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石狩岳・音更山 ~晩夏のシュナイダーコース~

もう6年ぐらい前だろうか...まだそれほど山に頻繁に登っていなかった管理人がたまたま登った低山で石狩岳の話を聞いて、「いつかは登ってみたいと」思っていたが、ようやくそれが今日実現する。ルートはシュナイダーコース。とにかく辛いと言う人もいて賛否両論のコースだが、地図を見ているかぎりは私にとって「むしろ好きな部類のコースでは?」と思っていた。

tarumae-yamaさんから事前に聞いていたので林道の分岐も難なく通過。朝4時に札幌を出発して7時20分に登山口着。もう少し早く着ける予定だったけど、紋別自動車道が通行止めで愛別インターで下ろされてしまったので仕方がない。早速、出発しようと思ったが登山ポストがない。「まぁ、いいや」と思って無記入で入山したが、帰りに気がついたが、実は国道の林道入口にポストがあった。

登山口からはいきなり熊笹の林間コースが始まった。「いきなりかよっ」と思ったが、熊笹が覆い被さってる場所もあるが、それほどひどいと感じるほどでもなく順調に進んでいく。30分ほどで音更川源流の渡渉点に到着。倒木の白樺を頼りに渡るが足下の岩は滑って全然使い物にならない。結局、何本かある倒木の高い方を手で支えて、水面に近いところの倒木に足を掛けて渡った。tarumae-yamaさんが迷ったのもこの辺りで、「迷ったら沢筋に」と私のポリシーと逆のことを言っていたのを思い出し、その通りに進んだら迷い道に足を踏み入れた(^^;。私の聞き違いだったのかもしれないが、やはり沢筋は間違いなくNGだ。

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渡渉を終えると程なく登りに取り掛かる。シュナイダー尾根の突端だ。林間コースで風もなく暑い。途中で先発した帯広の女性二人パーティに追い付いた。このコースは何回も登っているとのことで、話を色々と話を聞いてみると、このコース、残念なことに尾根に出るまではずっと眺望なしだそうだ。話ついでの小休止の予定だったが、あんぱんやトマトなど色々とご馳走になってしまった。その後、彼女達に先行してスタートする。コースは段差の木の根を登ったり、巨岩をよじ登ったり、中々に大変だが、辛いことは全然なくてむしろ楽しい。時折、ニペソツ山や、ユニ石狩方面の稜線が顔を出す。

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途中の巨岩を勢いつけてよじ登ったら、登ったすぐ向こう側が崖でバランスを崩してヒヤっとした。シュナイダー尾根は熊笹や低木で覆われて良くわからないが、実際かなりの痩せ尾根らしい。1600mを越えるとそこそこ視界も開けてきて稜線が見え始める。まだ結構あるなぁと思っていたら、急に視界が拡がって、シュナイダーコース分岐の稜線に出た。「あれ、もう終わり?」。正直、拍子抜け。私が稜線だと思っていたのは石狩岳の山頂だったようだ。

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ともあれここまで3時間結構費やしている。石狩岳のほうが距離が短く、下山までの時間が計算しやすいので、まずは音更山を目指す。途中で低木帯もあるが快適な稜線が続く。途中、ギンザンマシコがやって来て至近距離のハイマツにとまった。「レンズ、レンズ」と望遠に切り替えて撮影。いい絵が撮れた(この絵はでアップします)。頂近くの巨岩帯はペンキが薄く、目印に乏しいので、ケルンやピンクテープを探しながら進む。巨岩帯は浮石が多くい何度かヒヤッとしたが無事に山頂に到着。音更山は岩場の広大な山頂が拡がっていて、昼食にするのに最適。姿は見えないまでもナキウサギの声も多く聞こえる。表大雪が結構近い。緑岳から高根ヶ原、十勝岳連峰も全部見える。例の北見富士も鮮やかだ。メインは石狩岳のハズだったが「もうここでいいかも」...そんな気にさせる。この段階で、沼ノ原山がちょうど石狩岳山腹にかかってしまって見えないのが残念だったのが、唯一、石狩岳に行くモチベーションになっていた。

もっとずっとのんびりしていたかったが、石狩岳に行ってから下山することを思うと早々のんびりもしていられない。昼食後は早々に石狩岳に移動する。山頂近くではエゾシマリスも食事中だったようで写真を撮らせて頂いた他、ギンザンマシコとも再び遭遇した。分岐で念のため、休憩されていたパーティに下山時間を訪ねると2時間半との答えが、コース状態から3時間はかかるかもと思っていたので、少し余裕が出た。石狩岳への登りは稜線歩きというよりシュナイダー尾根の続きと思ったほうが良いほどの急坂が続く。音更山で結構疲労したようで、さすがに息が上がった。途中は片側が急斜面の崖になっている場所もあり慎重に足場を選んで進む。30分ほどで山頂。

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10人も人が来れば一杯という感じの狭い山頂だが、予想通り、沼ノ原から五色ヶ原の景色がすぐ近くに一望できて最高。本当の山頂は隣の1967m峰という話もあるが、こっちの1966m峰には山頂標識という強い味方がいるし、何より今日は疲れた。こっちが山頂と勝手に定義して一息つく。

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時間が13時ということで、もうだれもいないだろうと思っていたら、まだ人がいた。向こうも同じ考えのようで、こんな時間に登ってくる人がいるとは思わなかったそうだ。彼は昨日もシュナイダーを通って石狩岳に登ったそうだ。岩間温泉に行ったりしてこの周囲を満喫しているらしい。「だったらニペソツも登ってきたら?」と薦めてみる。何せ100名山になりそこなった山だし、時間的に余裕もあるのに石狩岳を登ってニペソツに登らないっていうのも勿体ない。彼も話を聞いて興味が出たようで最終的には登ってみたくなったと言っていた。林間コースで日が暮れるのも嫌なので、石狩岳を堪能した後は早々に下山。帰りも沢で道を間違えたがすぐにルートに復帰。結局2時間15分ほどで下山できた。下山後は幌加温泉鹿の谷で温泉を楽しんだ(ここ内湯も含めて完全混浴で驚いた)あと三股山荘で食事を...と思ったら休みということで無念の帰宅となった。

例によってヤマレコに多数写真アップしましたのでご覧ください。

シュナイダーコース登山口(7:25)→シュナイダー尾根突端渡渉点(7:55)→シュナイダーコース分岐(10:25)→音更山(11:10←昼食→11:55)→シュナイダーコース分岐(12:35)→石狩岳1966m峰(13:00←ティータイム→13:20)→シュナイダーコース分岐(13:45)→シュナイダー尾根突端渡渉点(15:10)→シュナイダーコース登山口(15:35)

今回のあこの燃費:14.4km/L

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しず 2012年09月09日(日)17時54分 編集・削除

わーいわーい♫
コメント第一号や〜\(^o^)/

ししょー!お疲れさまです。
石狩岳、単独かぁ。強いですねぇ!
天気も良かったし最高だったのではなかろうか?


ようつべ、私のアイボンからは見れませんでした(T_T)
ギンザンマシコっていうのか〜。トム縦走の時に写した鳥も同じですかね?
私のシマリスちゃん、可愛い画像ありがとうございます。
ナキネズミちゃんよりシマリスを愛する、シマリス狂な私に追い打ちをかける画像でした(^-^)/
北見にある、シマリスぱーくに益々行ってみたくなりました☆☆


ヤマレコ、また見させてもらいまーす!
また沢山拍手つけまくりますからーー♪(´ε` )
写真にも見た人から一言コメント入れれたら良いのにねっ♫

隊長 URL 2012年09月09日(日)18時22分 編集・削除

スズさん、こんばんはー。

石狩岳、シュナイダーコース、お疲れ様でした。
シュナイダーは私も大好きなコースです。
そうそう、そうですね。最初の沢の辺りは不明瞭ですよねー。
私も『あれっ?んっ??』ってなった事があります(笑)。

そして、シュナイダーは痩せ尾根。ですよねー。
あの尾根を登る季節は、やはり少し涼しくなってからが良いですよね。
少なくとも湿度が少ない季節がいいです。
だから、土曜日なんて爽やかで最高ではなかったでしょうか。

山頂からは、きっと360度の眺望が楽しめたことと思います。
天気、良かったですからねー。
(^o^)

syokann 2012年09月09日(日)19時07分 編集・削除

スズさん今晩は、石狩岳、音更山お疲れさまでした。音更って帯広ですね?・・・・そんな遠くても朝発ってしかも二つも山登って日帰り登山できるのですね。さすがスズさん行動力ありますね。

スズ(管理人) 2012年09月09日(日)21時30分 編集・削除

shizuさん、早いコメントをどうもです。
こんばんは。昨日は最高の天気でしたが、今日は全然ダメダメですね。
無理を押して出掛けて良かったです。

私が離脱した後に、五色岳辺りでyahさんが撮っていたのもギンザンマシコです。
結構近かったみたいなので私も見たかった。
その頃、私は花の写真を撮っていたです。

シマリスパーク...そんなのあるんですか(^^;。
行くなら早くしないと冬眠しちゃいますね。

スズ(管理人) 2012年09月09日(日)21時31分 編集・削除

隊長さん、こんばんは。
隊長さんはニペソツ山でしたか。すぐ隣のピークじゃないですか(^^;。
遠征と聞いていたので、てっきり雌阿寒ぐらいに行ってるのかと思ってました。
シュナイダーは長年の念願でしたので、天候の良い日に登れて良かったです。
予想通りキツくもなかったし、変化に富んで面白くて、
林間コースが続く割には、「また歩いてもいいな」と思えるコースでした。
痩せ尾根の上にハイマツがまとわりついて鬱陶しかったですけどね。
極めつけは松ヤニで髪の毛が固まりました。ウルトラスーパーハード状態でガチガチです(^^;。
ヘアワックスとして売れるんじゃ?(^^;

スズ(管理人) 2012年09月09日(日)21時31分 編集・削除

syokannさん、こんばんは。
確かに音更と聞けば普通帯広を連想しますね。
でもここは三国峠の近くなので帯広からも1時間ぐらい掛かります。
道央道と紋別道を使えば札幌から3時間+α圏ですので、
日帰りもやれないことはないという感じですが、
それなりに強い思いがないと行けないかもですね(^^;。

石狩・音更はセットで登る人が多いですけど、
私は今回登ってみて、やっぱり行程が慌ただしいので、
どちらか一つのほうがよりこの山域の良さがわかる気がしました。
次、行くとしたら石狩岳の1967m峰から小石狩岳、川上岳辺りを目指して
痩せ尾根を歩いてみたいと思います。

yah URL 2012年09月09日(日)22時10分 編集・削除

ついに行ってきたんですね!

でも僕には読む限り「結構キケンな登山道」と思えます。
巨岩を登ったらその向こう側が崖だったとは、知らなかったら危ないです~。
tarumae-yamaさんもそんな場所で転倒したのかな?と思うとちょっと怖い感じです。

石狩岳山頂から見ると沼ノ原とトムラウシが一直線なんですね。
遠く十勝連峰まで綺麗に見えて最高の天気ですね。
でもここから縦走とかって考えると「遥か遠く」ですね~。

鹿の谷は僕も昨年ニペソツを降りた後に入りました。
その時は最初は僕1人、途中で男性が1人入ってきましたが、まさか混浴とは知りませんでした・・・!
ここもまたリベンジせねばなりませぬ!!

スズ(管理人) 2012年09月09日(日)23時07分 編集・削除

yahさん。こんばんは。
行ってきましたよ、石狩岳(^^)。
危険な登山道かぁ...でも、そもそも安全な登山道なんてないですよ(^^;。
痩せ尾根なのは随分手前から分かっていたので、慎重に歩を進めていましたが、
いきなり崖っていうのは、さすがに「ゲッ!」って感じで驚きました。
でも、全体的に楽しい道でした。
「来週もう1回登る?」と聞かれれば、往復の運転抜きなら全然OKと答えるでしょう。

1ヶ月前にあれほど苦労して登った沼ノ原から五色岳が真っ平らな台地にみえるでしょう?
あれは不思議な光景ですね。ただ一つ言えることは、遥か遠くって思えてても、
人間の足だとたった数日で行けちゃうんです。
私の生涯で東大雪と表大雪を繋ぐこのルートが繋がることはないと思ってましたけど、
石狩岳に登ったら歩いてみたくなってしまいました。

鹿の谷温泉旅館は私もビックリしましたよ。突然女の人がはいってくるんだもん。
よく見たら脱衣所の出口が同じところに繋がってるし、
スペース的に女湯の場所なんてないよなってことで納得しました。
露天風呂に入らなかったのも、女性が露天風呂に直行したので、
あまり邪魔しちゃ悪いってことで(^^;。

ミナ 2012年09月10日(月)16時13分 編集・削除

お久しぶりです。
音更山からの景色、素晴らしいですね!
でも登るの怖そうですね(^_^;)

この土日、私はまたYさんと一緒に白雲岳避難小屋泊をしてました。
今回は総勢10名でお鍋しました(笑)
土曜日、うちらも予定外に愛別ICで下ろされ軽くタイムロス…。
それから銀泉台から上がり、日曜日雨の中高原温泉に下りて帰ってきました。
土曜日は最高に気持ちのいい天気で素晴らしい景色&星空が見えました。
まさか見渡す山々の山頂の一つにスズさんがいたとは!

来週か再来週あたりに今度は紅葉を見に大雪方面に行こうと思います♪

スズ(管理人) 2012年09月10日(月)18時25分 編集・削除

ミナさん、こんばんは。
シュナイダー尾根、思ったより怖くないので是非登ってみて下さい。
いつも見ている反対側から景色を眺めるのって何だか格別ですよ。

白雲小屋、去年は何だかんだで3回泊ったのに、
今年6月の終わりに皆さんに会った1回だけです。
気がついたらもう秋近しです。

土曜日は天国でしたけど、日曜日はあの雨の中降りたんですね。
大変だったでしょうに。特に緑岳の巨岩帯、風強いでしょうに。
いやいや、それはお疲れです。

私のほうは、もう今年の夏山山行でやりたいことはやったので、
あとはダラダラムードで行こうと思ってます。
今週末の予報が微妙ですが、そんなに崩れなければ、
白雲小屋か黒岳石室でダラダラと酒飲んで、
たまに晴れたら高根ヶ原とか散策にでるとかいうのも良いかなと思ってます。

ちなみに白雲小屋の水場ってまだ涸れてないですよね?
涸れたという話は殆ど聞かないけど、一応聞いておこうかと。
万一涸れてて、板垣新道まで水取りにいくのは面倒だしなぁ。

tarumae-yama Eメール URL 2012年09月11日(火)23時18分 編集・削除

数日見ていなかったら石狩岳と音更山に登った記事が出ていて驚きました。
良い天気に恵まれ、眺望も素晴らしくて本当に良かったですね。
私が最初に石狩岳に登ったのは、10年前十石峠からのピストンで大変な距離でした。ユニ石狩岳も登りましたし。
その時は最高の眺望だったのですが殆ど記憶がありません。
この間登った時は全然視界がなかったし・・・・。
こんな風に見えていたのかと昔を思い出しています。

私が道を間違えたのは、スズさんとは違い多分もっともっと手前だと思います。
このシュナイダーコースは、私も大変とは思いませんが、体調や気温の高さなど条件次第で感じ方が違うかも知れません。
なかなかの急斜面だとは思いますが、あれ以上厳しい登山道はいくらでもありますね。
私は小雨の中濡れた木の根でスリップし、滑落で危うく死ぬところでしたが、スズさんは無事下山出来て何よりでした。

そろそろ大雪山は紅葉のシーズンですね。
私も車中泊で愛山渓温泉から当麻乗越を歩いてみたいと思っています。他に銀泉台から赤岳、それに三段山など。
新得側からの十勝岳も紅葉が素晴らしいようです。

良かったらどこか一緒しますか?

ミナ 2012年09月12日(水)11時00分 編集・削除

日曜日はずぶぬれにはなりましたがそこまで風は強くなかったので助かりました。
札幌のほうが雨がひどかったようです。

白雲の水場ですがまだ大丈夫ですよ!
柄杓で水をすくうカンジではありますが。

黒岳石室いいですねー。
石室はまだ泊まった事がなくて…。
泊まって桂月岳から夕焼け&朝焼けをみてお鉢1周っていうのを今年やりたかったんですが、もうムリそうかなと思ってます。

とりあえず今週末は天気が良くないようなのでおとなしくしてます(;_;)

スズ(管理人) 2012年09月12日(水)13時28分 編集・削除

tarumae-yamaさん、こんにちは。
道を間違えたポイントはもっと手前だったんですか。
でも、そんな迷うようなところなかったですけどね。
シュナイダー尾根ですが、確かに天候は効きそうです。
今回も相当暑かったですが湿度は結構低くて、
ムシムシの中を登るのよりは遥かに楽かもです。
あと滑りそうな箇所がいっぱいあるので、
雨降りでは登りたくない山だなぁとは思いました。

紅葉シーズンですね。とりあえず泊りで銀泉台は確定として、
新得から十勝岳も行きたいコースですが、
今年はもうやりたいことやったので、冒険じみた山行はもういいです。
のんびりだらだらと登ります。

スズ(管理人) 2012年09月12日(水)13時33分 編集・削除

ミナさん、こんにちは。
下山時に緑岳で風なかったんですか? それはラッキーでした。
白雲の水場の情報ありがとうございます。

良く考えたら私、去年は桂月岳で夕焼け朝焼けみて、
愛別岳途中リタイア+お鉢一周ってやりましたね。

天気予報が流動的なので、今週末はまだどうかわかりませんよ。
私はとりあえず白雲小屋に行くつもりでいるんですけど...どうですかねぇ。

未承認 2013年09月16日(月)12時40分 編集・削除

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