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凌雲閣から十勝岳周遊で白銀荘に下山 ~上ホロ・十勝・美瑛~

先週末に間を空けたせいか体が少し重たいが、天気も良さそうなので、今回は上富良野町営バスを使って、上ホロから美瑛岳まで十勝岳の稜線を全部歩いて白銀荘に降りる計画を実行に移す。5年ほど前に、同じバスを使って、富良野岳から十勝岳まで稜線歩きして白銀荘に降りるということをやったが、途中の稜線上から膝が痛くなった上に、バスにも乗り遅れるという失態をおかしたのでリベンジでもある。

余裕を持って朝4時に札幌を出発して白銀荘を目指す。白銀荘着が6時20分前。温泉道具や着替えの入ったザックを登山ポスト横の看板に腰ベルトでくくりつけてデポしていく。キャンパーのギャラリーが多くて緊張する。盗まれないか心配だったけと、肩紐が破れて使えないザックだし、金目のものが入っているわけでもなし、盗られたら盗られた時と割り切った。その後、凌雲閣まであこを走らせた。凌雲閣前の駐車場はもう半数以上が埋まっている。今日の山は人が多そうだ。

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6時40分に凌雲閣前を出発。歩き慣れたルートを進んでいく。安政火口までのハイキングコースは昨年の大雨の影響か以前よりは荒れている。徒渉点も相変わらずの涸沢だ。尤も、雨が降ると増水することもあるようだが...上ホロ分岐からは涸沢のような登山道を辿り、整備の行き届いた名物の300階段でD尾根に上がる。写真はD尾根から見た化物岩。その向こうには点々とした雲の下に市街地が拡がって何とも美しい光景。初夏のD尾根は花も豊富だが、今はイワギキョウやシラタマノキぐらいで誘惑も少なく淡々と進む。上富良野岳をグルっと巻けばすぐに山頂。何かあっけない。こんなに近かったっけ? 息も絶え絶えだった6月に比べて何気に鍛えられてるようだ。

上富良野岳からはいよいよお待ちかねの稜線歩きがスタート。コルを越えて20分ほとで上ホロカメットク山。ここ最近は三峰山にしか行ってないし、その前も巻き道を抜けたりと山頂に来るのは本当に何年振りだろう。山頂ではオーストラリア人の御夫婦(奥さんは日本人)と、札幌からの御夫婦に出会う。オーストラリアの彼は中々ワイルドで、昨日、上ホロ小屋の近くまで来た熊を見れたと嬉しそうに語っていた。ついさっきも大砲岩の近くにいたらしい。それは見て見たいと思いつつ大砲岩に向けて進む。札幌の御夫婦は凌雲閣から十勝岳ピストンの予定だったが、熊のいるところを引き返したくないということだったので、じゃあ、白銀荘に下りたらどうかと凌雲閣行きのバスの時間を教えてあげる。

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途中、大砲岩で寄り道。大砲岩の向こう側に抜けてOP尾根を見てみる。ものすごい痩せ尾根。一応、昭文社地図には載っているけれども、「とてもこんなところ歩けないよ」というのが第一印象。愛別岳も強烈だけどそれ以上に脆い。歩くだけで足下がパラパラと崩れていく。「いやいや、ないない(^^;」ということで慎重に引き返す。熊の気配もない。自衛隊が下界でドンパチやっていたので、その音で去っていったのかも。なんかちょっと残念な気分。

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その後、痩せ尾根の稜線を辿って十勝岳の山腹に出る。十勝岳の南側は溶岩帯だが緑も多い。程なく十勝岳山頂。新しくなった山頂標識も確認。前のが立派だっただけに、ちょっと残念な感じはあるけれど百名山としての格好は十分につく。

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小休止の後、美瑛岳へと向かう。北側斜面は対称的に荒涼とした砂漠が続く。このルートに入った途端に風景とは対称的な湿った風が新得のほうから吹き上がってくる。上空からは乾いた冷たい風も入ってきてもう大気の喧嘩状態。湿った風が勝てばガスり、冷たい風が勝てば晴れ、目まぐるしく天候が変わる。この辺りは少し盛り上がった2008mピークにちなんで、平ヶ岳なんて名前が付いているが、十勝平とかのほうが名前的にはしっくり来るんじゃないかと思う。よし決めた。命名「十勝平」(^^;。すぐ先には、鋸刃のコントラストが最高に美しい鋸岳が...この辺りは見どころ満載。

鋸岳からは砂漠の道を一気に下り、そして砂のトラバース路と滑りやすい道が続く。最低コルに到達するとややトラバース気味に道が続いていく。ここはイワギキョウとシラタマノキの大群落があって見事。だが、ダラダラと長く続く登りにさすがにバテて来た。美瑛富士まで行こうかと思っていたが、この時点で断念して美瑛岳でのんびりしようと誓う。

美瑛岳の山頂標識も新しくなっていた。せっかくなので後から同じルート来た爺様に写真を撮ってもらった。山頂にはトンボがたくさん。こんなに暑い日が続いているのに虫たちは秋の訪れを感じているようだ。大気の戦いもまだ続いている。眺望がコロコロと入れ代わる。全天が晴れということはなかったが、時間差で360°の絶景を楽しんだ。

いつもは13時近くになると誰もいなくなる山頂だが、今日は間髪入れずに誰かしらが訪れる。凌雲閣からスタートして富良野岳に行ってからここまで来たというおっちゃんもいた。彼も同じバスに乗ると言う。下山の見積もりが私は3時間と見ていたが、彼は3時間半は必要じゃないかと言う。時間は13時過ぎ。私のプランでは16時に下山して、1時間ほど白銀荘で温泉に浸かり、17時のバスで凌雲閣に戻るという感じだったが黄色信号が灯ってしまった。そんなわけで、そこそこ駆け足気味に下山していく。ポンピ沢まで約1時間。雲ノ平分岐の手前まで1時間40分ほど。これはペース早すぎるのではと思ったので、岩の清流でお茶にする。途中の函は少し上流側にハシゴが新設されていたが、これが長いのなんのって。高所恐怖症の私には辛かったが慎重に一歩一歩下りた。

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雲ノ平分岐を過ぎて作業道を使ってショートカットすれば、すぐに白銀荘ルート。このルートは溶岩の巨岩あり、ハイマツ帯あり、徒渉あり、低木帯あり、林間コースありと中々バラエティーに富んでいる。途中の低木帯に九条武子歌碑が道の真ん中にドーンと鎮座していて、何度通っても行き止まりかとドキっとする。歌碑を置くことは否定しないけど「何でこんな邪魔な場所に置くかなぁ」。白銀荘に無事に到着したのは15時40分。美瑛岳から2時間30分。結局、のんびり行けば丁度3時間ぐらいなので私の見積もりで全然OKだったじゃないかと、後で少し文句を言ってやろう(^^;と思いつつ、デポした荷物を回収して温泉に。温泉から出ると美瑛岳で会ったおっちゃんと下山時間の情報を交換。彼も似たような時計で降りて来て途中で早すぎるかもとペース落として、それで3時間だったらしい(^^;。その後、バスが来るまでしばしの山談義。バスが来た頃には朝に上ホロで会った札幌の御夫婦もやって来た。時間的に13時51分のバスに乗ったと思っていたので、少々驚いたが十勝岳でのんびりと昼食にして、楽しみつつ時間を掛けて降りてきたらしい。バスは15分ほどで凌雲閣に到着。今回出会った人達と駐車場で少し話をした後、別れを告げて帰路に着いた。

今回のアクシデントと言えば美瑛岳の山頂で滑落した...満載の水ボトルが(^^;。荷物を整理してた時に、うっかり落としてしまい、100mぐらい下まであっと言う間に転がり落ちて行く。ダイソーの100円ボトルだけど驚くほど頑丈。あれだけの高低差をバウンドしながら、すごい衝撃と共に転がり落ちたのに全然ダメージを負ってない。落下試験結果としては大満足。次も同じものを買おうと思った。

あと宣伝ですが、今回利用したバス路線は上富良野町営バス(十勝岳線)で1日3本。運賃は200円。詳細は上富良野町役場ホームページ参照ということで宜しくお願いします。ちなみに十勝岳山開きの日は運賃が無料になりますのでお得ですよ。

今回もヤマレコにいっぱい写真をあげました。ついでに「山行記録のページへ」のリンクから飛んで見て言ってもらえれば嬉しいです。

十勝岳温泉凌雲閣(6:40)→三段山分岐(7:00)→上ホロ分岐(7:40)→上富良野岳(8:45)→上ホロカメットク山(9:00)→上ホロカメットク避難小屋(9:20)→大砲岩(9:35←OP尾根偵察→9:40)→十勝岳(10:10←休憩→10:20)→美瑛岳分岐(尾根上)(11:45)→美瑛岳(12:00←昼食等→13:10)→美瑛岳分岐(トラバース路)(13:40)→雲ノ平分岐(14:55)→吹上温泉白銀荘(15:40)

今回のあこの燃費:12.4km/L

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yah URL 2012年09月04日(火)22時43分 編集・削除

8/19に三峰山に行って以来、山に登れてなくて身体が重たくなってきました。
今度の日曜も予定があるので、次に登れるのは9/15か16になりそうです(17は仕事)。
しばらくマメに登ってたので、こんなに開くと禁断症状が・・・

9/15はまだ表大雪の紅葉にも早いだろうし、このコースを歩いてみようか、それとも雌阿寒&阿寒富士に行ってみようかと思案中です。お天気次第ですが・・・。

ところで大砲岩と三段山の間は落石・滑落事故多発のため現在は通行止めのようですよ。
今年版の山と高原地図にも、夏山ガイド(2007.5.1発行版)にも通行止めと書いてました。

tarumae-yama Eメール URL 2012年09月04日(火)22時57分 編集・削除

同じ日、近くの山を登っていたのですね。
このコースは私も大好きです。
7月なら美瑛岳と美瑛富士の分岐から望岳台まで花が多くて写真に時間を取られますね。

私達が登った前富良野岳は1日良い天気でしたが、日高山脈は雲海、大雪の旭岳も殆ど雲の中でした。

実は、Aさんから前夜電話があったとき、スズさんの事が頭にあったのですが、あまりにも急だし、きっとどこか予定しているだろうと思い電話しませんでした。

スズ(管理人) 2012年09月04日(火)23時11分 編集・削除

yahさん、こんばんは。
心肺はそうでもないけど、筋力は一週間を越えるとガクっと落ちますよね。
私は9月中は山の予定しかないので、天気さえ良ければ行きまくりますよ。

それにしても天気がおかしい。
週間予報では一週間先もまだ夏日が続きます。
秋はいつになったら来るんでしょう。
夏山を楽しむにはいいですけどね。紅葉はまるで時期が読めません。
銀泉・高原のシャトルバスが終わる頃に紅葉したりしてね(^^;。

OP尾根の通行止めは随分前からなので、もちろん知ってましたが、
でも好奇心が抑えられないのです。とりあえず様子見ぐらいは...
「行くな」と言われるほど、行ってみたくなるんですよ(^^;。
まぁ、この道は一目見て駄目だと思いましたけど。
というかもう道ですらない(^^;。
逆からアタックした人の話では、この尾根の向こうが難所らしいです。

スズ(管理人) 2012年09月04日(火)23時22分 編集・削除

tarumae-yamaさん、こんばんは。
今週は殆ど突発的に出掛けたので誘って頂いてもOKだったのですが...
今後はもう夏山期間が残り少なくなって来たので色々と計画しています。

tarumae-yamaさんのレポートはまだ読んでないのですが、
前富良野岳って、またハイマツの中を行ったんですか?
もしかしてAさんって意外とハイマツ好き?(^^;。

午後から暑くなりましたが、一日良い天気で良かったです。
旭岳は終始雲の中でしたね。大雪に行かれた方には同情します。
同じ山系ですが天気は全然違いますよね。
逆に大雪側が晴れてると、十勝で曇ったりとかすることも多いです。

なおなお URL 2012年09月05日(水)15時54分 編集・削除

はじめまして。
yahさんのところからきました。
以前のトムラウシの縦走のときにお邪魔してからこっそり訪問しておりました。

9月2日に、十勝岳温泉の駐車場で どこかでお見かけしたお顔だ・・・と思ったのですが、今日こちらに来ましたら、「あ、yahさんのブログで拝見したスズさんだ・・・」と^^
出発する前にトイレの前ですれ違いました^^
私は富良野岳~かみふらの岳に行ってきました。

また訪問させてください^^
お邪魔しました。

隊長 URL 2012年09月05日(水)18時44分 編集・削除

スズさん、こんばんはー。

おっ。グルッと一周をしてきたのですね。
天気も良さそうで、いいねいいねー!
暑そうだけれど、気持ちも良さそうです。

そうですよね。十勝岳から美瑛岳へ向かった方が歩きやすいですよねー。
逆だと十勝岳への登りが蟻地獄みたいですからー(笑)。

いま時期は、花も紅葉も無いですが、晴れると空は高いし青いし。
純粋に風景と山歩きを楽しめる季節だから、この時期も悪くないですよね。
私はそう思うなぁー。
(^_^)

mori URL 2012年09月05日(水)19時23分 編集・削除

どうやったら、20kmも山道を歩けるんですかーー??

と感嘆していたら、ヤマレコの方に「キツかった」とのコメントを発見。
スズさんも人間だったのですね。
ホッとしました。

スズ(管理人) URL 2012年09月05日(水)22時15分 編集・削除

なおなおさん、こんばんは。
トイレの前でお会いしたんですか。初めてお会いしたのにそんな変な場所で、
しかも「ああ、多分、あの人だろう」ぐらいの印象しか覚えてなくて恐縮です。
私、トイレ前の台を使って盛大にお店を広げていたので、きっと目立ってましたね。
何だか世の中狭いです。下手なことはできませんね(^^;。

富良野岳のほうも天気良かったですね(^^)。
綺麗に晴れた三峰山から富良野岳の稜線を見ながら登りました。
今度は、是非、声を掛けてくれたら嬉しいです。

スズ(管理人) URL 2012年09月05日(水)22時26分 編集・削除

隊長さん、こんばんは。
はい。グルっと一周です。
十勝岳までは風も冷たくて「山サイコー」って感じだったんですけど、
美瑛岳へと踏み出した途端にジメっとしたのがやって来ました(T_T)。
その後はジメジメとカラカラが交互に...
「カラカラ頑張れ、よーしいいぞ。押せっ押せッ!」って言いながら歩いてました(^^;。
誰もいないので良かったですが、目撃されてたらかなり変な人ですね。

美瑛岳は午前中から曇り始めることも多いので、
美瑛岳の眺望を得ようとしたらどうしても逆ルートになっちゃうんですよね。
で、蟻地獄ですか。いい形容です。まさにそのとおり。
前に行った時は「三歩進んで、二歩下がる♪ ズルズル~」って歌いながら登りました。
やっぱり変な人ですよね。

美瑛岳の山頂で会ったおっちゃんが、
望岳台からオプタテに登ったとか話をしていたので
もしかして隊長さんかと思いましたが違ってましたね。
装備もカメラも全然違ったのでわかりましたが...
そうで無ければ直接、「隊長さんですか?」って聞いてたかもしれません。

スズ(管理人) URL 2012年09月05日(水)22時46分 編集・削除

moriさん、こんばんは。
何だか知らない内に歩けるようになりました。
でも当日は富良野岳から美瑛岳に来た人がいたので、
その人は更に5kmぐらい加算して25kmかぁ...
本当にどうやったらそんなに歩けるんだろう。

昔、天人峡から化雲岳日帰りとかやりましたけど、あれが25kmぐらいかなぁ。
あの時は無謀なぐらいに荷物を少なくって感じで、
食料(1食分)と水1Lぐらいしか担いでなかったから...
今では怖くて、とてもそんなことできないです(^^;。

しず 2012年09月06日(木)10時28分 編集・削除

ぎゃぼーん なんだあ~師匠、十勝美瑛なんて粋なところに行ってたんだね♪裏山ー♪♪

これから山行きの候補として挙げてたので、なかなか参考になりましたん★写真等、日を改めてじっくり見させてもらいますね♪
十勝岳、いつもより硫黄臭が強かったという報告があるんですが、噴火するんかな~?ちょっと怖いかもw


あ、そうそう!
師匠のなきうっさー見ましたよ★
今回は石室からホクチンに向かう途中で見れました。あそこで見れるとはお初だったので驚きです!
きっと私に会いたかったんでしょうね、いやいや困ったなあw←アホ。


こちらは比布から安足間までの縦走路が恐怖でした。
なんなんですかね、あのザレ急登をトラバースするあの高度感たーっぷり感は!!周りの景色なんか見る余裕ナッシーング!!
愛別岳がめちゃくちゃカッコ良かったですね~★


午後から旭岳も雲がかかってたんですが
早朝5時から登山開始してたので、景観はバッチリでしたよ♪
うらやましいだろーーwwぐふふふふふふ~

ちなみにパート2!
ご来光はきちんと拝めましたよ。
相変わらず快眠!が私の今後の課題になりそうです。家のベッド空間を求める私がいけないのかもしれないけど・・・うーむ。。


今週末は天気良さげですね。
あるぴにすとは未だ夏に登ったことのない手稲山でマッタリしてきます。

スズ(管理人) 2012年09月06日(木)13時35分 編集・削除

shizuさん、こんにちは。
十勝岳は別にいつも通りですよ。
活火山ですから、風向きによっては硫黄臭がかなりすることもあります。
噴火するとしてもあの辺り一帯のどこが噴火するかわからんので、
対策のしようもないですよね。

比布から安足間の恐い道ってあの斜めになったやつね(^^;。
わかりますよ。「そっち行きたくない」って言ってるのに体がズルズル~ってね。

未承認 2013年09月16日(月)11時18分 編集・削除

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