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ダブルヘッダーで稀府岳と伊達紋別岳

全道的に晴天であれば、また十勝岳方面に行こうと思っていましたが、あいにくの天気予報ということで、伊達紋別岳に行くというtarumae-yamaさんとN氏と同行することにしました。去年は4月に伊達紋別岳と有珠山のダブルヘッダーで行ったのを思い出しましたが、いざ連絡してみると稀府岳にも登るとのことで、今年もダブルヘッダーになりました。

そんなわけで、一座目は登山道が開通して新しい稀府岳です。とても良い道で景色も素晴らしく楽しく歩けました。開削して頂いた方々には本当に感謝したいと思います。あと、GPSの記録開始が遅れて衛星を補足できなかったため、スタート位置と合わせて、ログがかなり乱れています。あまり参考にはならないのでご注意を…。

途中の廃屋に置かれているトヨタのワゴン車。これは何だろう。キャブレター車で古過ぎてわからんです。昔、私の田舎にあったコロナと似ている気がするのだけど。いずれにしても私が小学生ぐらいの時期の代物です。よくここまで残っているものです。

開放的な稜線にでました。海が良く見えます。やはり海が見える山は良いなぁと思うのです。

稜線は色々花が咲いています。これはチシマフウロですね、きっと。色味が微妙でトカチフウロのようでもありますが…。

ガマ岩展望台とN氏。晴天の海を背景に中々絵になっているのであります。

ミヤマリンドウ…ですよね。もう咲いているのか。「おい、まだ5月だぞ、どうした大丈夫か。」突っ込みたくなる感じです。低地はこんなものなんでしょうか。

稀府岳の山頂標識から50mほど奥が登山道の終点ですが、ここからは、これから向かう伊達紋別岳の稜線が良く見えます。

山頂から登ってきた稜線を撮ります。いやぁ、いい山です。労せずして気持ちよい稜線に立てるというのが素晴らしい(^^)。

山頂でtarumae-yamaさんとN氏。気持ちの良い山頂です。

tarumae-yamaさんと山頂で出会ったAさん、Yさん。結構時間は押して来ていますが、仲良く会話しながら下山してきました。というわけで稀府岳は終了です。お疲れ様でした。

ヤマレコで山行詳細が、Nikon image space(http://img.gg/J9LZGty)で山行写真全てが御覧になれます。今回もツイッターでもリアルタイムで色々つぶやいてます。

登山口(9:05)→稀府岳(10:20←休憩→10:40)→登山口(11:40)


そして本来の予定では伊達で蕎麦を食べて伊達紋別岳に行くはずでしたが、時間が押してきたので蕎麦はあきらめて伊達紋別岳に登ります。お腹すいてますが登山口で昼食食べようというtarumae-yamaさん達に、食べたら動けなくなりそうなので、丁重にお断りを入れてスタートします。

登山口の桜が見事でした。この時点ではまだ体力的にも余裕はあったのですが…。

二合目を過ぎたあたりで見たシラネアオイの白花が見事でした。白花は初めてみました。可憐です。

三合目の展望スペースから見る昭和新山と洞爺湖中の島。午後から晴れの予報が逆転して少し曇ってきています。しかしこの登山道、とにかく暑い(^^;。汗がダラダラで稜線に出るまでは風も吹かずで、かなりの不快指数です。

そんなわけで花には目もくれず一目散にいっぷく広場まで来ました。ここで食事にしようかという話でしたが、やはり、食べたらこれからの稜線が歩けなくなりそうで、軽快なうちに山頂を目指そうと、食事する二人を置いて単独で伊達紋別岳を目指します。

稜線からはさっき登った稀府岳が格好良く見えます。そして、稜線に出たら出たで風が気持ちよくて、走るように伊達紋別岳を目指して進みます。

そして、その見事な稜線を見下ろせる高台から一枚です。んー、いいですねぇ。足取りが一気に軽くなります。

前紋別岳を過ぎたあたりで、犬と一緒に百名山を目指しているという仙台の男性。もう70座登ったそうです。何だか楽しそうですねぇ。

そんなわけで伊達紋別岳山頂です。今回も雲が多くて少し残念です。ただ風景的には立体的な空が撮れてこれはこれで非常に良いなぁと思うわけです。

前紋別岳で出会ったD800を持った男性が広角持ってないとのことでしたので、DXの12-24mmがフルサイズでどこまで蹴られずに写るのかも興味があって貸したお礼に、私は「AF-S Nikkor 58mm f/1.4G」を借りました。おそらくこういうレンズは開放側のほうがいいかなと思ってf4で撮りましたけど素晴らしい写りです。D7000だと換算87mmになります。ちなみに12-24はフルサイズで18mmまでは見事に蹴られましたが、20mmだと一応は撮れました。どんな写真に仕上がったのかわかりませんが…DXレンズも中々使えるじゃんと、その場では思ったしだいです。

同じく「AF-S Nikkor 58mm f/1.4G」で伊達の市街地を撮ります。もう少し大気中の水蒸気が少なければ、もっときれいに撮れると思うんですけどねぇ。D7000に中望遠の単焦点を付ける機会もないでしょうからとても面白かったです。

下山時は花を撮っております。tarumae-yamaさんが結構花の位置を覚えていてくれて、場所を教えてもらいながら撮りました。これはアズマギクですね?

そしてミヤマエンレイソウ。結構たくさん咲いていました。そんなわけで下山です。帰りは登山口近くで膝が痛くなりました。今の段階では、まだ15kmぐらい歩くのがいっぱいみたいです。帰りは大滝村の温泉に寄って帰りました。しかし、この時期の二座は堪えます。今も足が痛いです(^^;。

ヤマレコで山行詳細が、Nikon image space(http://img.gg/9AK2NpG)で山行写真全てが御覧になれます。今回もツイッターでもリアルタイムで色々つぶやいてます。

太陽の園駐車場(12:05)→七合目いっぷく広場(13:00←休憩→13:05)→前紋別岳(13:30)→伊達紋別岳(13:45←昼食→14:30)→前紋別岳(14:40)→七合目いっぷく広場(15:05)→太陽の園駐車場(15:50)

今回のカメラ:「Nikon D7000」+「AF-S DX Zoom-Nikkor 12-24mm f/4G IF-ED」
「AF-S Nikkor 58mm f/1.4G」

あこはtarumae-yamaさんちでお留守番です。

金剛山で初詣

今日は二ヶ月ぶりの山ということで初詣を兼ねて金剛山へ。内地の山はこれで何座目だろう。まだ数えるほどしか登っていない。金剛山はルートが多くて地図を見ていても、何処から登ったらいいかさっぱりわからない。yamarekoで検索してメジャールートのダイヤモンドトレールと青崩道の二本を利用して一周することにした。

丁度、両登山口の中間点あたりに水越川公共駐車場があるらしいので、そこにあこを置いて出発。いやぁ、内地で札幌ナンバーはさすがに目立つようで、駐車場で「北海道からですか?」と破魔矢をザックに入れた男性に早速声を掛けられた。どうやら彼も初詣に山頂まで行くらしい。一足先に出発し、舗装された林道を水越峠まで歩く。写真はダイヤモンドトレールの入口なのだけれど、ただゲートがあるだけで非常にわかりにくい。ゲートを抜けて少し進むとダイヤモンドトレールと書かれた石柱があるので「ここでいいんだ」と納得して進む。

しばらくは広くて快適な道。ススキの後ろに目指す金剛山山頂が見えている。こういう風景って内地の山っぽいと思って写真に撮った。


さらに進むと雪。ここまで原チャリで登ってきた人もいるみたい。これだけ景色が良いと林道歩きも結構楽しいと思うのだけど...

途中、分岐を折れてダイヤモンドトレールはいよいよ登山道らしくなってくるが、途中に東屋があったりして、やっぱりどこか北海道とは雰囲気が違う。道はずっと階段でいよいよ登山本番。二ヶ月のブランクは大きくて、しばらくは身体が重くて苦労したが、途中から急に楽になってきて、昔、体育で習ったデッドポイントというやつを今越えたなと感じる。

杉林が明るくなってきて階段を登りきると旧パノラノマ台。眺望があるかと期待していたが、木々の間から少し程度。写真も撮ったがブログに貼るほどの景色でもないので、興味ある人はyamarekoかimage spaceを見て欲しい。旧パノラマ台で出会った師弟と思われる二人パーティと、一緒に更なる階段道を登っていく。標高1125mということで、比較的簡単な登山を想像していたが、このコースは結構登り応えがある。

階段道を登っていると途中に葛城山のビューポイントが...久々に開けた眺望に気分はウキウキ。周囲の木々もちょうど葛城山方向だけが開いていて、本日のベストショット言っても良い風景。


道は山頂が近づくに連れて凍って滑りやすくなってきて、階段道が雪で埋まって急斜面になったここが最大の難所。ここまでアイゼンなしで登ってきたので、途中で着けるのが面倒でそのまま何とかやり過ごした。

そして難所から10分ほどで山頂へ...立派な鳥居がドーンと出てきて驚いた。山頂の神社なので、小さい御社のようなものを想像していたのに、これでは平地の神社と遜色ない気がするのだが...


参道には仁王杉と書かれた立派な杉が...樹齢約500年だそうです。参道には石灯籠などもあって、何だか本当に平地の神社の境内にいるような気分になってきて、山ウェアにザックを背負っている自分の姿に違和感を感じてきたのだが...(^^;。

そして葛城神社の階段下に到着。この上が山頂なのだけれど、こんな山頂って初めてで、何か感慨深いものがある上に、何だか大社様以上に本当に神様がいそうな気がして不思議な感覚に陥る。

拝殿も立派なもので、。参拝客が多いのも頷ける。山頂の最高部に拝殿があるので、山頂を踏むことを許されているのは神様と神事に携わる方々というところも神秘性を感じるのでありマース。

葛城神社周囲は食事ができるような雰囲気ではないので転法輪寺に移動。途中で滑って転びそうになったので、ようやくここでアイゼンを履く。転法輪寺近くの広場にベンチがあったので、そこでいつものカップめんとおにぎりを頂いた。

食後は青崩道から下山するのだけれど、登山道の分岐が多すぎて、地図とGPSで確認し、それらしき方向に移動すると山頂標識のある広場に出た。眺望はそれほど大したものではないけれど、いつも私がよく見ている山頂の風景で何だか少し落ち着いた。

落ち着いたのも束の間、青崩道の標識を見つけたたら「この先道標なし」の不吉な文字が...「えっ」と思い、不安を抱えつつ、人のいない登山道へと足を運んだが、いざ歩いてみると、次々に登ってくる人々とスライドするし、要所には標識もちゃんとあると、特に心配することもない立派な道が続いていた。青崩道は眺望が殆どなく延々と続く階段道で、途中、ひざが痛くなりつつも無事に下山。

下山後、駐車場まで戻る途中には竹林があって、思わず珍しく思って写真に撮ってしまうあたり、自分も完全に北海道の人間になってしまったなぁと思いつつ、あこの待つ駐車場への歩みを進めていった。

ヤマレコで山行詳細が、Nikon image space(http://img.gg/ftZiNtL)で山行写真全てが御覧になれます

水越川公共駐車場(7:30)→水越峠(7:40)→金剛の水(8:10)→旧パノラマ台(8:35)→金剛山・葛城神社(9:40←参拝→9:45)→金剛山・転法輪寺(10:00←昼食→10:40)→セト(11:05)→水越川公共駐車場(12:30)

今回のカメラ:
「Nikon D7000」+「AF-S DX Zoom-Nikkor 12-24mm f/4G IF-ED」

実家から往復50km弱のため、あこの燃費レポートはありません。

若人達と神居尻山(2013年10月19日)

今年の夏に羊蹄山に登ったメンバーで再び山に登ろうということりなり、もう冬も近いことから、気楽に登れて高山の雰囲気も十分に味わえる神居尻山に登ることに...10月17日には札幌の手稲山の初冠雪も観測されたということで、H947mの神居尻山でも結構な積雪と寒さを覚悟して行ったのだが登山口から見上げる限りでは雪も殆どない。

そしてB・Cコースの駐車場がものすごいことに。紅葉がボチボチ見られてシーズンも終盤ということで皆考えることは同じなのだろう。以前訪れたのは2007年11月10日だけど、その時は、私以外は誰もいなかったというのに...丁度、管理棟の人がやって来たので許可を得て橋の手前にあこを置いた。

登りはBコースから...序盤戦は皆軽快。少し置いていかれつつも、ほんのり色付いた木々を眺めながら、密度の薄い森林コースを登っていく。


ナラ?の巨木だろうか...胴部に穴が空きつつも一株だけ雄大にそびえ立っている。青空をバックにこういう風景って北海道らしいと思う。

Bコース名物の急坂の階段に差しかかると若いメンバーも皆ペースダウン。そして途中の広い踊り場みたくなっているところで休憩。寒いぐらいの状態を予想していたのに、登っていると暑くて、結局、フリースも脱いで夏山登山の格好になっていた。

標高600mぐらいから積雪が見始め、標高700mの尾根に出たあたりでは完全に雪になっている。途中、急坂の連続でA氏の具合が悪くなったり、他の皆も随分と口数が減って心配したが小休止を挟みつつ何とか尾根に到達。ここのベンチで休憩したら、だいぶ良くなったようだ。ともあれ、辛いのはここまでで、ここから先は尾根沿いで緩やかな登りが続いている。

尾根からはしばらく平坦な道が続き、その後、842m峰に向かいやや傾斜がついてくる。尾根の歩き始めは、皆、雪玉を投げたりして盛り上がっていたが、登りに差しかかると羊蹄に登った時の元気はどこへやら...みんな結構ペースが落ちている。私に撮っては後ろで写真を撮って遅れても、すぐに追い付けるぐらいのペースなので丁度良かったが...

登ってきた尾根はこんな感じ、地図上では大した傾斜ではないんだが、ここからみると以外と急な感じがする。

神居尻の山頂に向けて一旦コルまで下りる途中。時折、熊の匂いが風にのってやってきて単独だとあまり気持ちの良いシチュエーションではないが、今日は大勢いるから少し気が楽。山頂への階段道ではスライドした品の良いマダムに声を掛けられて、誰だろうと思って聞いたらピータンままさんでした。単独だともう少し話をしていたかったんですけど、皆が先に行ってしまったので、途中で切り上げて私も山頂へ。

山頂で全員で記念写真の後、カップ麺で食事。今日は若者達が水を運んでくれるというので、水を最低限まで減らして代わりに三脚と2Lのコッヘルを積んできた。Snowpeakの「地」には大きすぎてやや不安定だけど予想よりも早く全員分のお湯が沸いた。嵩張るけど鍋が大きいって素晴らしい。三脚もコッヘルも活躍できて持って上がった甲斐があった。

薄靄が出ていて遠方の景色はそれほどでもないが、山頂は風も殆どなく穏やかで気持ちいい。時間があればこの稜線を歩いてAコースから下山したかったが、メンバーの一人が夕方から予定があるというので、のんびりした後はCコースから下山した。


登りの苦悩の表情から一変、下山時は元気一杯のA氏。ただ、この後、Cコースのピッチの狭い階段と積雪のダブルパンチでは何度も転びそうになって、お互い結構苦しんだ。

標高650m付近。積雪がなくなってまた紅葉が出始める。葉は随分と散っているけれども、 青空がその分望めて気持ち良い。

無事にCコース登山口に。ここから駐車場まで距離はあるけれども整備された林道なので歩きやすい。

20分ほどで駐車場近くの公園に到着。予定通り14時に下山。その後は中小屋温泉に向かう。途中で新しくできた当別ダムでナビ子が戸惑って少し時間をロスして温泉の滞在時間が短くなってしまったけれども良いお湯だった。

用事のあるというメンバー一人を送って、また琴似で飲み会。今回は「ふる里」以外のところが良いというので、琴似発祥の居酒屋チェーン「つぼ八」になった。「つぼ八」に行ったのは何年ぶりかわからないが、低価格でそこそこ美味しくて良い店。一通り飲んだ後は「真武咲弥」でラーメン。2011年11月に丸駒温泉で社長のTOKIさんとお会いしてから、一度行ってみたかったお店。2年越しになったけれども焙り味噌ラーメンが美味かった。朝から晩まで本当に良く遊んだし楽しい一日になった。

ヤマレコで山行詳細が、Nikon image space(http://img.gg/vQbE9Lx)で山行写真全てが御覧になれます

B・Cコース駐車場(9:50)→Bコース登山口(10:00)→H700m尾根(10:55)→B・Cコース分岐(11:30)→神居尻山(11:55←昼食→12:35)→B・Cコース分岐(12:50)→Cコース登山口(13:35)→B・Cコース駐車場(13:55)

今回のカメラ:
 「Nikon D7000」+「AF-S DX Zoom-Nikkor 12-24mm f/4G IF-ED」
 「Fujifilm XF1」

天塩岳は燃えているか?

本日は久々の天塩岳に...2007年10月6日に西天塩岳ヒュッテ泊で一度訪れたきりで、そのときの前天塩岳から見た稜線の紅葉が信じられないぐらいきれいで、もう一度紅葉の季節に登ってみたいと思っていた。そんなおり、ヤマレコを見ていると先週登ったkanokenさんの記録では、まだそんなに紅葉していないようだったので、今週末あたりがピークかもと思い、少々辛かったが朝4時起きで出発した。林道に入った段階でものすごく紅葉しはじめ、「いいじゃん!」を連発して、登山口に到着。ヒュッテの周囲も良い感じに色付いていてテンション上がる。熊の多い山域だけど、先発隊が2組いて少し安心する。

登山口の近くにある砂防ダム湖。水面に紅葉が写り込んでいて結構きれい。天気も最高で頑張って早起きして来た甲斐があったというもの。

このあとは沢を何回もわたって前天塩コースと新道コースに分岐する。登山道を普通に歩いている分には、葉が茶色掛かって大した紅葉ではないんが、左の急斜面の上などに目をやると黄色一色で素晴らしい。

そして分岐。新道コースの紅葉が見事なのは前回行ったときに熟知しているので、下りで思う存分楽しむとして、まずは左側の前天塩コースに進む。沢沿いに、少々アップダウンのある道を進み何度か沢を渡る。このコースの素晴らしいのは渡渉点にはすべて橋が掛かっていること。カメラ片手に何度も渡渉なんてイヤですからね(^^;。しばらく進むと沢コースとの分岐近くで熊糞発見、新しい。少し、テンションダウン。更に進むと風に乗ってほのかに臭いが...更にテンションダウン。

だけど、燃え上がるような光景を見るにつけて再びテンションアップ。

対岸は何だか木々が茶畑のようでに並んでいて、それが思い思いに黄色くなっているものだからとにかく素晴らしい。背景の青もやはりいい。

紅葉仕掛かりの楓も赤と緑のコントラストがとてもいい。相変わらず熊っぽい匂いも時折漂ってくるが、紅葉の素晴らしさに圧倒されている。あまり訪れる人は少ないけれど、やはりこの山は隠れた紅葉名所なんじゃないかと思う。


今日は紅葉しか撮らないだろうと「AF-S DX Zoom-Nikkor 12-24mm f/4G IF-ED」を付けている。このレンズで撮る風景の立体感がたまらなく好きだ。


そして標高1370mで紅葉帯終了。さすがに高いところはこのところの強風で全て葉が散ってしまったようだが、この白骨化したダケカンバも結構好きだったりする。写真は対岸の円山方面を見ている。

そして標高1380mからはハイマツ帯。少し登って標高1400mに立つといよいよ風景が一望できる。黄色く染まった山肌が素晴らしい。


ハイマツ帯はほんの少しで終わり、後は小ガレ場が延々と山頂まで続いている。登っても登っても全く山頂が見えてこない。このピークの向こう側の景色が見たくてここに登っているのに、ものすごいフラストレーション(^^;。

そしてご覧ください、前天塩岳の山頂から私の見たかった景色を存分に...。標高の高い位置のダケカンバの葉が散って少しスケールダウンしたけれども、黄色から白へのグラデーション、そして稜線のハイマツの緑が結構きれいじゃないかと思う。山頂は風速10mほど。立っていられないほどではないが、手元の温度計で10℃ほど。新雪もチラホラと見られて体感温度的には結構寒い。もう少し見ていたかったけれど、対岸の天塩岳に移動した。

前天塩岳からは一旦コルまで200mほど下るが、山頂からの景色の比ではないものの、コルから見る風景も結構良い。

そしてハイマツ帯を再び登って天塩岳へ...先発の単独パーティとの距離を詰めたものの、風の強い山頂を素通りして西天塩岳ヒュッテに向かったのか、私が山頂についたときには、もはや誰もいなかった。

このピークで特に景色を期待していたわけではないけれど、大雪山系や十勝岳連峰と思われる山々が遠望できて少しビックリしたがフレアが酷くて残念ながら写真には写らず。12-24は時折豪快にフレアやゴーストがでるので、何とかならんのかと思って調べていたら、設計者のコラムを発見。結構興味深い内容で見入ってしまった。ニコン初のデジタル専用レンズとして、これでも当時としては最新のコーティングがされているらしい。あとは、ここぞという一枚はレンズプロテクターを外して撮影するぐらいしか手がなさそうだ。

天塩岳山頂では仙台から週末登山で北海道に来たという男性としばらく話をして、お腹が空いたので西天塩岳ヒュッテに昼食を食べに移動する。山頂から続く新道ルートを刻んだ稜線の風景は、天塩岳でも有名なアングルだけれども、広角の利点を活かして撮ってみた。

そのヒュッテの名前がついている西天塩岳は山頂付近がガレ場になっていて面白そうな山容。道がついていたら登ってみたいなと思いつつ、ヒュッテへと向かう。


そしてヒュッテ着。前回はここで一泊したけれども相変わらず綺麗な小屋で快適。とりあえずお湯を沸かしてカップめんを調理。殺風景な小屋の中ではなんなので表に出て、正面の前天塩岳を見ながら食事を頂く。しばらくすると続々と人が集まってくる。山頂付近は風が強いため、みんな考えることは同じらしい。


昼食の後は円山へ。円山山頂へは踏み跡がある程度だけど登山道から10mほどしか離れていない。山頂標識はポールだけだったが、下側に落ちていた標識を合体させて写真に撮ってみた。どこからどう見ても、元からくっついていたみたい。ただ落ちて誰かが怪我とかしたら洒落にならないので撮影後はまた下に転がしておく。

円山からの下り。ここからまた紅葉景色が楽しめる。前方のポコポコした紅葉が撮りたくて、このショットを最後に16-85にレンズを変えたが、望遠いても構図的にイマイチだったので、12-24の写真を載せることに...この景色も私が天塩岳で好きな光景。

16-85で前天塩岳の辛い登りが良くわかる角度を最大望遠で...ダケカンバ帯を抜けると少しだけハイマツ帯を通り、後は延々山頂までガレ場なのがよくわかる。地図の印象ではハイマツ帯を抜けるとすぐの印象があるけれど、こうやって見てみると納得だ。

そして下山中にポコポコポイントを望遠で撮影。紅葉写真としてはイマイチだけど、これは何かいい感じに収まった。

ダケカンバが邪魔して中々良いアングルがないのだけれども、林間コースに入る直前で良さそうなポイントを見つけた。ダケカンバが散ってくれているおかげで、ポコポコ丘の全景が見えてとても素晴らしい。

そして樹林帯に入ると、ここから先は色鮮やかな紅葉パラダイス。もう、少し進んでは見入ったり、写真を撮ったりの繰り返しで全然進まない。

前天塩岳を望む真っ黄色の斜面。よく見ると葉自体所々茶色が混じっているのだが、遠景で見ると何ときれいなことか。

熊笹の緑と空の青が入って何だか虹のように層状に見える光景。ナナカマドが絶妙な位置で赤を足してくれていて見事。

そして前の写真では脇役だったナナカマちゃんが主役の一枚。本当にこういう風景がずっと続いている。

そして黄色く色付く新道の分岐点。ここを左に行くと林道の新道登山口へ。最初の計画では新道登山口経由で歩いて見ようかとも思っていたが、やはりヒュッテまでのルート上の紅葉が気になって右側に進んだ。

この鮮やかすぎる黄色とか何だろう...このルートはヤバい。全然進まない。似たようなペースで歩いていた、後続パーティに道を譲ってゆっくり行くことにする。

何気なく赤いナナカマドを撮ったのだけど、背景に緑や黄色が含まれて素晴らしい。もう、とにかくどこを切り取っても画になる感じ。


そして大木に生える味わい深い苔も勿論撮りますよ。雪渓が産み出すフカフカな新鮮な苔も良いけれども、年月を掛けてこうなったであろう歴史を感じる重みがある苔も良いものだ。

前天塩コースと合流してからは、またレンズを12-24mmに戻した。やはり近い被写体の立体的な表現は圧倒的に優れている気がする。


そして最後に「紅葉と言えば沢」「沢と言えば紅葉」と訳のわからない持論を展開しつつ、沢と紅葉が一緒に写った写真が撮りたいと色々探し歩いて撮ったのがこれ。あーそこ、「沢、ちょっとしか写ってねーじゃん」とか言わない(^^;。

そんなわけで紅葉を満喫した天塩岳。当初はヒュッテで一泊しようかとか思っていたけど、準備不足で食料等を調達できなかったし、山中の思わぬ陽気で大量に汗をかいて気持ち悪いので、協和温泉に寄ってから帰路につく。帰りの高速の車中、札幌方面は夕焼けで赤く燃えていた。XF1なら何とか撮れるかもと少々危険を感じつつも、撮りたい欲求が抑えられずに時速90kmで運転中に頑張って撮ってみた。ものすごくきれいに撮れている。本当に暗いところはXF1の独壇場。実はこの写真を撮った後、藻岩山や手稲山の札幌近郊の山々の稜線が赤く染まる風景が超美しかったのだけど、先程、構図を意識するあまりカメラと一緒にハンドルも傾けてしまって追い越し車線にふらっとはみ出してしまったのもあり自重。CMOSセンサーではなく記憶に焼きつけることにして安全運転で帰宅した。

ヤマレコで山行詳細が、Nikon image space(http://img.gg/KbVw0N1)で山行写真全てが御覧になれます


天塩岳ヒュッテ(7:40)→新道連絡路分岐H832(8:10)→前天塩岳(9:40)→天塩岳(10:35←休憩→11:00)→西天塩岳ヒュッテ(11:25←昼食→12:05)→円山(12:20)→新道連絡路分岐H832(13:50)→天塩岳ヒュッテ(14:15)

今回のカメラ:
 「Nikon D7000」+「AF-S DX Zoom-Nikkor 12-24mm f/4G IF-ED」
 「Nikon D7000」+「AF-S DX NIKKOR 16-85mm f/3.5-5.6G ED VR」
 「FUJIFILM XF1」

今回のあこの燃費:13.6km/L

二度とやりたくない知床縦走3日目 ~サシルイ岳・オッカバケ岳・南岳・知円別岳・硫黄山・カムイワッカ~

深夜1:30、脚をテントが押して来る感触で目が覚めた。風が出てきたようだ。何かイヤな予感...と思ったら30分ほどでパラパラと雨が降ってきた。その後、雨足が強くなりつつ耳栓をしても聞こえるほどの音が断続的に3:30まで続いた。もうテンションはガン下がりで、この雨の中、どうやってテントを畳んで撤収・下山しようかと考えていたら、夜明けが近づくと共に急に雨が止んだ。

4:00に外に出てみると何と晴れてる。フードロッカーのある高台まで行ってみたがオホーツク海もクッキリ見える。これなら晴れることは間違いないと、とっとと食事を終わらせてテントを撤収。朝5:40に炊事に出掛けた三人パーティに声を掛けて出発した。


サシルイ岳までの道は背の高い低木とハイマツの薮漕ぎ、こうなることを予測して雨具の下は着ているが上着にも水が掛かってくる。カメラバッグにも水が掛かるが、ななみちゃん(D7000)はこのぐらいは全然平気らしい。サシルイ岳の登り斜面から見た三ツ峰岳は圧巻で、背景の羅臼岳と一体となって偉大な山容を誇って見える。

サシルイ岳に立つと手前に通過点のオッカバケ岳、そして、その向こうに目指すべき硫黄山が見えた。うぉぉ、遠いなぁ! 地図で見ると何度確認してもカムイワッカまで13kmちょっとの行程なのに、「ここ行くのかぁ」と改めて思ってしまう。オッカバケ岳までは200mほど標高を落とし、また150mほどの標高を登る。ルート上にはゴツゴツとした岩がいっぱいで、今朝の雨に濡れて滑りやすく、その上に薮漕ぎというあずましくない登山道。

その、あずましくない登山道を下りきって、湿原のような場所をクネクネと無意味に曲がらされた辺りからはオッカバケ岳がきれいに見える。サシルイ岳の上から見てもそれほど高い山に見えなかったがコルから見ると全然高くない。標高差も150mほどなので、ウチから見る三角山のほうがよっぽど高く見える。オッカバケ岳の登りに取付くとサシルイ岳の眺望が美しい。サシルイ岳はダブルピークだが登山道は右側の低いほうを通っている。


オッカバケ岳の山頂に立つとようやくニツ池が見えて縦走路の全貌が明らかになる。ニツ池の向こう側は硫黄山の大きな火口を取り囲む外輪山のようで、グルっと半周してようやく硫黄山に辿りつける。山渓の分県登山ガイドではキャンプ地からここまで1時間とあるが、もう既に1時間30分を費やしている。コース状態を考えるとペース的には早いぐらいのつもりだったが、コースタイムには全然及ばず少し焦りも感じ初めてきた。

ニツ池までも道が悪く、ゴツゴツした岩や泥で足を滑らせること数回、池が近づいてくると湿地らしくエゾカンゾウが元気に咲いている。少し進むと、見たことのない薄紅色の花が...コバノイチヤクソウなんでしょうか、これは?

そしてニツ池に到着。チングルマの綿毛が拡がっていて花の季節に訪れたらどれほど綺麗だろうと思う。ただテント場は濡れていて、気持ち良く泊れる雰囲気ではなさそうだ。昨日、羅臼平で会った三人パーティもここにテントを張ったそうだが、張る場所がなくて苦労したと聞いた。大雪山の沼ノ原もそうだけど、やはり池塘のテン場ではあまり泊りたくないと改めて思った。ここで、時間は7時30分。計画では6時出発で7時10分着の予定だったから、歩行時計的には40分も遅れている計算だ。ただペースは時速2kmをキープしているので、問題があるとしたらガイドブックのコースタイム設定が無茶過ぎるということだろうか。ともあれ遅れていることは事実なので先を急ぐ。

幸い、ニツ池からのハイマツ林は刈られていて非常に歩きやすく、外輪山に立ってからは足下もしっかりして歩きやすくペースも一気に改善。ようやく稜線歩きらしくなってきて、左右の景色を楽しみつつ精神的にも随分と楽になった。写真はニツ池の向こう側にオッカバケ岳。

外輪に沿って少し進むと小高い丘のような南岳が見えてくる。登山道には少しハイマツが被っているが、これまでの薮漕ぎを考えたら全然楽勝。昨夜の雨で濡れていたハイマツも随分乾いてきているので山頂で雨具を脱ぐ。「涼しい~」、GORETEXとは言えどもこの季節に雨具は暑いなぁと、良い天気に感謝する。南岳の山頂は標識も何もない狭い空間で、地図やGPSで確認しないと山頂と気付かずに通り過ぎてしまいそうだ。

南岳から先は稜線的な風景は一旦なくなり、時折、湿地や草原を通る比較的平坦な道が続いている。写真は知円別岳手前に拡がるハイオトギリの道。写真だけを見ていると楽しそうな場所に思うかもしれないが、前半の薮漕ぎ等も影響して体力も相当消耗してきた上、登山道が大回りをしているので、進めど進めど全然硫黄山が近づいて来ない気がして心中は決して穏やかではない(^^;。

平坦な緑地帯を抜けで少し登ると砂礫地の高台に出るが、ここが知円別分岐。左手には硫黄山へと続く縦走路が、右手には東岳まで道が続いている。根室方面には高い山がないので、北方領土を除けば、おそらくここが日本最東端の登山道だろううと思うと感慨深い。ちなみに、国土地理院地図では東岳への道の表記はなく一本道で表記されている。

知円別岳からは難所の連続。まずは愛別岳を彷彿とさせる痩せた崩れやすい吊り尾根を行く。地図ではハイマツ帯の尾根に見えたので、まさかこんな展開は予想していなかったが、都合の悪いことに丁度この部分が風の通り道になっていて、強い風が吹き荒さぶ中、緊張感が漂う尾根渡りとなった。まずは、左の写真の岩塔部へ。岩塔部は巻くのかと思っていたら岩の隙間を縫うように道がついている。岩塔部はもちろん絶壁で高所恐怖症には辛い状況。まるでオプタテシケ山と愛別岳を足して2で割ったような山容だが、こちらのほうが断然辛い。岩塔の中で一息ついて「よし行こう」と先に進んだから、もう一つ痩せ尾根が...「まだ、あるんかい!!」とツッコミを入れつつ通過した。

そして吊り尾根を通過したら今度は雪渓渡り。そんなに斜度はないが疲れた脚でのキックステップは少しつらい。そして雪渓を渡りきると急坂が...この雰囲気を伝えたいと写真に撮ったら、アオノツガザクラが見事に咲く美しい小径の写真になってしまった(^^;。いや、ここ斜度45度の急坂なんですよ。

坂を登りきると標高1530mの高台で硫黄山がドーン、「うおぉ、スゲー」。切立った斜面でどこに道がついてるのか全然わからない。ここを行かねばならんのかと憂鬱な気分になってしまった。それでも、歩けばなんとかなるもので、一旦、岩盤の道を下り、少し標高を下げた第一火口分岐から硫黄山を眺める。ちなみにここで寡黙な先発パーティーに追い付いたが、「疲れたぁ」と話掛けたら「そんなに疲れるのはペースが速すぎる証拠」とか、硫黄山のコルにある標識がわかりにくかったので「この標識わかりにくいですね」と話したら「全然わかりにくくないよ。だって道一本しかないじゃない」と一蹴されてしまう始末。折角、人の少ない山域で出会った縁なのだから、何かを切っ掛けに楽しく会話したいだけなのになぁと思いつつ、会話の弾む相手でもなさそうなので硫黄山のコルで彼らを抜いて、黙々と単独で行くことにした。

硫黄山の登りは険しく、本当はザックをデポしたかったが、彼らにまた駄目だしされてもイヤだなと思い、途中でポールだけを置いてザックは背負ったまま、岩場の急坂を三点確保でよじ登る。山頂についたらガスの中、しばらく待つと少し晴れてきて、雲を被った羅臼岳が遠くに見えた。海側は海岸線が辛うじて識別できる程度だったが、まぁ、ここまで見えれば上出来かと思い、行動食を食べていたら、何故か無性に風呂に入りたくなってきて早々に下山することにした。

登りは写真どころではなかったので、下りで硫黄山の斜面を写真に...こんなところを登ってきたのです。10年前とかなら脚がすくんで動かなかったと思うけど、度重なる山行のおかげか、今ではこのぐらいの斜面で恐怖を感じることは殆どなくなった。唯一の心配は縦走ザックを背負っていることだったが、ザックが引っ掛ることもなく以外とスムーズに下りられた。


下山方向にはもう一つ痩せ尾根があって、またここを越えるのかと思ったが、そんなことはなく手前の涸沢へと道が続き、後は涸沢を下るだけの楽チンコースだと喜んで下っていたら...


「なんじゃこりゃぁ、道がねぇ!!」。途中で道が沢から折れていたのかと思ったが、よく見ると20mほど先の岩にペンキで○印が確認できるし、周囲を見渡したが巻いているような道もなく途方にくれてしまった。「窮鼠猫を噛む」と言うが、追い詰められた人間も中々強引なことを思いつくもので、強行突破することにした。地形を良く見ると断崖の下までは5mほどで数cmほどの足場もある。雪渓上までは岩場との隙間を利用すれば登れるかも知れないと思い立ち、即行動。まず、断崖の下りはザックを背負っていると下りられないので、悪いがザッ君とポールには先にダイブして頂いた。その後、空身でまずは断崖の下へ、そしてザックとポールを回収してから、右側の雪渓と岩の隙間に入り左足を雪渓にキックして、右足は岩の足場へ、少し滑ったが何とか雪渓上によじ登ることができた。登っては見たものの、これ冬道コースだとかいうオチはないよなぁと思って不安になるが、ペンキを信じて進むことにした。

途中何度も明確なペンキを目にして、もうあとは雪渓に沿って下りるだけと思っていたら、雪渓が途切れたあたりでまた難所。起伏が激しく沢に沿っては下りられそうもなく、脇を巻いて降りようと思ったが慎重に進んだものの、一枚岩に生えていた苔で滑り、沢のほうへ身体が...ザックの重みを利用して、体重移動で何とかギリギリで踏みとどまった。段差は2mほどだが下は一枚岩の沢で、下には崩れ掛けた雪渓も口を開けて待っている。生きた心地がしかなった。左の写真の奥が滑落仕掛けた沢。遠目で見ると全然大したことないんだが...。この難所を抜けたあたりで、下から登って来た男性に会い、「これで登山口までのルートが完全に確保された」と心底安心しつつ、登山道の情報を交換して雪渓を下るが、雪渓がなくなってからのほうが大変で、右の写真のような一枚岩の滑りやすい沢を延々と下って行く...これじゃ、登山道ではなくて原始の沢をそのまま下っているだけじゃないかと思いつつ我慢。

標高が1000mほどになってくると沢が細くなりき木々に覆われだす。国土地理院の地図では950m点に登山道への合流するように描かれていて、さっき会った彼の話だと登山道との合流点にはロープが張ってあると言っていたが、地理院の登山道表記は全くあてにできないし、ロープを見落として硫黄川のほうに進んでいるんじゃないだろうかと不安になってくる。結局、その心配は杞憂でほどなくして別な登山者が登ってきた。

件のロープはもうすぐそこで、ようやくまともな登山道に合流できると喜んだものの、道は荒れ放題でしかも急な登り。木々の生い茂る斜面に強引に道を付けただけで、木の枝を避けながら登る。気温も30℃近く汗だくの急坂というのもあり、もう完全に怒り心頭で、「こんな訳の解らん道つけたのは誰だ」と愚痴りつつ登った。登りはほど無く終了し、低木帯の下りになり大分心も落ち着いた頃に、縦走荷物を背負った男性が登ってきた。第一火口のテント場に泊ると言っていて、登山道の状況を聞かれたので正直に状態を伝えると「うわぁ、テンション下がるわ~(関西弁)」と言いつつも、行けるだけ行ってみると登っていった。ちょうどその時、別な男性も登ってきて「道連れができて良かったですね」と言っていたら、登ってきた男性は昨日羅臼岳で会った男性だった。彼も私が天候が不安で縦走しようかどうしようか私が迷っていたのを覚えていて、いい日に縦走できて良かったと言ってくれて嬉しくなった。

低木帯を抜けて新噴火口に出ると一変して砂礫地になるが、ここもペンキが消えていたり、ピンクテープが変な場所に付けられていて下山方向からは見えにくかったりと、何度もルートを確認するために立ち止まったり、引き返したりしながら下山。本当に最後まであずましくない登山道だなと思いつつ下っているとようやく海岸線に付けられた道道が見えてきた。「うぉぉ、道だぁ!道が見えるぅ」と思わず叫んでいた。ここから先は、登山口まで樹林帯が続くが、このあたりは熊も多い地域ということでより一層気が引き締まる。しかし、よりにもよってセミがジャカジャカ鳴いていて、熊鈴の音が完全に消されてしまう。しようがないのでホイッスルを口にくわえ、10mおきぐらいに吹いて、熊が避けてくれることを祈りつつの下山となった。

下山後は道道を少し引き返す。バス亭付近に止まる車や人の姿を見たときには、無事に戻って来れて良かったと心底安堵して、監視所のおじさんにバスやタクシーの情報を聞いてから、丁度、やってきた14:13発のバスに乗り込んだ。

ヤマレコで山行詳細が、Nikon image space(http://img.gg/yOQN4e3)で山行写真全てが御覧になれます。


三ツ峰キャンプ指定地(5:40)→サシルイ岳(6:20)→オッカバケ岳(7:10)→ニツ池(7:30)→第一火口旧道分岐(7:40)→南岳(8:20)→知円別岳(9:10)→硫黄山(10:20←休憩→10:35)→新噴火口(12:50)→硫黄鉱山跡(13:20)→カムイワッカ登山口(13:45)→カムイワッカ湯の滝バス亭(14:00)

今回のカメラ:「D7000」+「AF-S DX NIKKOR 16-85mm f/3.5-5.6G ED VR」