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風不死北尾根から樽前山五合目まで縦走約20km

前々からtarumae-yamaさんと話していた風不死岳北尾根から樽前山を越えての縦走、当初は自転車で二つの登山口を結ぶ予定だったが、車二台を各々の登山口に置くという無難な選択で実行。まずは車で樽前山の七合目を目指したが、七合目駐車場満車に伴い五合目で足止め。そんなわけであこは五合目において、tarumae-yamaさんの車で北尾根登山口へ。

北尾根登山口からは初めての風不死岳だが、登山口ゲートを越えての林道歩きから登りの連続で既に汗だくになってしまう。今日のカメラは二台体制。D7000は風景用、Nikon1 V1には花撮り用に例によって「Minolta AF50mm」が着いている。今回、家を出る前にザックの重量を測ってみたら、日帰り装備のハズなのに10kg超。何入ってんだって感じで、最近ペースが上がらないのは体力が落ちたせいではなく、単純に荷物の重量のせいだと思う。


林道から本格的に登山道に入ると暑いのなんの...風もなく汗が蒸発してくれなくてただ不快なだけで喉だけが異様に乾く。樽前マスターのtarumae-yamaさんもさすがに辛そう。互いにペースが中々上がらない。

そんな中での癒しの存在と言えばやはり花。シラネアオイが群落で咲いていたが、やはりこの花は群落よりも凛と一輪で咲いているほうが似合うと思う(Minolta AF50mm ss1/400 f6.8)。


九合目近くでは登山道の両脇にフキが並んでいる。何だかこんな光景は初めてみたような気がして、何というか北海道らしい山の風景ではないかと思って写真に残した。


風不死岳山頂はやはり賑やか。山頂スペースにおさまりきらない人々が北尾根のほうへも流れてきていた。ここで西山ピークに行きたいと言うSさんと合流して(例によってtarumae-yamaさんが誘ったのだが)、とりあえず私の余計な一言もあって932m峰を目指すことになった。

風不死岳とニセピークのコルにはハクサンチドリがポツポツと咲いている(Minolta AF50mm ss1/250 f6.8) 。久々に見るので最初花の名前が出てこず、「何だっけ、何だっけ」と自問自答していたのは言うまでもない。ニセピークはウコンウツギの花で黄色く染まるぐらいで、他にもサンカヨウ、ミヤマエンレイソウ、チシマザクラなども咲いていた。ニセピークを過ぎると登山道は笹刈りで以前よりは開放的な印象。


風不死岳登山口(山中)で二人が休憩するというので私は近くに咲いていた白い花を撮影しに...なんだろうと思ったらエゾイソツツジ(Minolta AF50mm ss1/400 f6.8)。風不死側には見掛けなかったため、ここで一年ぶりに見れたが嬉しくて写真に撮ったが、樽前山側は全域イソツヅジだらけで、別にここで写真におさめる必要もなかったようだ(^^;。

932m峰が近づくとコメバツガザクラもまだ咲いていた(Minolta AF50mm ss1/125 f6.8)。この花は小さくて写真に撮るのは大変だけれども、私にとっては結構好きな花で、今回はMinolta AF50mmのおかげで綺麗に撮れた。932m峰ではイワブクロが見れることを期待したがツボミのみ。ただ昔の国土地理院1/25000地図に表記されていた932m峰から風不死岳登山口までの道がまだあるのを発見できた。とは言っても枝が生い茂る低木の中なので実際に歩くのは相当大変そうだが...


932m峰の次は西山ピークへ。西山への登り斜面で見た小さな葉のモコモコ具合を何とか写真に収まらんだろうかと試行錯誤を繰り返して、いい感じに仕上がった。tarumae-yamaさんの体調はすっかり回復したようで登りでもいつもの軽快なペースが戻ってきた。私のほうも十勝岳連峰の高地トレーニングが効いていたのか全然苦にならないが、幸か不幸か我々に色んな場所を連れまわされることになってしまったSさんは辛そうだ。


西山ピークに到着。ここからD7000は12-24mmから16-85mmにレンズを変えた。三角点の写真を撮るのを忘れてしまったが、名称上はここが真の「樽前山」山頂。東山は「樽前岳」という名称になっている。自転車で登ってきた男性と出会って話を聞いたが、「山は自転車と一緒でしか登ってない」とのことでマウンテンバイクの延長上に山があるような印象だった。で、山頂で昼食。私はノンアルコールビールを持ってきていたので三人で乾杯。アルコールがあれば尚いいが、山頂で飲むビールは最高。Sさんからは返杯でドリップコーヒーを頂いた。

西山ピークではtarumae-yamaさんが教えてくれたコケモモの花が綺麗に咲いている(Minolta AF50mm ss1/125 f6.8)。

昼食後は今度は東山へ...さすがに、もう結構疲れてきたが途中で白いコマクサを発見。純白色ってのは初めて見ただけに少し感動。


歩くのも疲れたがブログを書くのも疲れてきた。そんなわけで随分と端折ったが東山ピークの山頂に到着。tarumae-yamaさんにアングルを指定して(^^;、三角点でSさんと記念撮影。東山ピークの三角点は一等三角点だけに大きい。大きさがわかるように手を広げて三角点に置いているのだけど、書かないとわからないわな。

東山ピークまで付合ってくれたSさんと別れ、我々は一段下の花畑コースを目指して再び外輪山を932m峰の方向へと向かう。もうだいぶ雲が出てきているが、遠くに後方羊蹄山と尻別岳が親子のように並んで見えた。

花畑コースはyahさんも報告してくれていたようにイワヒゲだらけ。これだけ密集してあると写真の構図を決めるだけでも大変だけれども、オーソドックスにまとまった写真を一枚添付する。他にも何枚か見るに耐えるものをImageSpaceにアップしたので、興味と暇のある方は御覧頂けると嬉しいと思う。残念ながらイワブクロの開花にはまだ早く、結局一株も咲いたものを見つけることができずに七合目ヒュッテに到着。ここから五合目までは林道の下りだが、やはり話相手がいると退屈な林道歩きもあっと言う間に終了。

最後、北尾根登山口への林道でyahさんの車は入れなかったということで、また、何かの機会で訪れた際のために、あこが通れるか試してみた。見た目にはかなり荒れていて不安だったけど、実際に通って見ると全然平気。最低地上高15cmの普通車でも意外といけるもんだと気をよくして帰路についた。


風不死北尾根登山口(8:10)→H807(9:20)→風不死岳(10:10←休憩→10:20)→風不死登山口(11:20)→932m峰(12:00)→樽前山西山(12:55←昼食→13:40)→樽前山神社奥の院(14:00)→樽前山東山(14:25←休憩→14:40)→風不死分岐(15:10)→H634(15:55)→7合目ヒュッテ(16:05)→五合目ゲート(16:40)

ヤマレコとNikon image space(http://img.gg/v9eNxtk)で今回の山行写真全てが御覧になれます。

今回のカメラ:「D7000」+「AF-S DX Zoom-Nikkor 12-24mm f/4G IF-ED」
「AF-S DX NIKKOR 16-85mm f/3.5-5.6G ED VR」
「Nikon1 V1」+「Minolta AF50mm f1.7」
※今回掲載した写真は全部4段絞りで換算f6.8です。

コメント一覧

tarumae-yama Eメール URL 2013年06月16日(日)23時47分 編集・削除

風不死岳の北尾根コース、たっぷり2時間かかりましたね。
このところ体重が順調?に増え、その上今日の暑さですっかりバテました。
一人だったら、体調不良を理由に途中撤退でした。

でも、花も眺望もまあまあでしたね。

5合目ゲートまでの林道歩きは、止まって声をかけてくれる優しい人の車はありませんでしたね。
ちょっと残念でしたが、まあダイエットにはなりました。

また、一緒に登れたら嬉しいです。

隊長 URL 2013年06月17日(月)06時50分 編集・削除

スズさん、おはようございます。

風不死岳の北尾根コースですね。
私、このコースは歩いたことが無いです。
なんだか楽しそう。でも、涼しい時期がいいかなー(笑)。
登りは結構暑くなかったですか?

花撮影にはいい時期ですね。
私の好きな花がズラリと並んでいるのは羨ましいです。
そうそう。カメラ機材を増やすと登坂ペースが落ちるのは分かる気がします。
確かに重量って歩行速度に響きますよね。
それに、夏山だと水分も少し多めに持って行きますし。
...うーん。悩ましいですね(笑)。
(^_^)

スズ(管理人) 2013年06月17日(月)12時26分 編集・削除

tarumae-yamaさん、こんにちは。
前半は暑くて厳しい状態が続きましたが、
上まで上がってしまえばお互いかなり回復しましたね。

花はイワブクロが咲いていてくれればもっと良かったですが、
イソツツジがもう見たくないというぐらい見れたから、
結果としては上々だったのでは? 眺望もまぁまぁでしたが、
あれで眺望があるぐらいに、スカっと晴れていたら
熱中症にでもなったかもしれません。
丁度よいトレッキング日和だったと思います。

五合目までは少し長かったですが、
その分色々と話ができて私的には楽しかったですよ。
また、予定が合えば、秋の十勝岳新得コースの前に
どこか登りに行きましょう(^^)。

スズ(管理人) 2013年06月17日(月)12時27分 編集・削除

隊長さん、こんにちは。
風不死岳の北尾根コースは私も登ったことがなくて、
でもどうせ登るならピストンじゃつまらないしということで、
自転車を使ってグルっと一周する計画を立てていました。
それにtarumae-yamaさんが同調してくれて、
今回の車二台の山行に落ち着きました。

登りは滝のように汗が出てきて大変でしたが、
登ってしまえばさわやかな風が、時折強風のように吹き抜けて、
薄曇りで日差しが弱かったのも幸いして長距離を歩くことができました。

昔は軽量ザックに水と食料・医薬品・雨具など
最低限のものだけ入れて登っていたので、
食事を済ませてしまえば空身のようでしたが、
今はザックだけでも1kg越えですし、
チマチマと色々なものを持って上がるようになってしまって、
荷物は増える一方ですよ(^^;。
Nikon1の重量は500gぐらいでしたが、
それでもガチャガチャ持って行くと負担になるものですねぇ。
でも写真撮るのはすごく楽でしたけど(^^)。

yah URL 2013年06月17日(月)13時53分 編集・削除

長距離山行、お疲れさまでした!

でもおかげで風不死・樽前のいいトコは全部回れましたね!

カメラ2台体制!
花用と風景用。
持てるのならそれが一番楽ですよね。
実際山の中でのレンズ交換って、埃やら虫やら汗やらで、危険がいっぱいですからね。
結局交換が面倒で、標準レンズで全部撮っちゃうみたいな。
今回のニコワンで撮った花の写真、綺麗です!

北尾根への林道、あこなら腹擦らなかったですか!
最初の部分の穴というか段差がかなりあったので、ここはヤバいだろう、と思ったんですが、、、

Sさんは思いがけず、ロングコースを歩くことになったかもしれませんが、ベテラン二人に色々レクチャーを受けて、さぞかし楽しくてかつためになったことと思いますよ!!

スズ(管理人) 2013年06月17日(月)20時10分 編集・削除

yahさん、こんばんは。
月曜日に一日仕事して今さらながら疲れてきました。

写真撮るのはのすごく便利だったけど、
カメラ二台体制に交換レンズも持って行くとやっぱり重かった。
ヘルスメータで測ったら全部合わせて11kgぐらい。
Nikon1も光量があれば全然きれいに写ります。
その意味ではf1.7のミノルタレンズはとても使い勝手がいいですよ。
西山ピークでD7000を16-85mmに交換して花の写真も撮りましたが、
表現力は断然V1+ミノルタのほうが良かったです。

残念なのはコントラストの強い被写体では暗い所がノイジーになることです。
花がきれいに写っているのに、葉がノイズでザラザラだったりとか...
今回のシラネアオイの写真はNikon1で撮ったとは思えないぐらい、
パーフェクトな仕上がりになっていて、
撮った本人が一番びっくりしていました(^^;。

北尾根への林道で、あこのお腹がズルズル行くかと思ったのですが、
実際は何ともなかったです。tarumae-yamaさんも多分擦るからと
止めてくれていたのですが、行けそうな気がして行っちゃいました。
まぁ、でもノーテンキに行ったわけではなくて、
スピードも落として、タイヤを乗せる位置とかも
頭の中でかなり考えましたけどね。
あの道で一番過酷だったのは側溝ですかね(^^;。
ハンドルが取られて「ゲッ」と思いました。

Sさんは、途中からは、かなり巻き込まれた感があったと思いますが、
そのあたりは本人に聞かないとなんともですね。
西山の後、東山まで付いてきてくれるとは思いませんでしたよ。

mori URL 2013年06月17日(月)20時58分 編集・削除

スズさん、こんばんは!

縦走20kmお疲れ様でした。tarumae-yamaさんからスズさんと一緒に行くと聞いたとき、
私も行こうかなと思ったんですが、後日「20km」を見ておののきました。
正直、行かなくて良かったですわ~。そんなに歩けませんからー。

エゾイソちゃんとコメバちゃん、かわいいですね。あ!私の好きなコケモモの花も咲いてる!
へ~白いコマクサですか~。きれいですね。でも樽前山にとっては外来種なんですよね。
突然変異が発生するくらいたくさん増えてるってことですよね。
なんだか、いとおしく思ったらよいのかそうではないのか、複雑ですね。

スズ(管理人) 2013年06月18日(火)12時46分 編集・削除

moriさん、こんにちは。
そもそも私も20kmも歩くことになるとは
思っていなかったんですよ。

私の頭の中では風不死岳から西山行って
東山の分岐から7合目に降りるつもりだったんのですが、
花畑コースのイワヒゲがきれいでイワフクロも咲いているかもとか、
932m峰にもイワブクロがあったなぁとか、
どうせなら四座全部登っちゃえとか言ってるうちに、
こんなことになっちゃいました(^^;。
moriさんが一緒なら西山に行かずに、
そのまま花畑コースから降りるという選択肢も出たかもです。
なんかいつも臨機応変なので(^^;。

特定領域の外来種についてはあまり触れたくない話題ですが、
環境省も国定公園だから頑張ってるんでしょうが、
本当に環境を考えるなら限られたエリアだけでなくて
グロスでも考えて欲しいものです。
下界は外来種で満ち溢れているのを考えるととても変な話です。
環境というのは、時代やちょっとしたきっかけに
合わせて変わっていくものです。
それが本来そこにはないものだと、一体誰が断言できるのでしょうね?

mori URL 2013年06月19日(水)21時05分 編集・削除

樽前山のコマクサについて、「樽前山 コマクサ 問題」で検索してみたら
ちょっとおもしろい記事を発見しました。良かったらご覧ください。
ちなみにこれの次の次が、tarumae-yamaさんの記事でした。

http://hopposansokai.web.fc2.com/kaishi/no16/16-13.pdf

この山で言えば、タルマイソウと生息地が競合しそうに思うんですが、
どうなんでしょうね?

スズ(管理人) 2013年06月19日(水)22時04分 編集・削除

moriさん、こんばんは。
記事読みましたよ。今ひとつ筆者が何をいいたいのか
よくわからない文章でしたが、内容はよく理解できました。

水かけ論になりそうなので、これ以上はどうかと思いつつ、更に踏み込んじゃうと、
あることを証明するのはたやすいですが、
ないことを証明するのはものすごく大変なことです。
この文章の筆者もかなり迷いながら書いていることが伺えますが、
記録にコマクサが出てこないからと言って、
生息してなかったという証明にはならないですよね。
植生分布などで多い少ないを議論するのは良いと思うのですが、
少ないには単純に生息に適さないことや、
季節風などの影響で種が運ばれにくい地域があるなどの理由があるわけで、
世の研究者達にはその理由をちゃんと見極めて頂いて
あるべき環境保全の姿を模索してして欲しいものです。

タルマイソウと生息地が競合という話はよくわかりませんが、
どちらも風衝地が好きな植物ですもんね。これって競合しちゃうの??
高根ヶ原なんかを見ているとコマクサやイワブクロが
両方、共存していたような気がするのですが...
ちゃんと写真などを撮って確認したわけではないので、何とも言えませんが...

個人的には、外来種問題よりも、
年々、雪解け時期が早くなって来ている影響で熊笹の生息領域が拡がり、
高山植物そのものの生息地を侵し始めていることのほうが重要な関心事で、
これは環境省的にはどう対処するつもりなのか聞いてみたいです。
雪解け時期が早くなっている原因が人間活動に伴う地球温暖化なのだとしたら、
環境省は本来生息域を拡大していないハズの熊笹を
ひっこ抜いて高山植物を保護してくれるのでしょうかね?

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