記事一覧

あことドライブ ~秋の洞爺湖食材探し~

札幌も初雪が降り急速に寒くなって何だかあまり動く気がしない。本能的な冬眠モードに入りつつあるこの頃、朝10時過ぎまでダラダラしつつ、折角の晴天なのであことドライブに出かけた。壮瞥のリンゴがそろそろいい時期だし、平地の紅葉もきれいな頃合いではと思い洞爺湖に決定。

中山峠は雪が20cmは積もっただろうか。道路はさすがに積雪はないが周囲は冬景色。ピカピカだったあこは前の車が撒き上げるスプレーでドロドロに。北湯沢経由で13時前には壮瞥の吉川果樹園に到着。ここは管理人が札幌に来た頃に立ち寄ってから、壮瞥に来たときは必ず寄るようにしている。2年に1回ぐらいしか行かないのに、おばちゃんは薄ぼんやりと覚えていてくれているようだ。道路沿いのワゴンは冬支度で閉まっていたので直接お宅に伺う。管理人のお目当ては酸味が魅力のレッドゴールドだ。試食したが今年は味が薄い。おばちゃんに聞いても「今年はねぇ...」と曇りがちな返事が返ってくる。個体差もあるだろうととりあえず10個ばかりゲット。

ファイル 54-1.jpg

本命の洞爺湖に向かう。洞爺湖東岸の道道は時期がはまれば黄葉の通り抜けになるが、今年も微妙な感じ。滝之上キャンプ場に車を止めて散策する。完全に黄葉していないのに葉が枯れ落ちてしまって残念。で、財田の水辺の森の小径に場所を移動。ここも全体的に黄葉はイマイチ感だが日が傾いてきたので湖畔に映える。ここの遊歩道は全長1.8kmと約1時間の散策路だ。八幡神社前の駐車場にあこを停め歩き始める。景色を楽しみつつ落ちてきたどんぐりが敷き詰められたかのような道がナナカマドの実に変わる頃、ビニール袋に栗をいっぱいにした夫婦と出会う。これはこの先に栗があるに違いないということで、散策から栗拾いに目的が変わる。遊歩道の終わり近くで栗を発見するとひたすらに拾う。入れ物を持ってなかったのでカメラバッグで代用し、バッグいっぱいになるまで拾っていると40分ぐらいが過ぎていた。遅くなったが一応遊歩道の終点を踏んでから来た道を戻る。帰り道、夕焼けとウィンザーホテル洞爺のコントラストが奇麗だった。

ファイル 54-2.jpg

駐車場に戻るとあこに栗を見せてみる。ふ~んという無感動な感想が返ってきたような気がした。まぁ、そうだろうなと思いつつ、ここまで来たので色々寄り道しようとニセコビュープラザで、じゃがいもや長ねぎなどゲット。その後は5号線から銀山経由で赤井川温泉で汗を流した後、帰路についた。

今回のあこの燃費 11.4km/L (栗は栗ご御飯にしたが、帰宅してから延々の渋皮剥き(^^;。百均甘栗だと色合いは悪いがあんなに楽なのにと思いつつ2時間ぐらい掛けて剥ききった)

十勝岳 ~Last two thousand in this year~

今年、最後の2000m登山ということで十勝岳に行きました。朝6時に前日の酒が残った気持ち悪い目ざめと共に準備をして出発。江別あたりでスパッツと手袋を忘れたのに気付き取りに戻り、結局10時前に望岳台到着。

山頂は雪も少なく例年よりもぬるいラストになりそうだと出発したが、前半のハイキングコースから脚が鉛のように重く胸がムカムカと気持ち悪い。日本酒がいけなかったかと後悔しつつも、気力で少しずつ標高を上げていく。十勝岳避難小屋を過ぎると気持ち悪さがピークに達して何回か広大な大地にリバースしてしまうが、おかげて胸のほうは幾分すっきりしてきたので少なくとも1720m標識までは行こうと気持ちをきり変えて進む。1720m手前のジグでスノーシューを担いだ若い男性と出会う。山頂は晴れて風も穏やかですごく気持ちよかったと言っていたが、こちらは気持ち悪くてどうにかなりそうだ。体のいい挨拶をかわして1720mの高台に登る。

ファイル 44-1.jpg

うっすらと雪化粧をした溶岩ドーム、所々岩肌が見えて白黒のコントラストにモクモクと噴煙が立ち上る62-2火口、スリバチ火口の向こうに白くなった美瑛岳、ああ冬が来たなぁと思って景色に見入って腰を降ろしたら動けなくなった。どうやら体調的に今日はここが限界らしい。以前に修復した標識のケルンにお店を広げ昼食。気温は7℃。時折吹く冷たい風のせいか寒くなってきたので、山フラー含め持ってきたもの全部着込み暖かいスープをすする。

ファイル 44-2.jpg

その後、帰り支度をしていると気持ち悪いのがおさまっているのに気付く。雪の少ない山頂のコンディションからすると、もしかして山頂アタックできるかもと思い、溶岩ドームの手前まで行ってみることにする。しかし脚はまだ鉛のようで息も荒い。手前から見上げると岩肌がポツポツと見えていて例年よりも楽勝ムードが漂っている。時間は13時前と少し遅く、管理人が本日のラストアタッカーらしいが、この機を逃す手はないとアイゼンを付ける。雪は所々固いが先人達が道をつけてくれているので楽に登っていく。例年、積雪期は十勝岳の肩の手前の急斜面で恐怖を感じるが、道を辿っていくうちに知らない間に通過していた。

ファイル 44-3.jpg

肩まで来ればあとは比較的楽な登りだ。息は上がるが順調に高度は上がっていく。標識に残されたロープには、氷が張りついて芸術作品のようになっている。俗に言う樹氷、海老のしっぽだ。空気中の水蒸気が吹きつけられ凍結してできた氷で、通常は風上に向かって成長していく。ふと山頂を見上げると人影が見える。てっきり最後だと思っていたが山頂に到達すると3人パーティが、話を聞くと富良野岳から縦走してきたらしい。しばらく話した後、下りると言うので、てっきり望岳台に下りるのかと思っていたら上ホロ方面に向かって行った。この積雪期に縦走するだけでも大変なのに凌雲閣まで戻るんかとあきれて見送る。写真は彼らが戻っていった稜線だ。

ファイル 44-4.jpg

この時期は空気が澄んで遠くまでハッキリと見わたせる。望岳台方面からは一人が登って来ている。管理人がラストではなかったようだ。山頂の巨岩の影はほぼ無風で暖かく、お茶でも沸かして彼の到着をのんびり待つ。トムラウシ山を眺めつつ思えば今年は登らなかったなとか、ニペソツ山来年行くぞなどと、思いをめぐらせている内に時間が過ぎていく。時計を見たら14時を回っている。もうそろそろ下りないと思って荷物をまとめて下山すると、山頂手前の吹きさらしの雪の上で休憩している彼を発見。なんでこんな寒いところで休憩してるんだろうと思って声をかけたら、この時期に来るのは初めてで山頂のほうが風が強くて寒いと思ったらしい。ここより全然暖かいからと言うとじゃあ上でゆっくりして来ますと登って行った。

ファイル 44-5.jpg

帰り道は身体を気づかいながらゆっくりと下りていく。望岳台に近づくに連れ日が傾いていく。何とか一日無事に終わって良かったと夕日を写真におさめつつ、薄暗い中、あこの元に帰り着いた。


望岳台(10:00)→美瑛岳分岐(10:40)→1720m標識(11:50←昼食→12:35)→十勝岳山頂(13:35←休憩→14:15)→1720m標識(14:50)→美瑛岳分岐(15:55)→望岳台(16:40)

今回のあこの燃費:12.1km/L (冬タイヤドライ路面での初計測です。夏タイヤと変わらない。んっ? 夏タイヤはY浜のエコタイヤなんだけど変わらないっておかしくないか? Y浜は夏タイヤもXXということなのか。 ※XX内は御想像におまかせします。ええ、もちろんそういう意味です。)

あことドライブ ~定山渓ダム下流園地~

今週末はあまり天気が良くないので休息モード。こういう機会にあこのタイヤを変えてもらおうと、のんびり食事をした後にディーラーに。タイヤ交換後は足慣らしに定山渓に出発。別の車になったみたいでスタッドレスのフワフワ感が気持ち悪い。スタッドレスの感覚を思い出しながら、石山通りに入ると渋滞。まぁ、いつものことだが今日は一段とひどいみたいだ。周囲の紅葉がいい色づきになって来つつあるので、豊平峡にでも行こうかと思ったが、あまりの車の多さにあきらめ、穴場スポット的な定山渓ダム下流園地に向かう。いつもは閑散としてるのにここも車が多い。天気は悪いが色づき始めた紅葉はきれい。

ファイル 24-1.jpg

ふとダムのほうを見ると、ダム内見学通廊なる看板があり下側に四角い入口がポッカリと空いている。これは入れるのかなと思ったら入れた...んだが、すぐに行き止まり。ゲームに出てきそうな雰囲気のある階段を写真におさめる。ちなみにこのダムに外階段はない。

ファイル 24-2.jpg

通廊内の展示を横目で眺めつつ外へ。以前からこのダムの上を通っている道道小樽定山渓線の風景を撮りたいと思っていたので、上に通じる道がないかと小天狗岳登山口に行ってみる。中々整備された良さそうな登山道だが今日は登らない。

ファイル 24-3.jpg

だが登山口の右側に登ってくださいと言わんばかりの階段道を発見。降りて来た人に聞いたら上まで行けるらしい。じゃ、行こうと登り始める。山にいかなくても毎週何かしら登ってるなと思いつつ延々続く階段道を行く。景色も非常に良い。ダム上の小樽定山渓線と同じ高さまで来たが階段はまだ登っている。どこまで行くのかと思ったら神威トンネルの上を通って反対側の歩道に出るようだ。車でここまで来たら10分はかかるのに5分も経っていない。ということで、念願の風景をゲット。

ファイル 24-4.jpg

ダム上の景色は奇麗だが駐停車禁止なので車が止められない。歩道が続いていたとは思わなかったのでラッキーだった。せっかく来れたのでダムの上を散策。歩道はさっぽろ湖側についているが、今日は雲天でどす黒い景色。中央部分に下流を眺められる展望台があったので行ってみる。道路を横断しなければいけないので要注意で渡る。おおぅ、中々の眺め。あこもミニカーになって見える。

ファイル 24-5.jpg

その後、時雨トンネルまで行ってからUターン。帰り道で雨が降り始める。どうせこの後に温泉に入るんだし、ちょっとぐらい濡れいもいいやと、のんびり行く。帰り道に資料館があったので寄ってみる。入場無料でダム建設の歴史やダムの役割、水力発電の説明なんかが展示されている。奥の体感コーナーでは手巻きの発電機で電気を作る体験コーナーがあって、子供達が必死にグルグル回していた。資料館で傘を借りて駐車場に戻る。途中でザーザー振りになる。傘を借りて良かった。駐車場に着くと、あこに積んであった傘を取り出し、借りたほうの傘はトイレに返却。時間を見たら1時間半ぐらい経っていた。中々遊べるじゃん定山渓ダムと思いつつ、あこを温泉に走らせた。


今回のあこの燃費:10.7km/L (遠乗りでは、今までで一番悪いかも)

チセヌプリ ~紅葉のニセコパノラマライン~

8時過ぎにモソモソと起き出し、テレビを見ながらのんびりブランチ。天気もいいのでニセコでも行こうと無計画に出発。倶知安からニセコアンヌプリ方面に折れると一車線しかない道に至る所に駐車の列。対向車も多い。時折車幅感覚のないドライバーが端に避けずに突っ込んでくるので、こちらが避けることになるが、その都度あこの左タイヤからズズズっと路肩に落ちかけるイヤな音が。

当初登ろうと思っていたイワオヌプリも五色温泉駐車場が大混乱になっていたためスルーしチセヌプリに変更する。観光名所は今日は駐車できないと思ったほうが良さそうだ。観光とは無縁なパノラマライン峠に車を止めチセヌプリ経由で長沼・神仙沼と一周するルートにする。そのパノラマライン峠も殆ど満車。邪魔にならない場所にあこを停める。

ガスに包まれていい天気とは言えないが、せっかく来たので登ることにする。運が良ければ晴れることもあるだろう。このルートは巨岩帯の連続だ。景色は良いが段差が激しい。

ファイル 23-1.jpg

4年前に逆回りでアタックした時は、この巨岩帯で関節をやられて脚を引きずって降りたイヤな思い出がある。今回は順調そのもので約30分で山頂に到着。山頂はガスに包まれているが人が多い。最近ハヤりなのか山ガール4人パーティもいた。しばらくここで晴れるのを待つ。スカっとした晴れ間はなかったが、それでもニトヌプリが顔を出す。

ファイル 23-2.jpg

このまま晴れなければ引き返そうと思ったが、ガスが晴れてきたので予定通り一周ルートへ。ぬかるむ道を降りて行くと下側に一面の緑の中に、湯元温泉郷に繋がるルートがクッキリと見える。チセヌプリ分岐に着くとぬかるみがひどくなってくる。レインスパッツを持ってこなかったので足下が気持ち悪い。鈴も忘れたので高校野球のラジオを鳴らしているとすれ違う人に「高校野球聞いてるの?」と聞かれる。「いや、ただ鳴らしてるだけ」と言うと「だったら止めたほうがいい」と、遠まわしにうるさいから電源切れと言われる。北海道の山だと熊鈴代わりに結構ポピュラーな手法なんだけど、本州から来た人だったんだろうか? そのパーティは全員熊鈴なしだったからそうかもしれない。写真は文句を言われつつ撮った長沼の景色。もうかなり曇ってきた。

ファイル 23-3.jpg

神仙沼に着くころにはすごい人になっている。天候は更に悪い。一応写真を撮っておく。

ファイル 23-4.jpg

滑る木道に気をつけながら大谷地に着くと、パノラマライン峠までは舗装路のウォーキングだ。これが一番応える。パノラマライン峠で新見峠から縦走中の家族の帰りを待つおばちゃんとしばし談笑しながら一緒に待つ。息子が降りてきたのを確認し、湯元温泉雪秩父で汗をながすことにする。横の大湯沼の紅葉が今日見たなかで一番きれいだった。

ファイル 23-5.jpg

[パノラマライン峠(12:30)→チセヌプリ(13:05←休憩→13:20)→チセヌプリ分岐(13:50)→ビーナスの丘(13:55)→長沼(14:20)→神仙沼(14:35)→大谷地(14:55)→パノラマライン峠(15:25)]

今回のあこの燃費:12.0km/L (山道多かったからな)

秋の上ホロ~富良野岳縦走 ~ナキウサギしゃんもいるよ~

一応暑寒別の予定をたててみたが、前日に晴だった天気予報が予想通り雲マークに統一されている。他も似たようなものだが十勝岳ライブカメラを見ると無風の晴天。予報よりも見た目というとで今週は上ホロ・富良野縦走ルートに決定。

5時50分に札幌を出発。道路が空いてたのとワインディングを流れるように疾走したあこのおかげで8時には凌雲閣に到着。多分今までで最短記録だ。駐車場はそこそこ埋まっている。今日は人が多そうだ。あこの斜め向かいには白黒2匹の犬を連れた夫婦が準備をしている。「この子達も一緒に登るの?」と聞いたら連れていくそうだ。私が登山口に向かおうとすると白いほうが一緒について来る。早く行きたくてしょうがないらしい。

登山道は安政火口への広いハイキングコースからスタートし、火口手前で水のないヌッカクシ富良野川源流を渡りUターンするように対岸の斜面をトラバースしながら登っていく。安政火口は無風で真直ぐに蒸気が上がっていく。トラバース路を登りきると斜面の反対側に回り込むように左に道が折れていく。火口の景色はここで一旦見えなくなるが代わりに雲ひとつない快晴の富良野岳が見え始める。巨岩帯が出てくると上ホロ分岐はすぐだ。いつもはここで大半が富良野岳に向かい上ホロ方面は閑散としているが、今日は上ホロコースも人の話声が後ろを付いてくる。上ホロコースは十勝岳連峰で最も尾根が近い登山コースで、辛い300階段さえ越えれば視界の効くD尾根はすぐだ。D尾根のすぐ横は先程見た安政の爆裂火口で、十勝岳・上ホロと火口周囲の景色が良い。

ファイル 22-1.jpg

ここまで来ると一つ目のピーク上富良野岳は近い。しかしここで、下界から雲が近づいてくるのを見つける。ガスの中に入らなければいいなと思いつつ山頂へ。山頂は快晴だが周囲は雲海に包まれた。ざっと標高にして1800mより下は真っ白な雲の下だ。早々に上富良野岳から標高の高い上ホロカメットク山に向かう。到着すると東大雪の雲海が見事だ。左から石狩岳・音更岳、ニペソツ山、ウペペサンケだろうか? まだ登ったことがない山々だ。来年は是非行ってみたいと思う。

ファイル 22-2.jpg

今日の上ホロ山頂は驚くほど賑やかで10人ぐらいはいただろうか。十勝岳や雲海や爆裂火口など思い思いの景色を楽しんでいる。10時過ぎだが既に食事をしている人もいた。景色を堪能したあと三峰山に出発。ここでガーガーという鳴き声とともにホシガラスがやってくる。ハシブトと比べると一回り以上も小振りで白い斑点が美しい。何枚かトライするがすぐに飛んでいく。残念ながらいい写真は撮れなかった。上富良野岳に戻るとなだらかな稜線を進んでいく。花もなく上空も薄曇りになり雲のサンドイッチ状態。特筆するほどのことは何もないが稜線歩きはそれでも楽しい。

ファイル 22-3.jpg

三峰山は縦走ルートの僅かなスペースだが幸い誰もおらず1平米ぐらいの平らな巨岩の上にお店を広げる。東側は相変わらずの雲海だが登ってきた西側は晴れてきて下界を眺めながらの静かな昼食。時折、眼下に広がる巨岩帯と隣の1860mピークとの間でナキウサギの応援合戦が繰り広げられる。以外と声が近いで昼食後はナキウサギ観察に時間を費やす。断崖の巨岩帯を縁まで降りると観察に丁度良い岩を発見し座って御登場を願う。10分ほどで主役登場。肉眼では小指の先ほどにしか見えないが最大望遠で捉えると丸くなった可愛い姿をゲット。ふと時計を見ると三峰山で1時間も過ごしていた。縦走の通過点に過ぎない吹きさらしの山頂に1時間もいる人は稀だろうと思う。管理人自身初めての経験だ。今日は風がなくて本当に良かった。

富良野岳に向かうには少々時間が押して来たので荷物をまとめて出発。先程ナキウサギが鳴いていた対岸の1860mピークに差しかかったときに目があった。すぐ傍にいる。ピークからは鈴の音をチリーンと大きく響かせて降りてくる人が二名。写真を何枚か撮りつつ左手の人差し指は唇に、右手の人差し指はナキウサギを差し「そこにナキウサギがいるから静かにしさらせ!」的オーラを全開で発する。すぐに気付いてくれたようで、しばらく3人で観察モードに入る。いい写真は撮れなかったが、今年初めての出会いを満喫した。

ファイル 22-4.jpg

無風の今日は広い1860mピークで多くの人が昼食をしている。駐車場で出会った白黒2匹もここにいた。彼らは管理人と逆ルートで来たようだ。すっかり慣れた様子で長い散歩の休憩よろしく寝そべっている。白いほうは良く一緒に山に登っていると飼い主の男性が言っていた。1860mピークを過ぎても多くの人とすれ違う。今日の富良野岳は人が多かったんだろうなと、小さな山頂に押し寄せる人を想像しつつ先を急ぐ。富良野岳分岐に着くと時間は13時前。ここは標高1735mと稜線の中では最も低く、ほんの10mぐらい下のコルでは東側の雲海から溢れた雲が西側に流れ込んでいる。ここで昼食をしていた家族の内、女の子二人が雲に入りたいといってコルに降りていった。ただ本人にはよくわからないらしく「もう、雲に入った?」を連発していた。そんな微笑ましい光景を後にして今日のラストピークに挑む。

階段道の後はザレ場の連続で少々キツいが歩みを進める。山頂に着くとキタキツネがお出迎え。13時過ぎだというのに人は誰もいない。キツネも冬支度らしく山頂でしきりに何かを探して食べている。多分、登頂者がこぼした食料やゴミを漁っているんだと思う。人間はそれほど怖い存在ではないらしく数mぐらいの距離を保っていれば我関せずという感じだ。もちろん野生なのでこちらの動きは常に警戒している。今日はやけに動物と縁があるなと思いつつ、こちらもキツネを警戒しつつお茶にする。雲海の景色は奇麗だが、お互いあまり落ちつかない。

ファイル 22-5.jpg

結局、キツネが先に根負けして去っていったが管理人も時間となり降りることに。下りは人っ子ひとりいない中、富良野岳名物のトラバースを少しずつ標高を下げていく。富良野岳ルートは全ルートが延々トラバースの連続と言っても過言ではない。しかも樹木や岩で塞がれた歩きにくい道だ。花の季節はともかく、ほんとこのルートを往復して何が楽しいのだろうと、大衆の非難を浴びるようなことを思いつつ歩く。見通しは効くが逆に1kmぐらい先まで誰もいないことがわかると気が引き締まる。三峰山沢手前で前を行く人を発見。ざっと500mの差。上ホロ分岐を過ぎて凌雲閣が見えた頃にようやく追い付く。結局、下山して見ると15時過ぎ。もう少しゆっくりしていても良かったかもしれない。あこに腰かけて三峰山で作った残りのお茶を飲んで、凌雲閣で温泉と思って向かう矢先に白黒2頭が降りてきた。富良野岳縦走組は管理人が最終だったが、上富良野岳縦走組みはもっとのんびりだったらしい。


[十勝岳温泉凌雲閣(8:10)→上ホロ分岐(8:55)→D尾根(9:30)→上富良野岳(9:55)→上ホロカメットク山(10:10)→上富良野岳(10:30)→三峰山(11:00←昼食・ナキウサギ観察→12:00)→富良野岳分岐(12:50)→富良野岳(13:10←ティーブレイク→13:30)→富良野岳分岐(13:50)→上ホロ分岐(14:30)→十勝岳温泉凌雲閣(15:10)]

今回のあこの燃費:12.1km/L (あこの燃費が悪いのは管理人が山道で回しすぎるからだと思われ...だって楽しいんだもん(^^))

北海道鉄道130周年 ~「鉄道のある風景」写真パネル展 in 琴似~

ファイル 9-1.jpg

仕事帰りに管理人の最寄り駅のJR琴似駅横のタワープラザ内で展示されている写真パネル展を見てきました。戦前からの琴似駅の歴史を写真で紹介するという趣旨のようですが、説明文が不足していて今ひとつ何を撮った写真なのかがわからないという少し残念な状態でしたが写真自体は非常に興味深いものでした。

写真展は北海道鉄道130周年記念イベントの一貫として、札幌、琴似、手稲、銭函、小樽築港、南小樽、小樽と開業当時の主要駅で2010年11月28日まで開催されているようです。

ブログ立ち上げました

こんばんは。スズ(管理人)です。

管理人の至らなさもあり外部からの書き込みもなく殆どブログ的な要素しかなかった旧掲示板でしたが、こんなことならいっそのことブログにしてしまえということで、ブログ化することにしました。

実際にブログのほうが管理人の編集の負荷が減り楽だというのもあり、見てもらえる機会が増えるのではないかという思いもあります。しばしの期間を設け、掲示版からブログのほうに以降していきたいと思います。

また、荒らしの被害が大きいゲストブックのほうも近日中に見直したいと思っています。

よろしくお願い致します。

十勝岳-美瑛岳 ~今年最後の縦走ルート~

今週こそ暑寒別岳と思いつつ昨日の留萌地方の雨(おそらく山頂は雪)のため計画を変更し、行き慣れた十勝岳連峰に行ってきました。今回のターゲットは美瑛岳です。積雪があれば直登、なければ十勝岳から縦走ルートでアプローチしようと考えて早めに札幌を5時30分に出発しました。三笠インターから桂沢湖を通って上富良野の一般道主体のルートは慣れた道ですが、思えばあこと旅するのは初めてです。あこが来てからもう3ヶ月も経つというのにワインディングはすれ違いまくり。CBとはあんなに息が合っていたのに、あことはまるで喧嘩しているよう。結局お互いに相容れないまま望岳台に到着。御機嫌取りであこを十勝岳が良く見える場所に停め準備をする。

山頂はウソのように雪がなく、62-2火口の噴煙も真直ぐに立ち上り無風と言っても過言でない絶好のコンディション。即ち、縦走ルートで決定ということで入山届にその旨記載し8時ちょうどに出発。気温は15℃ぐらいだが風がないので暑い。周囲は広大なザレ場が広がりポツポツと草木の紅葉が見える。大正泥流の真っ只中を登っていくので殺風景と言えばそうだが、これが十勝岳の魅力の一つだ。美瑛岳分岐までは整備された広いハイキングコースが続く。美瑛岳分岐を越えればすぐに十勝岳避難小屋だ。2008年秋に美瑛町により再建された。当時、同じ季節に登ったときに基礎の穴を掘っている状態で、雪が積もるまでに何とかと話してた作業員を覚えている。Wikipediaの該当項目を編集したのも管理人だ。出来た小屋はコンクリート張りの床だが小上がりもあって居心地のいい空間に仕上がっている。

十勝岳避難小屋からはガレ場の登りが続く。ガレからザレに変わり小刻みなジグを抜けると一つ目のピーク1700mだ。ここから先は風景が一変して砂漠のようになる。すぐ左にスリバチ火口、右に広大なグランド火口に噴煙を上げる62-2火口。登山道は火口に沿って延びている。ここの標識が昨年の強風で折れてダメージを受けていたのでケルンを積みなおして補修したが健在のようで安心する。しばらくは平坦な砂漠を越えるといよいよ十勝岳本峰の溶岩ドームだ。ここで軽装の四人組(多分トレーニング中の地元の学生)にあっさり抜かれる。管理人もそんなに遅いほうでもないが悔しいがスピードが違いすぎる。山頂に着くと彼らはすぐに下山。コンディションがいいとは言え多少の風もあり気温は一桁、寒かったんだろう。

山頂には新しく山頂標識が出来ていた。日本百名山なのに標識が朽ちて存在しないというストイックな感じが十勝岳らしかったが、新しい標識は安定感ある太い丸太の土台に大きく十勝岳2077mと存在感十分な毛筆書体で書かれ、下側に十勝岳連峰の主峰たるモチーフも描かれた百名山に相応しい壮大なものに仕上がっていた。あまりの見事さに良く晴れたトムラウシを背景に記念撮影。

ファイル 3-1.jpg

縦走ルートは、巨岩が積み上がった山頂を下りると砂漠の稜線歩きへと変化する。ここは管理人が山に登るようになって初めて歩いた稜線で、稜線歩きの魅力に取り憑かれたのもここだ。それまでRPGの中でしか見たことない世界がここではリアルな存在としてある。ここが標高2000mの稜線だと言われてもにわかに信じられないだろうが、振り返れば十勝岳の山頂が砂漠のピラミッドのように存在する。

ファイル 3-2.jpg

砂漠の鋸岳を巻くように標高を下げるとフワフワした砂地から大地が安定してくる。モコモコと生える草の紅葉地帯に入るともう美瑛岳の領域という感じがする。右手には新得からトムラウシ温泉に至る広大な森林地域が紅葉している。ものすごくきれいだ。オプタテシケ山、トムラウシ山へと至る稜線の手前にチングルマの紅葉が映え、下側に広がるダケカンバの黄葉という構図のつもりだが、何か写真では今ひとつ違う。リアルの感動を写真にするにはまだ未熟であることを痛感しつつ、いつか必ずこの感動をフレームインしてやろうと心に誓う。

ファイル 3-3.jpg

美瑛富士が眼下に見えると美瑛岳はすぐそこだ。だが、ここが美瑛富士とオプタテシケ山のベストアングルだけに脚は進まない。少し進むと美瑛岳の山頂に三人の人影。このアングルから晴天の美瑛岳というのは初めての経験で写真を撮る。

ファイル 3-4.jpg

美瑛山頂では十勝岳で出会った夫婦が管理人の到着を待ち侘びていたかのように声を掛けてくる。「(管理人が若く見えるので)いつ抜かれるかと思って待ってたんだよ」と、対して管理人は「ムリムリ、この稜線を楽しみに来たんだから」と。昨年心許なかった美瑛岳の山頂標識は案の定どこかに消えてなくなり、その旨を伝えた上で軽く「その辺りに転がってるんじゃないかな!」と言うと爆笑が帰ってくる。みんないい人達でのどかな山頂だ。

ボーっと景色を見つつ昼食をし、始めて山頂に来たというカメラ片手の若い人と話をしつつ時間が過ぎる。12時40分頃に先程の夫婦が下りると言ったのを皮切りに7、8人いた山頂は一気に静かに。ここは下りにも3時間はかかるので13時過ぎには人がいなくなるのが定番だ。管理人は経験的に13時30に下りれば16時には下山できるのがわかっていたので、その時間までのんびりする。なぜなら、天気は快晴でほとんど無風だからだ。この季節でこんな条件はビッグラッキー以外の何者でもない。

13時過ぎにはいよいよ山頂には管理人一人だけになるが、この段階で登ってくる御仁が。私はてっきり50台後半ぐらいの人かと思っていたが、後で入山届を見て知って驚くことに...74歳のじいちゃんだ。8時30分に望岳台を出て4時間半で美瑛岳まで来たらしい。「いや、それって結構速いですよ」などと話してたら、下山予定時間の13時30分に。「一緒に下りますか?」と声を掛けたが「とてもペースがあわないし、もう少しゆっくりしていきたい」ということで、先に下りることに。下山中に例によって周囲に誰もいないのに、すぐ近くに鈴の音と人の話声を聞く(明らかに人外のものだが不思議と怖くはない)。山ってやっぱり不思議なことが起こるなぁと思いつつポンピ沢を見下ろす1640m地点で休憩がてらお茶にする。じいちゃんはまだ降りてこない。まぁ、4時間半で山頂まで登れる人なら大丈夫だろうと思ってそのまま下山。ポンピ沢を抜けるとエゾオヤマリンドウがかろうじて生き残っており、エゾノツガザクラも一輪だけ発見。花も頑張るなぁと思いつつ、下山すると硫黄沢川源流の徒渉?点近くで撮った写真が本行程で撮った写真の中で一番紅葉のきれいな写真に...こんな低いところに奇麗な景色はあるのねと思いつつ......

ファイル 3-5.jpg

予定通り16時過ぎに望岳台に下山しあこと一緒にまどろんでいたが、じいちゃんが下山してこない。途中、ポンピ沢手前までは30分ぐらいの差しかなかったのを確認しつつ下山していたが、望岳台近くのハイキングコースに入ると大丈夫だろうと思って後ろは見ていなかった。美瑛岳山頂で出会って美瑛富士経由で下山した人もじいちゃんの存在を確認していて、帰りを一緒に待つが一向に降りてこない。結局、下山から1時間程、日没から30分が経過して暗くなり始めた頃にじいちゃんが降りてくるのを確認。最後に声を掛けて「お疲れさま、心配しました。」を伝えて、晴れてあこと共に十勝岳温泉に。私のお気に入り凌雲閣に向かう。凌雲閣についたら辺りは真っ暗。こんな時間にここに来るのは初めてで何だか泊り客の如くまったりしてしまう。ふいに入った職場からの電話に話をしてからゆっくりと温泉に浸かる。薄暗い中上ホロと富良野岳の稜線が奇麗に見える。

女将さんに帰りはスピード出し過ぎないように安全運転で帰りなよと言われていたにもかかわらず、帰り道は驚くほどあこと息が合う。意のままに動いてくれるあこはCBなんか目じゃないほどにスマートで美しく速い。道路も驚くほど空いていて何だか夜道のワインディングをそれこそワルツのように華麗に駆け抜けて、あっと言う間に三笠インターについた。行きではあれほど喧嘩したあこと心が通じたような気がしてとても嬉しい瞬間だった。


[望岳台(8:00)→十勝岳避難小屋(8:50)→1700mピーク(9:45)→十勝岳(10:25)→美瑛岳(12:40←昼食→13:30)→ポンピ沢(14:20)→望岳台(16:10)]

今回のあこの燃費 12.3km/L (喧嘩しても12km/L行くのね。あこの魅力再発見的な...)
夜道のワインディングで道を譲ってくれた皆様、感謝しています。