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FUJIFILM XF1 ~絞りとダイナミックレンジ特性を調査した~

XF1の絞りと解像度について、前回f5.6をピークにf4、f8で解像度が低下すると言ってましたが、今回、XF1の解像度テストをしているサイト「PHOTO REVIEW」を見つけたので、よ~く見てみると、広角端や中央部はほぼ収差なしと考えて良いような、絞れば絞るほど解像度が低下するような結果になっていて自分の印象と随分と違うなぁと驚きました。そんなわけで今回予定していたダイナミックレンジ特性評価と同時に、再度、絞りを変えつつブレないようにカメラを固定して撮ってきました。ちなみに、このサイトでは回折による解像度への影響がf6.4から見られ、f8~f11にかけてシャープネスが損なわれるとのことです。


<f値と解像度:PHOTO REVIEWより>

比較に用いたモデルバーンの風景。撮影日は9月18日(水曜日)。この日は晴れたり曇ったりの天気で光量が変って難しい撮影条件でした。絞りとダイナミックレンジを変えて撮っていますが、正直な話、この被写体では等倍でも解像度的な違いがあまりわからず、最も条件の厳しそうな端部のレンガ倉庫部分をクロップして比較してみます。

  
f2 ss1/300 DR・ISO100 f2 ss1/600 DR・ISO200 f2 ss1/1000 DR・ISO400
  
f2.8 ss1/150 DR・ISO100 f4 ss1/100 DR・ISO100 f5.6 ss1/30 DR・ISO100

絞り優先オート、焦点距離6.4mm(換算25mm)、露出補正0段、撮影シーン風景、フィルムシミュレーションASTIA

まず、ダイナミックレンジ特性ですが、DR値が大きいほどレンガの輪郭が不明瞭になり、解像度の低下が伺えます。まぁ正直、「コンデジにここまで要求する?」っいうレベルですが...

対f値特性については、天候条件が不安定だったので多少のエラー要素はあると思いますが、f2が最も良く、絞れば絞るほど解像度が低下するという印象を受け、「PHOTO REVIEW」のテストデータと似た結果になりました。f8では光量不足でISO設定が200になってしまったので掲載しませんでしたが、f5.6と殆ど変りません。f2~f4までは解像度的に問題ありませんし、f5.6、f8も解像度の低下は見られますが十分実用域です。f2~f8まで4段分の実用レンジがあるというのは非常に使い勝手が良さそうです。ちなみにこれは広角端の話です。

        f5.6、ss1/400                 f8、ss1/220
絞り優先オート、焦点距離25.6mm(換算100mm)、露出補正0段、撮影シーン風景、フィルムシミュレーションASTIA

次に望遠端でもダイナミックレンジと、絞りの影響を比較してみました。比較に用いたのは藻岩山を望遠で捉えた風景です。同じく9月18日(水曜日)の撮影です。先程の広角端とは異なり、等倍比較でなくても1段絞ると明らかに解像度が低下する様子が伺えるので両方の写真を掲載しておきます。f8では藻岩山レピータやロープウェーのロープが見えづらくなっています。ここでは藻岩山レピータを等倍クロップして比較してみます。

  
f5.6ss1/400DR・ISO100 f5.6ss1/800DR・ISO200 f5.6ss1/1300DR・ISO400

  
f8 ss1/220 DR・ISO100 f8 ss1/450 DR・ISO200 f8 ss1/900 DR・ISO400

焦点距離25.6mm(換算100mm)ではf4.9~f11までしか設定できないので、f5.6とf8の比較です。f5.6でDR値を増やすとレピータ鉄塔の輪郭が怪しくなっていくのがわかります。f8.0も頑張ってますがf5.6のほうが全然綺麗です。広角端では実用レンジが広かったのに対し、望遠端ではf値もDR値も実用域はかなり狭く、絞りは開放~f5.6ぐらい、ダイナミックレンジはDR100で撮影するのが良さそうな印象を受けました。

絞り優先オート、焦点距離6.4mm(25mm換算)、f2.8、ss1/150、露出補正0段、ISO100、DR100%、フィルムシミュレーションASTIA

そんなわけで、これらを踏まえた上での渾身の一枚をどうぞ(^^;。今日の昼間は雲が多くてイマイチだったので、夕暮れの風景になっちゃいましたけど...

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