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比布岳 ~標高2000m超の稜線歩き その1~

当麻・比布・北鎮と表大雪の北回りルートを一周しました。元々は1泊で十勝岳の計画だったのですが、富良野よりも上川のほうが天気予報が良かったのと、二週続けて登った北大雪から鮮やかに見えた比布岳の稜線を歩いたことが一度もなかったため予定を変更。ルートはこんなこともあろうかと以前に練っておいた当麻乗越から北鎮経由の一周。地図を見ると当麻岳の手前から中岳分岐まで標高2000mを越える稜線が6km強も続いている。楽しい稜線歩きになりそうだ。

朝 4時前に札幌を出発。順調に高速を進んでいたが、砂川あたりで重大な忘れ物に気付く。デジカメだ。時間は5時前、取りに戻っても8時のロープウェイに乗れそうだ。意を決してUターンし、朝6時に札幌から仕切り直し。時間に余裕を見て出発したおかげで助かった。東川でトンボの群れにぶつかったりと、あこには災難の連続だったが300km近い距離を走破して旭岳温泉に到着。時刻は8時。何とか15分のロープウェイに乗れそうだ。

姿見駅に着くと秋の気配、エゾオヤマリンドウも茶色くなっている。ここからは夫婦沼を越えて裾合平を目指す。所々色づき始めた風景を眺めながら1時間ほどで裾合平に到着。これ以北は管理人にとって未踏のルート。この辺りは湿地帯のようで、所々に小沼がありチングルマの綿毛が周囲を彩る。花の季節はさぞ奇麗だろう。右側には大塚小塚がきれいに並び、その向こうにはこれから歩く稜線が見えていた。

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裾合平からしばらく進むと、ほぼ正面に愛別、当麻の田園風景が見え始める。反対側の平地が見えて来たことに感動しつつ進むと沢の音が聞こえてくる。結構大きい。ピウケナイ沢だ。とは言いつつも美瑛のポンピ沢みたいなもんだろうと思って、U字を描く登山道に沿って下りていくと目の前にかなり立派な沢が登場する。

後で調べたらピウケナイとは「襲いかかる」という意味らしい。ううむ、これは...と思いつつ、徒渉ポイントを探るが、流れが速く水深も深いところで40cmぐらい。金網で石を固めた徒渉ブロックが流された跡がいくつかある。どうやら楽させてはもらえないようだ。少し下流側に石伝いに行けそうなポイントを発見したが、一番流れの速い箇所が1mぐらい空いている。ざっと見渡しても、ここより条件の良さそうなポイントはないのでジャンプすることに。着地成功と思った矢先に勢いがついてバランスが崩れる。こういう時にダブルストックは役に立つ。バランスを立て直しつつ向こう岸の浅い水面に着地。少し水を跳ねてしまって冷たいが無事徒渉成功。

ちなみに管理人は沢が大嫌い。この段階で少し時間が押してきたが絶対に引き返すもんかと一周ルートの完走を誓う。

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ピウケナイ沢を越えると斜面をトラバースしながら進む。高台に点在する小沼や旭岳の風景を楽しんでいると 20分ほどで前方の視界が一気に広がる。当麻乗越だ。地図上ではただの分岐に過ぎないが、標高1700mの高台から見下ろす沼の平の景色が素晴らしい。ピークでもないのに人気が高い理由がよくわかる。六の沼のコースからは多くの登山者が登ってくる。とは言え時間が押している中、彼らを待っている時間はない。写真を何枚か撮り当麻岳へと向かう。

当麻乗越からは標高2000mまで一気に高度を上げる。気圧計の数値は800hPaに近づく。つまり平地よりも0.2気圧低い。急斜面の登りで何度か息がきれる。最後のザレ場を登り切ると見晴らしの良いピークにでる。巨岩の向こうには沼の平が一望でき、ピウケナイ沢が大地をえぐって流れていく様など見事である。旭岳方面の展望も抜群だ。

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