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上富良野通信 ~初夏の三峰山~

ここのところ風邪か何かよくわからない症状が続いているが、単なる鼻炎かもと勝手に解釈して、天気も良いので上富良野岳に登りに行きます。朝6時に札幌を出発して凌雲閣前に8時20分着。駐車場では往年のゴン太のようにシナモンとミルク(全部犬の名前)が営業活動をしています。去年、凌雲閣に来たばかりの頃は、吠えてばっかりだったのに随分と雰囲気変わったなと思いつつ、凌雲閣の中にある入山届に記入して出発です。天候は極めて良好。

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登山道の状態はもう殆ど例年の山開き時期と変わらず、雪は多少あるもののアイゼンは単なるお荷物状態。終始、拍子抜けでした。上ホロ分岐の手前あたりからは例年通り大きな雪渓が残っています。このあたり夏は面倒な巨岩帯ですが、それらはすべて数メートル下に埋まっているのでこの時期は楽々です。300階段手前で十勝岳ピストンするというおっちゃんに追い付き、その後、300階段で私のペースが落ちたり花の写真を撮ったりして、結局、上富良野岳まで一緒に登るようなかたちになりました。途中でショウジョウバカマとキバナシャクナゲ、ミネズオウに出会いました。キバナシャクナゲは少し気の早いのが咲いているぐらいで殆どはツボミでしたが。

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上富良野岳でおっちゃんと別れて三峰山を目指します。まぁ、何度歩いたか覚えていないぐらい慣れた道ですが、雪もなく夏の稜線を歩いているような気になります。三峰山手前の小さな雪渓を越えればもう山頂です。例によって山頂標識脇の巨岩にお店を開いて昼食にします。晩夏ほどではないですがナキウサギの声も聞こえます。まぁ、この季節は殆ど顔出してくれませんね。しばらく観察していたらエゾシマリスが横切っていきました。ナキウサギは相変わらず出てきませんが今度はカッコウが来ました。鳴き声は聞いたことありますが生で本物を見たのは初めてかもです。急いで写真撮りましたが、ちょっとピンボケです(TT)。

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三峰山の岩場は中々出てきてくれないので、その後、対岸の1860mピークに移動して、ようやく動いている姿を発見ですがフレームインならず。以降は全然出てきてくれません。しばらく粘っていると賑やかな8人パーティが登って来ます。その場は特に話もせずにすれ違いましたが、何だかタライのようなでかい鍋を背負ってたりして、これはきっと北大のワンゲルに違いないと思いつつ、ナキウサギ観察を諦めた後、三峰山山頂で昼食をしている彼らと、彼らが落としたと思われる短い紐を届けがてらに話をしてみました。大して使い道のなさそうな短い紐が一体何に使うための物なのか非常に興味がありましたが、これがなんとパーティの女の子自作のてるてる坊主の首紐だったんです。もうビックリです(^^;。彼らはオプタテシケ山を越えてトムラウシ温泉まで縦走するということで、去年の私の苦労話(http://www.saboten.sakura.ne.jp/~suzu/cgi-bin/diarypro/archives/76.html)などをしつつ、しばし談笑。今年は雪も少ないし、今週の天気予報はずっと晴れマークということで彼女のてるてる坊主はきっと願いをかなえてくれるはず(^^)。

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その後は冬の強風で折れたと思われるロープのポールを直したりして、来た道を戻ります。行きにはつぼみだったキバナシャクナゲも陽気に誘われて少し咲きつつあるようです。なんだかすっかり夏山っぽいなと思いつつ、まだ、長距離歩行に慣れていない足を庇いつつ下山しました。

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十勝岳温泉凌雲閣(8:20)→安政火口分岐(8:45)→上ホロ分岐(9:05)→上富良野岳(10:05)→三峰山(10:35←昼食・ナキウサギタイム→11:30)→1860mピーク(11:40←ナキウサギタイム→12:30)→三峰山(12:40←談笑→12:50)→上富良野岳(13:20)→上ホロ分岐(13:55)→安政火口分岐(14:10)→十勝岳温泉凌雲閣(14:30)

今回のあこの燃費:14.5km/L (遠乗りすると桁が変わる(^^;)

紋別岳 ~春の出会いを求めて~

ゴールデンウィーク3日目。天気も良いので、お手軽に行ける山ということで紋別岳に行ってきました。連休の晴天日ということもあり、支笏湖に行く道も交通量が多かったです。9時30分ぐらいに家を出て登山口の駐車場に着いたら、もう11時をまわっていました。駐車場は満車状態で路上にあふれている始末。結構な人が登ってるんだなぁと思いつつ、こちらも荷物をまとめて出発です。

十勝岳の疲れもまだ癒えず(少々風邪気味)、攣った足もまだなんか微妙に痛い中、のんびりダラダラ登山の予定でしたが、暑いぐらいの陽気のせいで汗ダラダラ登山になってきます。足取りも重く去年の秋にtarumae-yamaさんと歩いたルートを進んでいきます(http://www.saboten.sakura.ne.jp/~suzu/cgi-bin/diarypro/archives/97.html)。2000m標識を越えたあたりから雪が舗装路を覆いはじめて前にも増して足取りが重くなります。

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ルートの大半が林の中ということもあり風景よりも動物達との出会いを期待して、30-110mmレンズを装着して登りますが、そんな機会はないようです。擦れ違うパーティはみんなにこやかで心底楽しんでるなぁって感じです。管理人はというと頭がボーッとしてきて別の意味で気持ち良くなってきました(^^;。擦れ違う人もいなくなった頃、恵庭岳の眺望が拡がります。木が点々とした笹原の先に恵庭岳、こうゆう風景大好きです。

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ここから先は道路は完全に埋まっていて雪の上を歩いていきます。さらにペースダウンです。山頂に着いたらもう13時近く。とりあえずお湯を沸かして、おにぎりとカルパスをつまみに、道中ゲットしたプレミアムな100%麦汁を頂き、〆にはラーメンと洒落込みます。もちろんアルコールフリーですが今日は脳内アルコールで酔いそうです。紋別岳と言えば電波塔、青空にドーンとそびえ立つ姿はまさに男のロマンです。

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帰りも30-110mmレンズを付けて降ります。疲労困憊の身体に山頂近くのグルグル巻きルートは面倒なのでショートカットして降りて行きます。たいして期待させるようなこともなく、早々に出ていた月の写真などを撮りつつ降りていきます。しかしながら、その直後、小さく動く物体を発見。待望のシマリスくんです。

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早速撮って見る。おおっ、AFのレスポンスといい撮影スピードといい、これぞNikon V1の真骨頂。面白いようにいい絵が撮れていきます。やっぱマウントアダプターじゃなくて専用レンズにして良かったぁ。シマリスくんしっぽ長~い。身体の半分ぐらいしっぽ? 目の前の若葉に手を延ばし、もいで食べちゃいました。

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そんなわけで疲労は著しかったものの良い休日となりました。だいぶ汗かいて悪いものも一緒に出たのか、帰宅してからは随分と具合良くなりました。足はまだ怠いですけどね。


駐車場(11:20)→紋別岳(12:55←昼食→13:25)→駐車場(14:25)

十勝岳は三度美味しい ~三.十勝岳山頂の眺望~

症状は良くなったものの、油断するとすぐに足が攣りそうな状況の中、慎重に残り距離を縮めていき無事に山頂着。いやぁ、体調はともかく今日の景色は最高だ。昨年ポッキリ逝った山頂標識の代わりに、案内標識に十勝岳のプレートが貼ってあった。その向こうには富良野岳がクッキリ。上ホロ小屋周辺もだいぶ雪融けが進んでいる。

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下ホロカメットク山の向こうには日高の山々も見えている。望遠でも撮影してみる。

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鋸岳に続く稜線上はこの時期ぐらいしかお目に掛かれない雪の縞模様。雪の量も絶妙だ。向こうにはニペソツ山を中心に東大雪の山々。

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昼食後は上ホロ小屋近くまで行ってきたという旭川のKさんと談笑。ポカポカと暖かい山頂で話もはずむ。Kさんが降りるというので下山するKさんを見送ってふと時計を見たらもう14時過ぎ。もう1時間半近くも山頂いるのかと私も荷物をまとめて下山。午後に入って気温が上がり雪の状態は更に悪化。いつ埋まるか気が気でなく1720mより下は輪カンを付けた。快適に下山と思いきや途中で当りクジを引いて腰まで埋まった。丁度、巨岩の周囲の雪が溶けていてそこを踏み抜いてしまった格好だ。輪カンで埋まったら下手すると抜けなくなるので冷や汗が出たが、無事に抜けてくれたので良かった。

そんなわけで多少のハプリングがありつつも、ポカポカの春山を満喫できた一日でした。


望岳台(9:25)→美瑛岳分岐(10:10)→十勝岳避難小屋(10:20)→1720mピーク(11:20)→十勝岳(12:30←昼食・休憩→14:10)→1720mピーク(14:55)→十勝岳避難小屋(15:20)→吹上温泉分岐(15:35←teatime→15:40)→望岳台(16:05)

今回のあこの燃費:13.6km/L

十勝岳は三度美味しい ~ニ.1720mピークから十勝岳山頂~

標高1720mからは景色が一変。砂漠のようななだらかで広大な空間が拡がり、正面にはこれまで見えなかった十勝岳山頂、左手には美瑛岳や鋸岳なども一望できる。ここで先発隊夫婦から山頂の雪の情報を聞くことに。山頂付近の雪は結構沈むらしく腰まで埋まったとか話を聞いた。雪が軟らかいので直登はやめたほうが良いとのことで、崖近くの岩場を足がかりにして行くことにする。

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お礼を言って進んで行くと左手にはスリバチ火口がポッカリ見えてくる。この時期は積雪に筋がついて本当にスリバチみたい。火山特有の硫黄の匂いが緩やかな風に乗ってやってくる。

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で、問題の山頂に続く溶岩ドームの急斜面に取りつく。岩場なので輪カンはやめてアイゼンだけ付けて登る。とにかく足が沈む。足が埋まるので安定感は抜群だが(^^;、先人の足跡を外すと雪が崩れてもう全然登れない。時折、振り返って写真を撮っていく。ここは標高を一気にあげるので、振り返る度に高度を増しているのが実感でき「えっ、もうこんなに登ったんだ」っいう印象。毎年ガチガチの氷斜面になる恐怖の肩斜面も今日はキックステップでちゃんと足が入っていく。

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で、肩に到着。ここまで来れば山頂は間近...といつも思うんだけど、ここからが一番精神的に長い。標高も高くて空気が薄い。息もあがりっぱしで10m進んで小休止が続く。

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山頂直下ではまた雪が深くなって来る。何クソと雪斜面に足を掛けたときにハプニング発生。体重を支えていた両足共に雪が崩れて体勢を立て直そうともがいた時に足が攣った。「うぉぉ、痛い痛い!またかよ」。3年前に丁度この場所で足攣って山頂を諦めた苦い思い出がよみがえってくる。すぐに筋を延ばして対処して危機を脱した。

十勝岳は三度美味しい ~一.望岳台から1720mピーク~

ゴールデンウィーク恒例の十勝岳登山。Wethernewsの週間予報ではGW前半が好天とのこと。高層予想天気図(http://www.hbc.co.jp/pro-weather/)ではGW前半は29、30日は強風予報ということで、チャンスは今日しかなく少々体調悪いのを押して登って行ってきました。朝7時前に札幌出発。うーむ眠い。久々の長距離走行であこは御機嫌ですが、あこのナビはセンターポケット取付では電波が弱いらしく起動時の衛星補足に10分以上掛かる始末(http://www.saboten.sakura.ne.jp/~suzu/cgi-bin/diarypro/archives/116.html)。こんどGPSアンテナ付けてやるかと思う。

上富良野に入るとドーンと十勝岳連峰が目に入る。やっぱものすごく高い。冬の間、札幌近郊の山々しか目にしていないと、この毎年のファーストインプレッションがたまらない。登れるだろうかとゾクゾクしてくる。望岳台着は9時20分。上富良野から日新・白金温泉経由にしては結構早く着いた(注:吹上温泉~望岳台間はゲートが閉まっていますよ)。

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望岳台周辺はライブカメラ(http://www.seisvol.kishou.go.jp/vo/32.php)の状況から予測していたよりも大幅に雪が少ない。もうはっきり言って夏山状態。手元の温度計は気温16℃、そして無風。大正火口と62-2火口からの噴煙もほぼ真っ直ぐに上がっている。

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そんなわけで歩き始めると暑くてしょうがない。スキー履いて登ってる人も何組か見掛けたが気の毒になるぐらい。登山道の状況も5月下旬並み。十勝岳の望岳台ルートは登る過程で視野が劇的に3回変わるので管理人のお気に入りコース。標高1720mピークまでは美瑛・富良野の鳥瞰と緩やかなに続く稜線が美しい。

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標高1720mが近づくと、それまでは高い位置から見えていた大正火口の噴煙と緩やかなピークも間近になって何とも言えない美しさ。

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