマドリ沢(12:40←昼食→13:10)→カムイ天上分岐(14:40)→温泉コース分岐(15:25)→トムラウシ短縮コース登山口(15:45)

今回のあこの燃費:12.4km/L

表大雪南ルート縦走3日目 ~忠別小屋-南沼テン場~

朝4時30分起床。昨夜は高ぶった精神を落ち着けるために「柴胡加竜骨牡蛎湯」を飲んで寝つきは良かったものの、トタン屋根が強風でドンと大砲のような音を立てたのをきっかけに目が覚めて、それ以降はあまり眠れなかった。一応、外を見てみるが霧雨が降っている。昨日の雨でザックの中まで濡れ、乾いた予備の衣類がない中で進むのは危険で、予備日を使って停滞することも考えたが、ここで衝撃の事実を知らされる。shizuさんは予備日を設定していなかったようだ。何とまぁ悪いことが続くことか...南沼キャンプ指定地までの道はロックガーデンで迷い易く、2009年のトムラウシ山遭難事故の原因となった風を避ける場所も少ない。経験的に晴れるなら7時ぐらいに兆しがあるハズだが、最悪の場合はshizuさんにはルートが明瞭で安全性も高く、管理人のいる山小屋、公共交通機関も使える黒岳ルートから下山してもらうことも伝える。まぁ、何と朝から険悪なムードだろう。yahさんも微妙な空気を察知してルートの変更計画を色々と提案してくるが、着替えもなく晴れる兆しもない以上、南下ルートで移動するつもりはなかった。最終的には「命と仕事、どっちが大事だ!よく考えろ!!」と言うつもりでいたが、幸運なことに6時30分を過ぎた頃に小屋の外が明るくなる。時間は短かったが確実に雲が薄くなって来ている証拠だ。これなら行けそうだ。

さてもう一つの懸念事項は電子機器だ。GPSと携帯電話は一晩体温で温めて復活したが、カメラ(NIKON1)のほうは試しにシャッターを切ってみたら、メカニカルシャッターが下りたまま動かなくなってしまった。当然ファインダーも真っ暗だ。ダメ元で電源ボタンやシャッターボタンを繰り返し押していると、偶然、イヤな音と共にシャッターが開きセンサーが見えた。ミラーレス構造なら電子シャッターに切り替えれば撮影可能かもと試しに撮ってみる。撮れた!やった!! 相変わらず液晶画面は誤作動で使えず、ファインダーも曇ってフォーカスが合っているのかもわからないが、NIKON1の優秀なAFを信じて撮影するしかない。撮れるだけでもありがたいというものだ。

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7時40分。微妙に霧雨が降っているが、最初に空が明るくなる現象を確認してから複数回同様の現象を確認したので、それを信じて忠別岳避難小屋を出発する。忠別岳避難小屋分岐を過ぎ五色岳方面に進んだ辺りで五色岳の稜線が見えるようになった。振り返ると忠別岳も見えている。いいぞ。行ける。五色岳に着いた頃には、昨日悪戦苦闘した沼ノ原が見えるぐらいに天候が回復してきた。昨日スルーした五色岳でしばし休憩してから化雲岳へと向かう。天候はどんどん良くなってくる。途中のハイマツ帯ではトムラウシ山が完全に雲から抜けた。

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化雲平に入る頃にはすっかり晴れ、安心して「今日の私は役立たずになる」と宣言して、パーティから一人離脱して化雲平の花々の写真を撮りながらのんびりと進むことにする。昨日乾かなかった衣類もザックに縛って乾かす。化雲平の私のお目当てはエゾウサギギクとリシリリンドウ。他にもタカネトウウチソウ、エゾウメバチソウ、ヨツバシオガマの他、アオノツガザクラやハクサンボウフウ、ミヤマアキノキリンソウの大群落も見られた。ふと前を見ると先行していたshizuさんはもう化雲岳への登りに取り掛かっている。700m近く離れている。これはマズイと思いつつ、目的の花も撮れたことで上機嫌で一気に距離を詰める。そんなに二人を待たせることなく化雲岳山頂に到着。化雲岳は私が登山を初めてから表大雪で最初に踏んだピークで何度来ても感慨深い。二人には「化雲岩の右側から上に登れるよ」と事前に伝えてあったので、登って見たか聞いてみたら「無理!」との返事が...高所恐怖症の私はもちろん無理ですが、やはり普通の人でも恐怖を感じる高さでしたか(^^;。

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化雲岳で休憩した後は天沼を目指す。沼のほとりの木道に腰を掛けて昼食にする予定。途中、ヒサゴのコル近くの無名沼の雪渓が美しい。コルをすぎるとゴツゴツした巨岩が見え始める。しばらくするとヒサゴ沼が眼下に見える。混雑するのが嫌で4年前に訪れたきりだが、好きな場所には違いないのでまた行きたいなと思う。登山道脇の水面が美しい浅い無名沼を越えるとすぐに天沼に到着だ。去年イワイチョウがたくさん咲いていたので楽しみだったが、今年はもう終わりかけのようで少し残念だ。だが、気持ちの良い青空の下ランチタイムにする。ヒサゴのコルで足が攣る兆しが見られたので、ついでにツムラ68(芍薬甘草湯)を飲もうと思ったが、ザックの一番下にあるので出すのが面倒だと思っていたら、yahさんが「これあげますよ」と言ってくれた。他にも色々と持って来ているらしい。まるで移動薬局だ。私も持ち歩くほうだけどyahさんの種類の豊富さには驚いた。

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天沼を出発するといよいよ巨岩帯に突入する。いい経験なのでルートファインディングをしながら歩きたいと言っていたyahさんが先頭だ。最初はルートの選択方法(ピンクテープ、ペンキ、ケルン等)が良くわからないらしく、時折あらぬ方向へ進むのを後ろから訂正しながら進んでいく。それでも楽しそうだ。たまに間違えるものの、ロックガーデンを抜ける頃には自力で修正して結構まともにルートを選べるようになっていた。途中の岩場ではナキウサギも見ることが出来た。

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ロックガーデンを抜け北沼近くまで登ると、これまでに歩いていてきたルートが一望できる。いやぁ、本当に素晴らしい。昨日の悪魔のような大雪の表情が一変して天使のように見える。北沼付近ではshizuさんが偶然出会った知り合いと話をしている。我々は少し離れた場所でのんびりとトムラウシ山を眺めて休憩。北沼の湖畔にはチングルマ、ミヤマキンバイ、エゾコザクラの他、ジムカデの大群落、エゾヒメクワガタ、アオノツガザクラ、ヨツバシオガマ、イワギキョウなどが咲いていたが、4年前に見たチシマギキョウはもう姿を消していた。

南沼キャンプ指定地に着くととりあえずテントを張る。私は純正のグランドシートを使っているので、まずグランドシートをペグで打ちつけて、それにテントを引っかけて張っていくので風があっても全然大丈夫だが、二人ともサードパーティのグランドシートで、且つ、テントを張るのは初めてということで風に煽られ苦戦している。自分のを張り終えた後、「できた!」と言う二人のテントを念のためチェックすると、確かに形にはなっているが張り縄を忘れたり、緩かったり、ペグがなかったりと、かなり試行錯誤した後が見える。それらを修正して16時40分。まだトムラウシ山に登れる時間なので二人を誘って空身で登頂。十勝岳連峰は曇っていたが、それ以外は360°の絶景。

一緒に登り始めた陽気なおっちゃんは何と俵真布から登って来たという。「営林署ってお盆休み中でも鍵借りられるんですか?」と素朴な疑問を投げてみる。「彼らは夏休みとかなくて平日は平日、土日は土日」だそうだ。てっきりお盆休みは鍵を借りられないと思い込み、我々のような会社員には縁のないルートだと諦めていたが、これで来年の夏休みの計画は決まったようなものだ。登山道の様子を聞き、「登山道の登り始めがひざ下までの水たまりだった」とか、「途中の沢で熊が食事をしているところに出くわした」とか色々な話をきかせてもらった。こちらも大冒険を経験して登ってきたのでその様子も伝える。「お互い大変な思いをして登って来てこれだけいい景色を見ているんだな」と実感した一日だった。


忠別岳避難小屋(7:40)→忠別岳避難小屋分岐(7:55)→五色岳(8:55)→化雲岳(10:30←ティータイム→11:00)→ヒサゴのコル(12:05)→天沼(12:25←昼食→13:00)→北沼分岐(14:50)→南沼キャンプ指定地(15:25←テント設営等→16:40)→トムラウシ山(17:05←休憩等→17:30)→南沼キャンプ指定地(18:00)

表大雪南ルート縦走2日目 ~ヌプン小屋-忠別小屋~

朝4時30分起床。薄曇りの中、晴れ間も見え中々の状態だったが、準備をしている内に空に厚い雲が立ちこめてイヤな状態になってくる。それでもyahさんは「登れば雲の上に出て晴れますよ」と楽観的。救われるというか何というか(^^;。確かに上空の雲の動きも緩やかで、それほど荒れないかもしれないという期待を持って5時40分にヌプントムラウシ避難小屋を出発した。登山ポストの情報では先発隊がいるようだ(日付が8/12の4時30分入山になっていたが、昨日yahさんが確認した時は、この記録はなかったとのこと)。

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昨日確認した橋を渡り、沢沿いの道を登り始める。地図では徒渉点は数回しかないと思っていたが実際には何十回も徒渉を繰り返すことに...先行していたyahさんがルートが良くわからないということで先頭を変わる。登山口近くはピンクテープも多かったが、いざ沢道に入ると激減し確かにわかりにくい。途中、迷い道に入ったりもしたが、その都度遠くに見える標識やピンクテープを発見して進む。元々ピンクテープは多くあったようだが、その半数は地面に落ちたり流されたりしているようだ。100m近く目印がないこともあり不安にさせられる。

登山道は700m地点で沢本流から支流に分岐する。ここでshizuさんが腹痛を訴える。困った。腹痛なんて想定外だった。どうしようかと思っていたら、yahさんが薬を持っているというので難を逃れる。小雨も降り始めたので雨具やザックカバーを準備しつつ、shizuさんの状態が良くなるのを待って出発した。支流に入ると沢の上を歩いて行く。ここもピンクテープが少ないが左右に枝道もないのでルートは明瞭だが何となく不安は付きまとう。沢がだいぶ細くなって来た頃、「右」と書かれた看板が出現。急坂を登ると樹林帯の登山道に入る。倒木を避けつつ沼ノ原山までツラい登りが続く。まるで天人峡ルートとそっくりだ。ここで男性二人の先発隊に追い付いた。我々と同じく忠別小屋まで行く予定だったが、この雨で予定変更して、沼ノ原でテントを張ると言う。確かに彼らのペースでは忠別小屋は無理があるかもかしれないが、この天候では沼ノ原のテン場は水没する可能性があることを伝え先行する。沼ノ原山のコルから少し登ると沼ノ原の台地に出てきれいな笹の刈り払い道に出た。

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しばらく進むと前を行くyahさんが「スズさん、これどっちに行けばいいの?」と聞いてくる。どうしたのかと思って前を見たら、湿地のような広大な空間が拡がっていて驚いた。先人のブログで写真は見てたものの、こんなに広いのかと呆然とする。ガスっていてルートの入口がわからない。しょうがないので湿地の周囲をグルっと回ってルートを探すことに、shizuさんとyahさんはその場で待機してGPSアプリで位置確認をしている。とりあえず標識は見つけたが、「ヌプン・・」の文字しか読み取れず全く役に立たない。「クソっ、新得町ちゃんと管理しろよ」と悪態をつくがどうしようもない。ここでGPSに沼ノ原分岐の位置情報を登録していたのを思い出し、GPS表示を頼りに進むと熊笹に覆われた踏跡に到達した。これを行くのかと思いつつ、二人を呼び笹薮を先行する。

熊笹をダブルストックで払いながら進むに連れ、GPSの残り距離が減って来てルートが正しいことを示してくれる。ただ雨で濡れた背丈ほどの熊笹を掻き分けて進むのも大変だ。この悲惨さを是非伝えたいと写真に撮ってみるが、所詮写真が撮れるような場所はまだマシな地点で、そうでないところは笹に埋まってとても写真なんて撮っていられない。笹払いの圧力で腕は既にゴアテックスを貫通してビッチョリ。小雨の他に風も吹いていて止まると超寒い。早く抜けたい一心だったが、慣れない二人のペースが上がらず10mほど進んで停止を余儀なくされる。後続の二人にとっても、眼鏡が濡れて視界が悪かったり、笹薮に埋まった穴や石に足を取られたりと大変だったらしい。GPSの残り距離を読み上げながら、道の状態と「頑張れ!」と声を掛けて少しずつ進んで行く。

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そしてGPSの残り距離が15mを差した時に愕然とする。はっきりしていた踏跡が消えてしまったのだ。迷走した跡が至るところに点在している。そんな中、おそらくココだろうと思う少し開けた水たまりに足を踏み入れると、グチョリと登山靴がイヤな感触を捉えて大きく沈んだ。そう、ここは湿原だ。へたなルートを取るとマズい。すぐさま足を引き抜き、別ルートを探す。とは言っても迷走した跡があるだけで、それらしいものは何もない。同行の二人も心配そうに私を見ている。もうGPSの残距離15mを信じて笹の上を進むしかない。覚悟を決めて倒れて歩き易そうな笹の上を進むことにした。長い、まだ合流しないのか思って焦り始めたとき、待望のクチャンベツルートの木道が見えた。「抜けたっ!」思わず叫んでいた。二人も続いてくる。沼ノ原分岐よりも10mほど北側にずれたが結果オーライだ。先程とは反対側から分岐の様子を見て納得した。2008年に訪れた時は石狩岳方面への踏跡はしっかり確認できたが、もうすっかり熊笹で覆われている。その向こうには、最初に私が足を踏み入れた水たまりが見える。どうやら最初に選択した道が正解だったようだ。後日確認したGPSの軌跡にもハッキリと記されていた。

休憩したい気持ちもあったが、風を遮るものの少ない湿原に抜けたことで風が吹き抜け、腕が更に冷たくなってきた。このまま放って置くとマズい。「ちょっと寒くなって来たから、この先の樹林帯で休憩しよう」と二人には悪いと思ったが早々に大沼を抜けて風雨を避けられる樹林帯を目指す。しかし途中で右に折れる木道を見落として、大沼湖畔のキャンプ指定地に来てしまった。「何で?」キツネにつままれたような心境だ。最後尾のshizuさんに反転して左に折れる木道がないか確認してもらう。あった。良かった。木道は多少朽ちているがまだまだ使えそうだ。写真の樹林帯で乾いたインナーを着て一段落。完全に冷え切った腕にも体温が戻る。危なかった。低体温症ってこうやってなっていくんだ。

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樹林帯で休憩した後はクチャンベツ川源流まで結構な急坂を登っていく。yahさんはかなり辛そうだ。時間はまだ12時前。予定した時間より30分ほど遅れているが十分余裕はある。「いいよ、ゆっくり行こう」と声を掛け一歩一歩登っていく。急坂を登り切った後、時間を掛けてクチャンベツ川源流に到着。これに沿って南側に付けられた登山道を登っていく。花がとてもきれいに咲いているが、もう全員足を止めて花を見たり写真を撮ったりする余裕はない。そんな中、エゾコザクラの白花を一輪見つけた。足を止めて「これは珍しいから」と声を掛けて写真を撮る。思えばこの後、五色岳山頂に着くまでで皆が笑顔を見せた最後の瞬間だったかもしれない。もうレンズが結露して拭いても拭いても曇ってしまってまともな写真が撮れない。カメラ本体も結露してアイセンサーが誤作動、液晶画面が使えず重い荷物を背負ったまま腰を屈め、ファインダーをのぞいて撮影した。1日目の行程で写真を撮るのはこれが最後になった。

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2008年に訪れた際の記憶から、五色ヶ原に出れば多少のハイマツ漕ぎはあるものの、緩やかな木道が続くため一気に抜けようと考えていた。風雨も強まって来たため「少しペースをあげよう」と言ってみたものの現実は過酷だった。以前よりもハイマツも熊笹も手強く成長し、木道のない区間はまた薮漕ぎに。木道自体も熊笹に完全に覆われて途中でyahさんが木道を踏み外したり危険なシーンが続く。yahさんはもう眼鏡が完全に濡れて見えないらしい。危険なので私が先行し危険箇所の状態を伝え、熊笹が木道を覆っているところではストックを前に突いて木道の位置を確認しながら進むように指示を出す。shizuさんは最後尾を黙々と登ってくるがペースは確実に落ちてきている。もうみんな一杯一杯だ。こんな所で休みたくないが、疲労が蓄積して動けなくなるともっとマズいと思い、風が辛うじて避けられるハイマツの影を見つけて、一旦、小休止にする。5分も休憩してないが、それでも随分と回復したようでペースが上がった。これなら何とかなりそうだ。現在位置を確認して残り距離を伝えつつ先行する。五色岳近くの、昔、水を汲んだ記憶のある場所も見えてきた。「もう15分ほどで山頂!頑張れ!!」とそれを伝える。しかし山頂付近でまた道がわからなくなる。二つに分岐していて一つは沢のように水が流れて来ている。もう一方はハイマツの中だ。自信はなかったが「迷った時は沢沿いは避ける」という自分のポリシーを徹底してハイマツを選択した。正解だった。すぐに次の木道が見えてくる。「もうすぐ!」、「もうすぐ!!」と声を掛けて山頂目指して登る、最後にハイマツを越えると見覚えのある五色岳の岩場が目に入った。実際に歩いた時間は言った通り15分ほどだったが1時間ほどにも感じた。

風雨が強い五色岳山頂はスルーして低木のトンネルになっている忠別小屋へのルートに入って腰を落とす。ここなら落ち着いて休憩できる。助かった。yahさんもすぐ着いてきた。ただshizuさんが来ない。ヤバイ。五色岳を通り過ぎて化雲のほうに行っていたらどうしようと思ったら姿が見えた。「おーい、こっちこっち」と叫んで呼び寄せる。後日聞いたら分岐標識の写真を撮っていたとか...人が心配しているのに随分と余裕だな、おいっ(^^;。低木のトンネル内でしばらくグッタリと休憩。思えば昼食も食べていない。それでもみんなお腹は空いてないとのことだ。確かに精神的にそれどころではなかった

休憩後、忠別岳避難小屋を目指す。避難小屋への分岐が見えて来た頃に急にお腹が鳴った。目的地が間近ということで身体のほうも安心したらしい。小屋に入ってからもトラブル発生。電子機器類がことごとく死亡した。NIKON1はファインダーがくもり、メカニカルシャッターが下りなくなってしまった。GPSは電源が切れず、携帯電話は電源が入らない。暖かい小屋の中に入って一気に結露したようだ。まぁ、無事に辿り着けたことを思えば軽い代償かと思いつつ、明日からの山行で写真が撮れないことが気がかりに思い、電子機器類をシュラフの中に入れ、温めつつ一夜をともにした。


ヌプントムラウシ避難小屋(5:40)→ヌプントムラウシ登山口(6:00)→石狩岳分岐(10:00)→沼ノ原分岐(10:40)→大沼キャンプ指定地(10:50)→五色の水場(11:40)→クチャンベツ川源流出合(12:25)→五色岳(14:35)→忠別岳避難小屋分岐(15:20)→忠別岳避難小屋(15:35)