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大雪山系山開き <1日目 黒岳~白雲岳避難小屋~>

一泊で初夏の大雪に出掛けました。1日目の目的地は白雲岳避難小屋なので、少しゆっくりして朝6時に札幌を出発です。層雲峡ロープウェーのりばでは、明日の大雪山山開きに合わせて、黒岳九合目のまねき岩の紅葉をモチーフにした記念ピンバッヂ(http://www.rinyu.co.jp/uploads/fckeditor/uid000006_201206131830464a38d87d.jpg)を買いました。早速帽子につけてロープウェーに乗り込みます。天候はまずまず。リフトから頂上を眺めると残雪はほぼゼロ、周囲はチングルマが終わりかけ、早くもエゾウサギギクが咲いていたりと、数週間登ってないだけで加速度的に夏に近づいた感があります。とはいえ、山開きは明日ということもあって混雑するようなこともなく、チラホラといる黒岳を目指す一般の方々と一緒になって登っていきます。しかしながら荷物が重くてペースが上がらない。なぜかというとビールに焼酎、おつまみ用の缶詰めなど嗜好品類が大量に...自業自得です(^^;。

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途中からは黒岳石室でテン泊して足慣らしがてらに北鎮岳・比布岳まで行くと言っていた男性と一緒に登っていきます。8合目までは雪が溶けて日が浅いらしく花はまだ咲いていませんでしたが、それ以降はチシマノキンバイソウを皮切りにエゾノハクサンイチゲ、ウコンウツギ、ミヤマキンポウゲ、カラマツソウ、トカチフウロなどが咲いており、写真を撮ったりしてまたペースが落ちていきます。そんなわけで見慣れた黒岳山頂は早々に切り上げ、黒岳石室に向かいました。途中はコマクサが数株とイワヒゲやイワウメの群落が見られました。

本日の石室当番は後藤さんのはずだったのに姿が見えず、お決まりの「泊ってくかい?」っていう懐っこいセリフが聞けずに少々残念でしたが、赤石川の情報収集をしつつ昼食を取り、早々に出発です。結局徒渉も何もなくて雪の上を歩いただけでしたが、かなり嫌な感じにクラックが走っていて、来週辺りはいよいよ当りクジを引く人がいそうな印象でした。

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北海沢の徒渉も雪の上、ここから北海岳に向けて徐々に標高をあげていきます。と、文章で書いていると無機的な感じがしますが、実際は嗜好品満載のザックを背負ってヒイコラと上がっているのです。北海沢からの登りにはメアカンキンバイ、エゾノツガザクラ、キバナシオガマなどが咲いています。イワブクロはまだまだですが、特徴的な毛が最も映えるつぼみの時期が一番好きだったりします。毛のせいで花だけ微妙にピンボケな印象を受けるぐらいの頃合いが最高です。

北海岳では2人パーティが写真撮ってくれるというので撮ってもらいました。記念撮影っぽくなく管理人が歩いているのは、カメラが連写モードになってて10枚ぐらい連続シャッターが切れてしまったので、苦笑しつつ「もう十分ですよ」と歩みよっているシーンです。コンデジに慣れた人だと、さぞ驚いたでしょうけどおかげさまでいい絵に仕上がりました(^^;。

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北海岳を出発してすぐに広がる北海平では今回の山行の目的だったエゾオヤマノエンドウの群落が見れました。毎年季節を外して見れなかったので、これで思い残すことはないのです。

満足して白雲岳に向けて歩いていると格好いいサングラスした何やら見覚えのあるシルエットの人が歩いてきます。もしかしてと思って「後藤さんですか?」と声を掛けると「はい、後藤です!」との返事が...まぎれもまく石室の管理人さんです。こんなところで会えるとは...赤岳に知り合いを送って行った帰りらしいです。「今年も宜しくお願いします」と挨拶をして、「また石室にも顔出してくださいね」と...何回か話をしたことはあるものの、後藤さんが私のこと覚えている可能性はかなり低いと思いますが、こういうやりとりは嬉しいですよね(^^)。

後藤さんと別れてすぐに、旭岳から白雲小屋でテン泊ピストン予定の男性と出会って一緒に白雲岳に登りました。幻の池こそ見れませんでしたが、山頂からのゼブラの絶景を堪能できました。こんなに綺麗な白雲からの景色は初めてかもです。互いに風景を満喫しているって感じで、一言交わしては景色を眺めて...とってもいい時間を過ごせました。

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気が付くと15時近くになったので、「ボチボチいきますか」と白雲岳を後に白雲小屋を目指します。小屋の入口近くのテーブルにはちょうど管理人の有馬さんがいて「こんにちは、お久しぶりです」と声を掛けてくれました。「小屋泊りですか? 中にもう一人管理人がいますから」と言われて入ってみたら、てっきりコンちゃんと呼ばれていた小さいほうの彼と会えるのかと思っていたら見掛けない人が...あれっ、もう一人増員したのかと思っていたら、色んな人の話を聞いた限りだと彼は引退したらしい。でも写真を撮って回っているとの噂もあったので、また、どこかで会えることを期待です。

記帳を済ませると2Fへ...シーズン始めだというのに結構こんでる。いつもの場所あたりに空きスペースを見つけて移動。そこは兵庫県からの2人パーティの隣、去年の秋とは真逆で私が水をもらったお返しに、水場で冷やしておいたビールをあげたらものすごく喜んでくれた。たまたま好きな銘柄だったらしい。彼らはヒサゴ沼に一泊して天人峡ルートを降りたいとのことで、幸か不幸か私は天人峡ルートはおそらく誰より詳しいので(好んで行く人のないルートですし(^^;)、周囲にいた男性二人を交えて情報交換しつつ5人で楽しく飲んだ。

体力を使い果たしてヘロヘロになっていたハズなのに酒が入ると復活したようで、時間も17時を過ぎてくると、ほちぼち夕景を見ながらゆっくり飲みたいと思い外に出たタイミングでちょうど小屋の外で盛り上がっていた管理人さんグループに誘ってもらい、結局、消灯時間を過ぎて21時過ぎまで飲んでいた。空は晴天なれど満天の星空は望むべくもなく、かと言って悲観することもなく明るい月明かりに包まれてライトなしで快適に歩けるぐらい。こういう夜も悪くない。

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その場は一旦お開きとなり床についたが暑くて寝苦しく、深夜に用足しついでに起き出して外に...管理人の肉眼(矯正なし両眼0.1)でもわかるぐらいに満天の星空。月はどこかにいってしまったか雲の中らしい。何で眼鏡とカメラを持ってこなかったのかと悔やまれるが仕方がない。暗闇と静寂の中、涼しい夜風に酒で火照った身体を冷やしつつ、一日目の夜が更けていった。

層雲峡温泉(9:00)→黒岳5合目(9:10)→黒岳7合目(9:35)→黒岳山頂(11:00)→黒岳石室(11:25←昼食→11:45)→北海岳(13:00)→白雲岳分岐(14:15)→白雲岳(14:45←休憩→15:00)→白雲岳分岐(15:15)→白雲岳避難小屋(15:35)

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