記事一覧

イワウメいっぱいの美瑛富士

朝3時50分起床。眠い目でPCを起動して十勝岳ライブカメラを確認。真っ白。窓の外(札幌)は快晴。うーむ、ウェザーニュースを見てみる。曇り後晴れ、午後から回復の見込み。高層天気図もチェック...特に荒れそうな気配もない。朝の時点での美瑛町の気温は12℃、午後には28℃まで上昇するらしい。単純に山頂の気温が低くてガスっているだけなら、気温さえ上がれば絶対晴れるはず。当初は天女が原から旭岳というプランだったが、大雪よりも天候の回復が早い十勝岳連峰に...ちょうど美瑛富士の短縮路が未踏なので、望岳台から短縮路を使って美瑛富士に行くことにした。

天気であれこれ悩んだせいで望岳台着は8時50分。駐車場は満杯。望岳台レストハウス横ギリギリに辛うじてスペースを見つけて駐車。入山者名簿を見て驚いたが、本日だけで2ページ分ほどの記入がある。ちなみに今日のカメラはななみちゃん「D7000」に「AF-S DX NIKKOR 16-85mm f/3.5-5.6G ED VR」が付いている。視界がなく風景を撮る機会もしばらくないだろうということで、「AF-S DX Zoom-Nikkor 12-24mm f/4G IF-ED」はケースの中。

望岳台をスタートするといつものハイキングコース。ガスって視界もよくないが、先週訪れた樽前山のようにエゾイソツツジが登山道の両脇に多く咲いている。この分だと雲ノ平の花が楽しめそうだとピッチを上げて雲ノ平分岐。

雲ノ平に入ると、視界不良のせいで、途中、迷い道に入り込んだりして少々時間をロスしてしまったが、エゾイソツツジを皮切りにメアカンキンバイ、コケモモ、エゾノツガザクラ、コメバツガザクラ、エゾコザクラやイワウメなど続々と花が登場。そしてついにガスも晴れ始め美瑛岳の山頂が見えてくる。

その後、天候は一気に回復して視界も一気に回復。晴れ間の中を花を楽しみながら歩けるかと思いきや雪渓に突入。30~40°ほどの斜度の雪渓をポンピ沢まで横切って歩いていく。驚いたのは函はともかくポンピ沢までも完全に雪に埋まっていたこと。もう6月も終わりなのに信じられない雪の量だ。美瑛岳への登りは斜度50度以上の雪渓を横切るポイントがありドキドキ感いっぱい。その他はいつもの荒れた急坂路が続く。

急坂を登りきると標高も1500mを越えハイマツ帯に入る。この場所は美瑛岳の登山道で一番好きだ。穏やかな晴れの日に、ここでのんびりお茶を飲んだりするのも最高。

ハイマツ帯を通り抜け、美瑛岳分岐(H1640m)からアバレ沢につながる雪渓を横切るといよいよ未踏領域。ここの花も素晴らしい。コメバツガザクラが多いが、エゾノツガザクラやミネズオウ、イワウメなども豊富。美瑛富士が見えた時は感動したが、この時点でもう12時。ここから美瑛富士分岐(コル)までは平坦になるので40分あれば山頂まで行けるとは思いつつも気持ちは結構焦ってきた。途中雪渓を横切るシーンが幾つもあり、その都度、緊張感が走るがペースは順調。

そしてラストの雪渓。ここは2009年に訪れた時に水を汲みにきた場所。ようやく長年中途半端に未踏だったルートがつながって、思わず「つながったぁ!」と叫んでしまった。美瑛富士分岐は一面エゾイソツツジの白い花で覆われている。真夏の殺風景なイメージしかなかったので印象が全然異なる。

そして美瑛富士も白い花で覆われている。最初、コルと同じく、エゾイソツツジが続いているのかと思ったが、登り初めて気付いたが白い花は全部イワウメで、山全体がイワウメの群落でものすごく驚いた。美瑛富士というと何となく殺風景な山のイメージだったけれども、同じ山でも季節が変るとこんなに雰囲気が変るのかと実感した瞬間だった。

美瑛富士着時間は12時40分。何とか予定通り。山頂標識は山頂の南東側突端にあるが広い山頂で、イワウメの群落の中を踏跡が北西側の突端まで続いている。よく見ると地図に表記されている1888m点も中心部にあるので、行けるところまで散策してみた。写真はちょうど1888m表記点から北西部突端方向。白い花は全部イワウメ。

結局北西部の突端まで踏跡が続いていて、そこには立派なケルンが積んであった。この場所は初めて来たけれど上富良野・美瑛の鳥瞰風景も最高でとても気にいった。ただ、訪れる際は、途中踏み跡が微妙に途切れたりするのでイワウメの群落を傷つけないように配慮したい。

美瑛富士からの景色は、山頂標識のある南東部突端からは十勝岳連峰の主稜線に重なってしまうため、オプタテシケ山と美瑛岳が独立峰のように真正面に見えてしまい、稜線の風景が十分に楽しめないが、北西部突端からは少し角度がついて稜線風景もグッと美しくなる。こちらは美瑛・十勝・富良野岳と三山が見えている。

反対側は石垣・ベベツ・オプタテの稜線がきれいに見える。ほんの少し角度がつくだけでこんなに印象が変わるものかと思う。

下山は「AF-S DX Zoom-Nikkor 12-24mm f/4G IF-ED」に付け替えて、いつもと逆で、降りながら風景を撮る。写真は新緑と雪渓のゼブラ模様の十勝岳の裾野。美瑛岳分岐(H1640m)近くのハイマツ帯から撮影。まだ、こんなに雪渓が残っているのだ。

そして本日最大の難所。ドキドキの雪渓。行きは踏み跡がしっかりしていたが、帰りは崩れてグチャグチャ。キックステップでゆっくり降りたが腐った雪に足を取られて滑落。幸い足ブレーキですぐに止ったので良かったが、下まで落ちたら目も当てられない。かくして無事に通過したものの、後続の人達には更に歩き辛くなってしまったなと申し訳ない気持ちもいっぱいで通過した。

雪で埋まったポンピ沢。なんだかいつもと違う風景に別の山に来たかのような錯覚を覚える。

夏場ば大きくえぐれている函も、御覧の通り。函地形にそってイヤな亀裂が入っているが上のほうは大丈夫。

雲ノ平付近から見る十勝岳も私の好きな風景の一つです。



下山後は山辺の家族へ直行。先日、ブログに書いた時は誰もいなかった露天風呂も今日は賑わっている様子。最後までいた兄ちゃんに露天風呂で話かけたら滑り納めに来たらしい。その後は例によって山談義。昔の光景が完全に戻って来た気がする。もう少し話をしていたかったが、食事もしたかったので切り上げてカフェへ。そして、念願のキーマカレー。野菜もたっぷりで美味しいですよ(^^)。

ヤマレコで山行詳細が、Nikon image space(http://img.gg/J69BOJa)で山行写真全てが御覧になれます。

望岳台(9:00)→雲ノ平分岐(9:45)→ポンピ沢(11:00)→美瑛岳分岐H1640m(11:40)→美瑛富士分岐(12:15)→美瑛富士(12:40←昼食・北西部山頂突端散策→13:30)→美瑛富士分岐(13:45)→美瑛岳分岐H1640m(14:15)→ポンピ沢(14:40)→雲ノ平分岐(15:30)→望岳台(16:00)

今回のカメラ:
「D7000」+
 「AF-S DX NIKKOR 16-85mm f/3.5-5.6G ED VR」
 「AF-S DX Zoom-Nikkor 12-24mm f/4G IF-ED」

今回のあこの燃費:13.8km/L(前回の風不死・樽前の分とセットで...)

コメント一覧

隊長 URL 2013年06月25日(火)06時58分 編集・削除

スズさん、おはようございます。

早くも美瑛富士へ行ってきたのですね。
まだ雪がたっぷりあって、少々危険な香りのする場所もあり、変化に富んでいるなぁー。

花はエゾイソツツジとイワウメちゃんですか。
私、どっちかというとイワウメちゃんの方が好みです。

それにしても、美瑛富士かぁー。
実際、歩いてみると結構な距離ですよね。
スズさん、すっかり足は出来上がっているなぁ。
うらやましー。私はまだまだです!
(^_^)

yah URL 2013年06月25日(火)12時25分 編集・削除

いつもブログのupは早いスズさんが今回はちょっと遅かったので、どうしたのかな?と思っていました。
旭岳をやめて十勝連峰にしたのですね。
大雪から十勝連峰を見てたら、下のほうは雲の中でした。
それでも駐車場が満杯になるくらい、登る人は多いのですねぇ。

黒岳への登りも結構急でドキドキものでしたが、それでも恐らく40度くらい(写真から判断)。
50度はちょっと恐ろしすぎますね。

そろそろ十勝連峰にも行ってみようかと思うのですが、十勝岳温泉の登山口の雪は解けたかしら??

スズ(管理人) 2013年06月25日(火)12時29分 編集・削除

隊長殿、こんにちは。
足は出来上がってますが、息がまだ出来上がっていません。
標高が高くなるにつれてゼーハー状態です。

美瑛富士まで往復約18km。
私の歩行臨界距離は20km/dayなのでここが安全圏ギリギリです。
全盛の隊長さんみたいに
オプタテシケ山まではちょっと難しいです(^^;。

山頂付近を始め、雪のないところは花が例年通り咲いていますが、
アクセスする登山道が大半が雪の下ですので、
恐い思いもしますが、その分、喜びも大きいですよ(^^)。

スズ(管理人) 2013年06月25日(火)12時40分 編集・削除

yahさん、こんにちは。
かなり天気予報で時間を取られて出発が遅れ、
何れにしても旭岳は難しかったです。
おかげで十勝岳連峰の未踏域がまた一つ減りました。
あと残っているのは原始が原と三段山、新得コースです。
今年中に行けるだろうか??

今回は行程も長く、白金温泉で食事をしてから帰ったので、
帰宅したのが20時越え...写真だけRAW現像して
睡魔におそわれて寝てしまいました。

黒岳は9合目の雪渓が残っているのではないかと思っていましたが、
yahさんのレポートだと別な場所のほうが雪が多いんですね。
何だか今年はどの山も勝手が違います。

50°超の雪渓渡りはドキドキですが
渡る距離は10mほどなので気合いを入れれば私でも平気でした。
下山時に滑落したときは焦りましたが。

そろそろと言わずに十勝岳連峰にも来てください。
十勝岳連峰はいつでも暖かく迎えてくれますよ(^^)。
凌雲閣前の状態を確かめたわけではありませんが、
望岳台の雪の量から想定するに、もう歩行には支障ないと思います。

mori URL 2013年06月25日(火)16時52分 編集・削除

スズさん、こんにちは。

この間は20km、今回は18kmですかー。うらやましい・・・!
私も花ばっかり見てないで、少し歩かないとなー。

イワウメって、時期と場所が合えば、見渡す限りのイワウメ花畑になりますよね。
もうそんなところに出会えたって、これまたうらまやしー!
メアカンキンバイの方はもう群落になっていましたか?
って結局、花ばかり気にしてますね。

tarumae-yama Eメール URL 2013年06月25日(火)18時10分 編集・削除

せっかく朝早くから出かけて頂上がガスの中ではガッカリですから、スッキリと晴れて本当に良かったですね。
私は美瑛富士に3,4回登っていますが、殆ど天気には恵まれていない気がします。
D7000の写真をたっぷりと堪能させてもらいました。

今度の土曜日は知人と恵庭岳なのですが、スズさんが予定しているという羊蹄山にも登りたいですね、喜茂別コースで。

スズ(管理人) 2013年06月26日(水)12時26分 編集・削除

moriさん、こんにちは。
私も歩いているばかりではなくて、
花のあるところでは立ち止まって写真撮ったりしていますよ。

イワウメってそんなに群落を作る植物だという印象がなかったので、
山全体がイワウメ畑になっていたのは本当に驚きましたよ。
ルート上にはメアカンキンバイも咲いていますが
群落というほどのものでもなかったです。

これからのシーズンの雲ノ平は今雪渓が残っているあたりに
一面エゾコザクラの大群落ができますよね。
花の種類も豊富で花好きにはお勧めルートです。

スズ(管理人) 2013年06月26日(水)13時11分 編集・削除

tarumae-yamaさん、こんにちは。

早朝から頑張って天気予報に集中した努力が報われました。
美瑛富士は一回しか登ったことがなく、
記事中にも書いたとおり、主稜線と重なってしまうので、
あまり稜線の眺望が楽しめない印象がありましたが、
山頂北西部からの景色がものすごく良いことがわかったのは
大きな収穫でした。

ただ、盛夏シーズンの美瑛岳・美瑛富士付近は
昼前からガスってくることが多いので中々眺望には恵まれませんね。
今回はラッキー要素も大きかったです。

今回は16-85でも風景撮りをしましたが、12-24共々
この解像感というか切れ味はなんなんでしょう。
神レンズ級ですね(^^)。

恵庭岳楽しんできてください。私も後方羊蹄山を楽しみにしています。

sinnosuke 2013年06月26日(水)21時09分 編集・削除

何時もながら、写真も綺麗ですね。美瑛富士は20年近く登っていないかなー、それも濃いガスの中で緑が多かった位しか覚えていません。
私は緑岳に登っていましたが、思っていた通り第1花園、第2花園は一面雪原でしたが天気もよく、沢山の高山の花が咲き誇りゆったりとした時間を私に与えてくれました。

スズ(管理人) 2013年06月27日(木)13時03分 編集・削除

sinnosukeさん、こんにちは。
美瑛富士って十勝岳連峰でもあまり行く機会のない山ですよね。
私もこれが二度目です。一度目も美瑛富士小屋泊で時間が余ったから
行ってみようかぐらいの気持ちで行っただけでした。

緑岳から小泉岳にかけて、もうウルップ草やチョウノスケソウが
咲いているらしいですね。来週末に見に行こうと思ってましたが、
そのぐらいだと、もう遅いかもですね。

コメント投稿

投稿フォーム
名前
Eメール
URL
コメント
削除キー
公開設定
投稿キー
投稿キーには「1234」と入力してください。(スパム対策。)