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十勝岳連峰・大雪縦走期1日目 ~白金温泉涸沢林道から美瑛富士避難小屋~

夏休みを利用して、毎年、悪天候で中止を余儀なくされた3年越しの十勝岳連峰縦走にチャレンジ。本当は望岳台から十勝岳を越えて行きたかったが、前日の熱中症気味の仕事疲れが抜けなくて白金温泉涸沢林道の美瑛富士登山口からスタートする。林道ゲートを通って、一番奥の駐車場に着くと車は四台ほどで空いている。あこもここで四泊するので状態の良さそうな場所を選んで駐車。

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このコースは森の中を延々と進んだ後はトラバースが連続する味気ないコース。一緒に出発した御年配とゆっくりと登って行く。照りつけるような日差しに暑さを感じていたら、雨が降ってきた。山頂は雲が発達して雷がゴロゴロ言っている。文字どおり嫌な雲行きだ。とはいえ樹林帯では木が傘代わりになって殆ど濡れなかったが、やがて樹林帯が途切れ始めると雨具を着るしかない。ブッシュの中では湿度も100%近くゴアテックスも効果がない。不快指数が極めて高いので、雨の状態を見ながら雨具を脱いだり着たりを繰り返して登っていく。

十勝岳連峰は7月を過ぎると水の確保に苦労する山で、途中の水場で水を汲もうか迷うが、小屋の直下にも雪渓があったはずで、一昨年は同時期に水が取れたから上で汲もうということに決め進むとなんと涸れている。「しまったぁ」と思いつつも「3L近く残ってるので何とかなるだろう」と、あまり気にしなかったが、後程、水の確保に苦労することになる。

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美瑛富士避難小屋には先客が二人。彼らは同じ涸沢林道を早朝に出発、オプタテシケ山まで往復して今日は小屋で一泊のようだ。オプタテ山頂は霧で何も見えず、ベベツ岳あたりで落雷にあって恐い目にあったと話していた。小屋の外は相変わらずのガスの海。夕食を取った後、ラジオの気象情報に耳を傾ける。明日は高気圧の圏内だが、台風の湿った空気の影響で大気の状態が不安定だと伝えている。特に2000m級の山々が連なるような地域は雲が発達しやすいだけに「これは今年もダメかなぁ」と溜め息を一つついて、気分的には殆ど明日山を降りるつもりで就寝した。

白金温泉涸沢林道登山口(12:10)→天然庭園(14:10)→美瑛富士避難小屋(16:20)

十勝岳 ~春の根性登山~

蝦夷梅雨とめぐり合わせの悪さで週末の度に曇天や雨。いい加減我慢ができなくて、雨降られてもいいから十勝岳登ってこようということで行ってきました。札幌の山のほうが晴天で良さそうでしたけど、やっぱりここを登らないとシーズンが始まった気がしない。朝6時30分に札幌を出発して、道中比較的いい天気。あこと「今回は大丈夫そうだね」と言いつつ望岳台に...山頂には雨雲があるもののまぁまぁの天気です。風向き的に運がよければ晴れるかもと思って出発。

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序盤のハイキングコースからジワジワとやられ始める。「もうですか!」と自分にツッコミを入れつつも、やはり今年は春香山登って以来だから脚が重い。幸いなことに心肺は問題なしということで、今日は脚をいたわりつつゆっくり行くことに。標高1600mを越えるとガスの中に突入。なんかいやな感じですな。1720mピークに立つと視界は数十メートル弱、すぐ傍のスリバチ火口も全然見えない。1720m標識は誰かが補強してくれたようで去年より安定感を増して立っている。まぁ、ここまで来たことだし山頂までは行ってみようということで重い脚を上げて進む。溶岩ドーム手前あたりでは風向きが悪くて62-2火口からの硫化水素のイヤな匂いが混じる。幸いなことに風も強いので薄まって咳き込むほどではない。それにしても視界が悪い。もう10m先ぐらいしか見えない。

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いつもなら夏道をトレースして十勝岳の肩に上がるルートを通るが、このルートは崖の近くを通っているので視界がない中では怖くて直登ルートを取る。と言っても視界がないので、それらしき方向に向かっている足跡をトレースして行くだけ。直登ルートはひたすら山頂に向かって雪の急斜面を登るのだけど、アイゼンは付けてはいても所々雪が固いところが滑りそうで恐怖心を煽る。落ち着いて休める場所もないので脚もキツい。まぁ、そんなわけでボロボロになりつつ、山頂に付く頃には追い打ちをかけるようにミゾレっぽい霰が降ってくる。更に山頂ではショックな出来事が...去年きれいに完成した山頂標識がなくなっている。北海道・環境省の銘板だけが残った柱だけは転がっていたが、十勝岳連峰をモチーフにした美しい「十勝岳」の銘板は跡形もなく消え去っていた。強い季節風は仕方ないとしても一冬越せなかったかと思うと残念だ。

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山頂では2人(http://shimatancho.blog.ocn.ne.jp/blog/2011/06/post_f63c.html)が昼食を取っていたが、悪天候の中、とてもそんな気分ではなくて行動食を取って早々に山頂を離脱。全く何しに登ったのやら。山頂から溶岩ドームを降りきった辺りでアクシデント発生。軽快に下ったのはいいが道を見失う。周囲の視界は行きよりは多少回復しているがそれでも20mも見えればいいほう。気温は4℃で悪天候の中、正直ヤバいなと冷や汗が出てくる。何十回も登った山で遭難とは目も当てられない。視界から見える地形と記憶を照らし合わせると鋸岳のほうに行ってしまったのかと思いつつ、それにしては斜面の勾配が下りすぎで変だという印象もあり、溶岩ドームを降りきってなかったのかと思いきや、でも一旦平坦な場所にでたのを確認したので辻褄が合わないなどど脳内で考えつつも、とにかく自分の位置がわからなくなってしまったことだけは事実で、冷静に基本に立ち返って登り返すことに。だが、登っても自分の位置がわからない...いよいよヤバイかなと思った矢先に足跡を発見。結局のところグランド火口に降りる斜面に脚を踏み入れたことがわかり安堵する。このあたりは、積雪期のグランド火口を直登するルートが交錯していて、この足跡をトレースしたのが原因だったようだ。

色々不運な出来事はありつつも無事に帰れてなによりと、小雨の降る中あこのテールゲートに腰掛け、お茶とお菓子を楽しんでいると雨が本降りに...まぁ、この雨に合わずに無事に帰れてのんびりと山を見ながら美味しいお茶を飲めるなんて幸せなことじゃないかと。いい加減冷え切ったので、温泉につかろうといつもの凌雲閣に...いつもはのんびりと寝そべっているゴン太(犬)がいない。別な部屋にでも行ってるんだろうと思いながらも、寒いので温泉に。温泉を満喫した後もゴン太の姿がない。凌雲閣の女将さんに聞いたら3月に亡くなったそうで...女将さんは悲しいのでもう犬は飼いたくないと言っていたが、また新たに飼うような計画はあるようだ。凌雲閣前の駐車場を走り回って営業活動してたゴン太みたいに人見知りしない犬が来てくれたらいいなと思いつつ、凌雲閣を後にした。写真は在りし日のゴン太。幸せそうに寝ています。

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望岳台(8:50)→美瑛岳分岐(9:35)→1720m標識(10:35)→十勝岳山頂(11:35)→十勝岳避難小屋(13:10←昼食→13:35)→望岳台(14:10)

今回のあこの燃費:11.4km/L(半分は街乗りということで)今回も桂沢湖から富良野までのワインディングで軽快に走りました。あこの限界がわかってきたので、正直安心してコーナーに突っ込めるようになってきました。でもあこの限界が高すぎて逆にこっちが怖い。60mコーナーに80km/hで突っ込んでも平然としてるんだもんこの娘。

十勝岳 ~Last two thousand in this year~

今年、最後の2000m登山ということで十勝岳に行きました。朝6時に前日の酒が残った気持ち悪い目ざめと共に準備をして出発。江別あたりでスパッツと手袋を忘れたのに気付き取りに戻り、結局10時前に望岳台到着。

山頂は雪も少なく例年よりもぬるいラストになりそうだと出発したが、前半のハイキングコースから脚が鉛のように重く胸がムカムカと気持ち悪い。日本酒がいけなかったかと後悔しつつも、気力で少しずつ標高を上げていく。十勝岳避難小屋を過ぎると気持ち悪さがピークに達して何回か広大な大地にリバースしてしまうが、おかげて胸のほうは幾分すっきりしてきたので少なくとも1720m標識までは行こうと気持ちをきり変えて進む。1720m手前のジグでスノーシューを担いだ若い男性と出会う。山頂は晴れて風も穏やかですごく気持ちよかったと言っていたが、こちらは気持ち悪くてどうにかなりそうだ。体のいい挨拶をかわして1720mの高台に登る。

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うっすらと雪化粧をした溶岩ドーム、所々岩肌が見えて白黒のコントラストにモクモクと噴煙が立ち上る62-2火口、スリバチ火口の向こうに白くなった美瑛岳、ああ冬が来たなぁと思って景色に見入って腰を降ろしたら動けなくなった。どうやら体調的に今日はここが限界らしい。以前に修復した標識のケルンにお店を広げ昼食。気温は7℃。時折吹く冷たい風のせいか寒くなってきたので、山フラー含め持ってきたもの全部着込み暖かいスープをすする。

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その後、帰り支度をしていると気持ち悪いのがおさまっているのに気付く。雪の少ない山頂のコンディションからすると、もしかして山頂アタックできるかもと思い、溶岩ドームの手前まで行ってみることにする。しかし脚はまだ鉛のようで息も荒い。手前から見上げると岩肌がポツポツと見えていて例年よりも楽勝ムードが漂っている。時間は13時前と少し遅く、管理人が本日のラストアタッカーらしいが、この機を逃す手はないとアイゼンを付ける。雪は所々固いが先人達が道をつけてくれているので楽に登っていく。例年、積雪期は十勝岳の肩の手前の急斜面で恐怖を感じるが、道を辿っていくうちに知らない間に通過していた。

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肩まで来ればあとは比較的楽な登りだ。息は上がるが順調に高度は上がっていく。標識に残されたロープには、氷が張りついて芸術作品のようになっている。俗に言う樹氷、海老のしっぽだ。空気中の水蒸気が吹きつけられ凍結してできた氷で、通常は風上に向かって成長していく。ふと山頂を見上げると人影が見える。てっきり最後だと思っていたが山頂に到達すると3人パーティが、話を聞くと富良野岳から縦走してきたらしい。しばらく話した後、下りると言うので、てっきり望岳台に下りるのかと思っていたら上ホロ方面に向かって行った。この積雪期に縦走するだけでも大変なのに凌雲閣まで戻るんかとあきれて見送る。写真は彼らが戻っていった稜線だ。

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この時期は空気が澄んで遠くまでハッキリと見わたせる。望岳台方面からは一人が登って来ている。管理人がラストではなかったようだ。山頂の巨岩の影はほぼ無風で暖かく、お茶でも沸かして彼の到着をのんびり待つ。トムラウシ山を眺めつつ思えば今年は登らなかったなとか、ニペソツ山来年行くぞなどと、思いをめぐらせている内に時間が過ぎていく。時計を見たら14時を回っている。もうそろそろ下りないと思って荷物をまとめて下山すると、山頂手前の吹きさらしの雪の上で休憩している彼を発見。なんでこんな寒いところで休憩してるんだろうと思って声をかけたら、この時期に来るのは初めてで山頂のほうが風が強くて寒いと思ったらしい。ここより全然暖かいからと言うとじゃあ上でゆっくりして来ますと登って行った。

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帰り道は身体を気づかいながらゆっくりと下りていく。望岳台に近づくに連れ日が傾いていく。何とか一日無事に終わって良かったと夕日を写真におさめつつ、薄暗い中、あこの元に帰り着いた。


望岳台(10:00)→美瑛岳分岐(10:40)→1720m標識(11:50←昼食→12:35)→十勝岳山頂(13:35←休憩→14:15)→1720m標識(14:50)→美瑛岳分岐(15:55)→望岳台(16:40)

今回のあこの燃費:12.1km/L (冬タイヤドライ路面での初計測です。夏タイヤと変わらない。んっ? 夏タイヤはY浜のエコタイヤなんだけど変わらないっておかしくないか? Y浜は夏タイヤもXXということなのか。 ※XX内は御想像におまかせします。ええ、もちろんそういう意味です。)

秋の上ホロ~富良野岳縦走 ~ナキウサギしゃんもいるよ~

一応暑寒別の予定をたててみたが、前日に晴だった天気予報が予想通り雲マークに統一されている。他も似たようなものだが十勝岳ライブカメラを見ると無風の晴天。予報よりも見た目というとで今週は上ホロ・富良野縦走ルートに決定。

5時50分に札幌を出発。道路が空いてたのとワインディングを流れるように疾走したあこのおかげで8時には凌雲閣に到着。多分今までで最短記録だ。駐車場はそこそこ埋まっている。今日は人が多そうだ。あこの斜め向かいには白黒2匹の犬を連れた夫婦が準備をしている。「この子達も一緒に登るの?」と聞いたら連れていくそうだ。私が登山口に向かおうとすると白いほうが一緒について来る。早く行きたくてしょうがないらしい。

登山道は安政火口への広いハイキングコースからスタートし、火口手前で水のないヌッカクシ富良野川源流を渡りUターンするように対岸の斜面をトラバースしながら登っていく。安政火口は無風で真直ぐに蒸気が上がっていく。トラバース路を登りきると斜面の反対側に回り込むように左に道が折れていく。火口の景色はここで一旦見えなくなるが代わりに雲ひとつない快晴の富良野岳が見え始める。巨岩帯が出てくると上ホロ分岐はすぐだ。いつもはここで大半が富良野岳に向かい上ホロ方面は閑散としているが、今日は上ホロコースも人の話声が後ろを付いてくる。上ホロコースは十勝岳連峰で最も尾根が近い登山コースで、辛い300階段さえ越えれば視界の効くD尾根はすぐだ。D尾根のすぐ横は先程見た安政の爆裂火口で、十勝岳・上ホロと火口周囲の景色が良い。

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ここまで来ると一つ目のピーク上富良野岳は近い。しかしここで、下界から雲が近づいてくるのを見つける。ガスの中に入らなければいいなと思いつつ山頂へ。山頂は快晴だが周囲は雲海に包まれた。ざっと標高にして1800mより下は真っ白な雲の下だ。早々に上富良野岳から標高の高い上ホロカメットク山に向かう。到着すると東大雪の雲海が見事だ。左から石狩岳・音更岳、ニペソツ山、ウペペサンケだろうか? まだ登ったことがない山々だ。来年は是非行ってみたいと思う。

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今日の上ホロ山頂は驚くほど賑やかで10人ぐらいはいただろうか。十勝岳や雲海や爆裂火口など思い思いの景色を楽しんでいる。10時過ぎだが既に食事をしている人もいた。景色を堪能したあと三峰山に出発。ここでガーガーという鳴き声とともにホシガラスがやってくる。ハシブトと比べると一回り以上も小振りで白い斑点が美しい。何枚かトライするがすぐに飛んでいく。残念ながらいい写真は撮れなかった。上富良野岳に戻るとなだらかな稜線を進んでいく。花もなく上空も薄曇りになり雲のサンドイッチ状態。特筆するほどのことは何もないが稜線歩きはそれでも楽しい。

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三峰山は縦走ルートの僅かなスペースだが幸い誰もおらず1平米ぐらいの平らな巨岩の上にお店を広げる。東側は相変わらずの雲海だが登ってきた西側は晴れてきて下界を眺めながらの静かな昼食。時折、眼下に広がる巨岩帯と隣の1860mピークとの間でナキウサギの応援合戦が繰り広げられる。以外と声が近いで昼食後はナキウサギ観察に時間を費やす。断崖の巨岩帯を縁まで降りると観察に丁度良い岩を発見し座って御登場を願う。10分ほどで主役登場。肉眼では小指の先ほどにしか見えないが最大望遠で捉えると丸くなった可愛い姿をゲット。ふと時計を見ると三峰山で1時間も過ごしていた。縦走の通過点に過ぎない吹きさらしの山頂に1時間もいる人は稀だろうと思う。管理人自身初めての経験だ。今日は風がなくて本当に良かった。

富良野岳に向かうには少々時間が押して来たので荷物をまとめて出発。先程ナキウサギが鳴いていた対岸の1860mピークに差しかかったときに目があった。すぐ傍にいる。ピークからは鈴の音をチリーンと大きく響かせて降りてくる人が二名。写真を何枚か撮りつつ左手の人差し指は唇に、右手の人差し指はナキウサギを差し「そこにナキウサギがいるから静かにしさらせ!」的オーラを全開で発する。すぐに気付いてくれたようで、しばらく3人で観察モードに入る。いい写真は撮れなかったが、今年初めての出会いを満喫した。

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無風の今日は広い1860mピークで多くの人が昼食をしている。駐車場で出会った白黒2匹もここにいた。彼らは管理人と逆ルートで来たようだ。すっかり慣れた様子で長い散歩の休憩よろしく寝そべっている。白いほうは良く一緒に山に登っていると飼い主の男性が言っていた。1860mピークを過ぎても多くの人とすれ違う。今日の富良野岳は人が多かったんだろうなと、小さな山頂に押し寄せる人を想像しつつ先を急ぐ。富良野岳分岐に着くと時間は13時前。ここは標高1735mと稜線の中では最も低く、ほんの10mぐらい下のコルでは東側の雲海から溢れた雲が西側に流れ込んでいる。ここで昼食をしていた家族の内、女の子二人が雲に入りたいといってコルに降りていった。ただ本人にはよくわからないらしく「もう、雲に入った?」を連発していた。そんな微笑ましい光景を後にして今日のラストピークに挑む。

階段道の後はザレ場の連続で少々キツいが歩みを進める。山頂に着くとキタキツネがお出迎え。13時過ぎだというのに人は誰もいない。キツネも冬支度らしく山頂でしきりに何かを探して食べている。多分、登頂者がこぼした食料やゴミを漁っているんだと思う。人間はそれほど怖い存在ではないらしく数mぐらいの距離を保っていれば我関せずという感じだ。もちろん野生なのでこちらの動きは常に警戒している。今日はやけに動物と縁があるなと思いつつ、こちらもキツネを警戒しつつお茶にする。雲海の景色は奇麗だが、お互いあまり落ちつかない。

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結局、キツネが先に根負けして去っていったが管理人も時間となり降りることに。下りは人っ子ひとりいない中、富良野岳名物のトラバースを少しずつ標高を下げていく。富良野岳ルートは全ルートが延々トラバースの連続と言っても過言ではない。しかも樹木や岩で塞がれた歩きにくい道だ。花の季節はともかく、ほんとこのルートを往復して何が楽しいのだろうと、大衆の非難を浴びるようなことを思いつつ歩く。見通しは効くが逆に1kmぐらい先まで誰もいないことがわかると気が引き締まる。三峰山沢手前で前を行く人を発見。ざっと500mの差。上ホロ分岐を過ぎて凌雲閣が見えた頃にようやく追い付く。結局、下山して見ると15時過ぎ。もう少しゆっくりしていても良かったかもしれない。あこに腰かけて三峰山で作った残りのお茶を飲んで、凌雲閣で温泉と思って向かう矢先に白黒2頭が降りてきた。富良野岳縦走組は管理人が最終だったが、上富良野岳縦走組みはもっとのんびりだったらしい。


[十勝岳温泉凌雲閣(8:10)→上ホロ分岐(8:55)→D尾根(9:30)→上富良野岳(9:55)→上ホロカメットク山(10:10)→上富良野岳(10:30)→三峰山(11:00←昼食・ナキウサギ観察→12:00)→富良野岳分岐(12:50)→富良野岳(13:10←ティーブレイク→13:30)→富良野岳分岐(13:50)→上ホロ分岐(14:30)→十勝岳温泉凌雲閣(15:10)]

今回のあこの燃費:12.1km/L (あこの燃費が悪いのは管理人が山道で回しすぎるからだと思われ...だって楽しいんだもん(^^))

十勝岳-美瑛岳 ~今年最後の縦走ルート~

今週こそ暑寒別岳と思いつつ昨日の留萌地方の雨(おそらく山頂は雪)のため計画を変更し、行き慣れた十勝岳連峰に行ってきました。今回のターゲットは美瑛岳です。積雪があれば直登、なければ十勝岳から縦走ルートでアプローチしようと考えて早めに札幌を5時30分に出発しました。三笠インターから桂沢湖を通って上富良野の一般道主体のルートは慣れた道ですが、思えばあこと旅するのは初めてです。あこが来てからもう3ヶ月も経つというのにワインディングはすれ違いまくり。CBとはあんなに息が合っていたのに、あことはまるで喧嘩しているよう。結局お互いに相容れないまま望岳台に到着。御機嫌取りであこを十勝岳が良く見える場所に停め準備をする。

山頂はウソのように雪がなく、62-2火口の噴煙も真直ぐに立ち上り無風と言っても過言でない絶好のコンディション。即ち、縦走ルートで決定ということで入山届にその旨記載し8時ちょうどに出発。気温は15℃ぐらいだが風がないので暑い。周囲は広大なザレ場が広がりポツポツと草木の紅葉が見える。大正泥流の真っ只中を登っていくので殺風景と言えばそうだが、これが十勝岳の魅力の一つだ。美瑛岳分岐までは整備された広いハイキングコースが続く。美瑛岳分岐を越えればすぐに十勝岳避難小屋だ。2008年秋に美瑛町により再建された。当時、同じ季節に登ったときに基礎の穴を掘っている状態で、雪が積もるまでに何とかと話してた作業員を覚えている。Wikipediaの該当項目を編集したのも管理人だ。出来た小屋はコンクリート張りの床だが小上がりもあって居心地のいい空間に仕上がっている。

十勝岳避難小屋からはガレ場の登りが続く。ガレからザレに変わり小刻みなジグを抜けると一つ目のピーク1700mだ。ここから先は風景が一変して砂漠のようになる。すぐ左にスリバチ火口、右に広大なグランド火口に噴煙を上げる62-2火口。登山道は火口に沿って延びている。ここの標識が昨年の強風で折れてダメージを受けていたのでケルンを積みなおして補修したが健在のようで安心する。しばらくは平坦な砂漠を越えるといよいよ十勝岳本峰の溶岩ドームだ。ここで軽装の四人組(多分トレーニング中の地元の学生)にあっさり抜かれる。管理人もそんなに遅いほうでもないが悔しいがスピードが違いすぎる。山頂に着くと彼らはすぐに下山。コンディションがいいとは言え多少の風もあり気温は一桁、寒かったんだろう。

山頂には新しく山頂標識が出来ていた。日本百名山なのに標識が朽ちて存在しないというストイックな感じが十勝岳らしかったが、新しい標識は安定感ある太い丸太の土台に大きく十勝岳2077mと存在感十分な毛筆書体で書かれ、下側に十勝岳連峰の主峰たるモチーフも描かれた百名山に相応しい壮大なものに仕上がっていた。あまりの見事さに良く晴れたトムラウシを背景に記念撮影。

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縦走ルートは、巨岩が積み上がった山頂を下りると砂漠の稜線歩きへと変化する。ここは管理人が山に登るようになって初めて歩いた稜線で、稜線歩きの魅力に取り憑かれたのもここだ。それまでRPGの中でしか見たことない世界がここではリアルな存在としてある。ここが標高2000mの稜線だと言われてもにわかに信じられないだろうが、振り返れば十勝岳の山頂が砂漠のピラミッドのように存在する。

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砂漠の鋸岳を巻くように標高を下げるとフワフワした砂地から大地が安定してくる。モコモコと生える草の紅葉地帯に入るともう美瑛岳の領域という感じがする。右手には新得からトムラウシ温泉に至る広大な森林地域が紅葉している。ものすごくきれいだ。オプタテシケ山、トムラウシ山へと至る稜線の手前にチングルマの紅葉が映え、下側に広がるダケカンバの黄葉という構図のつもりだが、何か写真では今ひとつ違う。リアルの感動を写真にするにはまだ未熟であることを痛感しつつ、いつか必ずこの感動をフレームインしてやろうと心に誓う。

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美瑛富士が眼下に見えると美瑛岳はすぐそこだ。だが、ここが美瑛富士とオプタテシケ山のベストアングルだけに脚は進まない。少し進むと美瑛岳の山頂に三人の人影。このアングルから晴天の美瑛岳というのは初めての経験で写真を撮る。

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美瑛山頂では十勝岳で出会った夫婦が管理人の到着を待ち侘びていたかのように声を掛けてくる。「(管理人が若く見えるので)いつ抜かれるかと思って待ってたんだよ」と、対して管理人は「ムリムリ、この稜線を楽しみに来たんだから」と。昨年心許なかった美瑛岳の山頂標識は案の定どこかに消えてなくなり、その旨を伝えた上で軽く「その辺りに転がってるんじゃないかな!」と言うと爆笑が帰ってくる。みんないい人達でのどかな山頂だ。

ボーっと景色を見つつ昼食をし、始めて山頂に来たというカメラ片手の若い人と話をしつつ時間が過ぎる。12時40分頃に先程の夫婦が下りると言ったのを皮切りに7、8人いた山頂は一気に静かに。ここは下りにも3時間はかかるので13時過ぎには人がいなくなるのが定番だ。管理人は経験的に13時30に下りれば16時には下山できるのがわかっていたので、その時間までのんびりする。なぜなら、天気は快晴でほとんど無風だからだ。この季節でこんな条件はビッグラッキー以外の何者でもない。

13時過ぎにはいよいよ山頂には管理人一人だけになるが、この段階で登ってくる御仁が。私はてっきり50台後半ぐらいの人かと思っていたが、後で入山届を見て知って驚くことに...74歳のじいちゃんだ。8時30分に望岳台を出て4時間半で美瑛岳まで来たらしい。「いや、それって結構速いですよ」などと話してたら、下山予定時間の13時30分に。「一緒に下りますか?」と声を掛けたが「とてもペースがあわないし、もう少しゆっくりしていきたい」ということで、先に下りることに。下山中に例によって周囲に誰もいないのに、すぐ近くに鈴の音と人の話声を聞く(明らかに人外のものだが不思議と怖くはない)。山ってやっぱり不思議なことが起こるなぁと思いつつポンピ沢を見下ろす1640m地点で休憩がてらお茶にする。じいちゃんはまだ降りてこない。まぁ、4時間半で山頂まで登れる人なら大丈夫だろうと思ってそのまま下山。ポンピ沢を抜けるとエゾオヤマリンドウがかろうじて生き残っており、エゾノツガザクラも一輪だけ発見。花も頑張るなぁと思いつつ、下山すると硫黄沢川源流の徒渉?点近くで撮った写真が本行程で撮った写真の中で一番紅葉のきれいな写真に...こんな低いところに奇麗な景色はあるのねと思いつつ......

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予定通り16時過ぎに望岳台に下山しあこと一緒にまどろんでいたが、じいちゃんが下山してこない。途中、ポンピ沢手前までは30分ぐらいの差しかなかったのを確認しつつ下山していたが、望岳台近くのハイキングコースに入ると大丈夫だろうと思って後ろは見ていなかった。美瑛岳山頂で出会って美瑛富士経由で下山した人もじいちゃんの存在を確認していて、帰りを一緒に待つが一向に降りてこない。結局、下山から1時間程、日没から30分が経過して暗くなり始めた頃にじいちゃんが降りてくるのを確認。最後に声を掛けて「お疲れさま、心配しました。」を伝えて、晴れてあこと共に十勝岳温泉に。私のお気に入り凌雲閣に向かう。凌雲閣についたら辺りは真っ暗。こんな時間にここに来るのは初めてで何だか泊り客の如くまったりしてしまう。ふいに入った職場からの電話に話をしてからゆっくりと温泉に浸かる。薄暗い中上ホロと富良野岳の稜線が奇麗に見える。

女将さんに帰りはスピード出し過ぎないように安全運転で帰りなよと言われていたにもかかわらず、帰り道は驚くほどあこと息が合う。意のままに動いてくれるあこはCBなんか目じゃないほどにスマートで美しく速い。道路も驚くほど空いていて何だか夜道のワインディングをそれこそワルツのように華麗に駆け抜けて、あっと言う間に三笠インターについた。行きではあれほど喧嘩したあこと心が通じたような気がしてとても嬉しい瞬間だった。


[望岳台(8:00)→十勝岳避難小屋(8:50)→1700mピーク(9:45)→十勝岳(10:25)→美瑛岳(12:40←昼食→13:30)→ポンピ沢(14:20)→望岳台(16:10)]

今回のあこの燃費 12.3km/L (喧嘩しても12km/L行くのね。あこの魅力再発見的な...)
夜道のワインディングで道を譲ってくれた皆様、感謝しています。